ある少女の視線から感じたこと

年末の買い出しにと思い休みの日に池袋へ行ってきた。御用納めの日だったせいもあって、西武の地下街は私と同じように買い出しに来ている人たちでごった返していた。狭い空間にいると年末の空気感を味わえない。あえて人混みに飛び込んでみることで、今世の中はどんなふうになっているのかを素直に感じ取ることができる。

今年はなにかと池袋に足繁く通った。単純に西武が気に入ったというのもあるのだが、ジュンク堂という大きな書店があることも訪れる理由の一つとして挙げられよう。大学の先生に「君にはジュンク堂が合っているよ」とおすすめされたのがきっかけだ。初めて訪れたのは大学1年の夏だった。1階から9階まですべてのフロアに溢れんばかりの書籍が並んでいるのを見て圧倒された。おそらく店内を一日中見てまわってもまわりきれないと思う。置いてある本の数が尋常ではないのだ。

時にはここでまとめ買いをして、一回で1万円を使ったことも一度や二度ではない。1万円を超えるとビニールや紙の袋ではなく、布製の袋にかえてもらえる。今回はギリギリ1万円は超えなかったから、普通のビニールでと思いきや、やっぱり紙の袋がいいと店員に告げると、本の背表紙を底にして、わざわざ二重に紙袋をつけてくれた。

ありがたい話であると思っていたら、レジのカウンターのところに何やら貼り紙があって、そこには今後は過包装を減らしていく云々と書いてあった。しまった、また余計なことをと思って店を出るタイミングで、あのグレタさんが表紙になっている本が目に入る。ああ、またもやしまった。グレタさんはあのとおりの視線で私を見ている。自分の環境問題への関心度の低さに辟易してしまった。

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