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はかなきこの世を過ぐすとて
海山かせぐとせしほどに
よろずの仏にうとまれて
後生わが身をいかにせん

梁塵秘抄(りょうじんひしょう). 後白河法皇 編纂. 

「海山かせぐ」とは、
殺生をし、人を騙し、罪を重ねて生きざるを得ない人々。
武士、役人、漁師、猟師、酪農すべての人にあてはまる。
生きるすべての人である。

食事を重ねることは、自身もしくは誰かが生き物を命を奪っている。
安全に暮らしている営みは、自身もしくは誰かが人を脅し奪っている。
無垢な赤ちゃんには鬼子母神。まわりの人が赤ちゃんの為に手を汚す。
職業として努力して殺生し、鋭意工夫して欺す。
真面目に社会の為に、身を粉にして罪を重ねる。
年を重ねるということは、罪を重ねることと同義。
この世は罪を重ねて生きざるを得ない、末法地獄を巡る人々。

浄土真宗の開祖親鸞聖人の言葉をまとめた「歎異抄」のなかに、
「善人なおもて往生を遂ぐ、いわんや悪人をや」があります。
「善人は救われる。悪人なら尚更救われる」というものです。

この世は罪を重ねて生きざるを得ない、末法地獄を巡る人々。
年を重ねるということは、罪を重ねることと同義。
この世は悪人だらけで、大極悪人は長生きをしたお年寄り。
長寿を願うことは、罪を重ねることを願うこと。

そんな人々を救う仏様が、阿弥陀さま
「南無阿弥陀仏」

南無阿弥陀仏が刻まれたさざれ石。
小さな小石すべてが個性豊かな生き様を擁す。
石だから、意志だから、
空気読まずに、己に刻まれた文字を読めば良いのです。
























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