北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)のレトリック V.3.1


第1話 レトリックで知る国民性(欧米VS中国・北朝鮮)

  レトリックとは、①修辞法。修辞学。②修辞。美辞。巧言(広辞苑 第七版 (C)2018 株式会社岩波書店)ということですが、要は、ひとつの事実・事象・行動を説明するのに、どういう物の言い方・説明の仕方をするか、ということ。

  今回、北朝鮮・政治局員・金与正氏の談話を知り、彼女のストレートなものの考え方・胸のすくような論法(考え方が直線的で・言葉に嘘や飾り気がなく、論旨のごまかしやすり替えがない)に感動した私は、2021年の中国VS米国の会談における、やはり、中国人による胸のすくような明快でストレートな論法を思い出しました。

○ 「汚物を拾って嫌な気持ちになってみろ…何十倍で対応」北朝鮮・金与正氏
   https://news.livedoor.com/article/detail/26503862/」2024年5月30日

○ 「米中天津会談、中国猛攻に「バイデン・習近平会談」言及できず―それでも習近平との近さを自慢するバイデン」
  遠藤誉 中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
  2021年7月29日

  欧米人(の政治家やビジネスマン、言論人)とは、何を言うにも「持って回った言いまわし、奥歯に物の挟まったような物の言い方」をしますが、彼らはそれをレトリックという学問にして大学で教えています。政治学や経済学と同じく「ものの言い方」までをも武器にし、商売にしている。ですから、大卒といった高学歴の人間ほど、そういうものの言い方をしたり、人間性そのものがレトリック的(ごまかし)という人が多いのです。

  一方、中国人というのは古来より、文学作品(詩や散文・歌劇)においては、思いっきり文学的表現・情緒的表出を楽しむことのできる(白髪三千丈なんていう表現)民族ですが、政治や経済、法律や科学といった分野では、修辞や美辞麗句といった言葉の虚飾を徹底的に廃した、ありのままの記述や数字に基づいた正確な表現をする(のでわかりやすい → 人民網日本語版)。

  私は、2021年7月29日にネットで拝見した遠藤誉女史の論文「米中天津会談、中国猛攻に・・・」で、初めて、現代中国人のストレートで明快な論理・論法に感心し、以後、ネット上で読むことのできる「人民網日本語版」という新聞を通して、中国人の、ものの考え方(理性・知性・感性)を学ばせて戴いております。

  日常の報道に氾濫する欧米的・ごまかし的レトリック(修辞・巧言)に慣れ(洗脳され)、虚構世界で「幸せに」生きるか、それとも、日々、何らかの不愉快な目に遭っても真実を見て生きるか。
  こればかりは、個人の好み・生き方の問題ですが、私は私の見る「中国人の血の濃さ・存在感」に鑑み、彼らの人間性の源泉ともいえる中国古典籍を、在来種純粋日本人の心の拠り所である日本昔話と合わせ、自身の羅針盤にしています。

  もはやリタイアの身、今さら虚飾の世界で金儲けだの無縁の私。
  気取った言辞や、格好つけたレトリックなんて不要、というか、今まで通り、正直にストレートなものの見方・考え方で残りの人生を歩むことで来世が見えてくると考えています。

  で、たとえ今の時勢にそぐわずとも、
○ (人民網日本語版に見る)中国大好き
○ 北朝鮮の金与正氏大好き。

  なぜなら、彼らのものの見方・考え方とは、私にとってmake sense(筋が通る・意味をなす・よくわかる・もっともである)だから。

  もちろん、人民網日本語版に書かれた「中国に都合のいいこと」ばかりを見ている、金与正氏のごくごく一部の話を知っているだけ、つまり、「群盲象を撫(な)でる」と言われてもしかたありません。
  しかし、私たち日本人は毎日マスコミから、韓国脳政治屋たちの奇妙きてれつな言行が正しい、という麻薬に侵されている・洗脳されている・押しつけられているようなもの。
  韓国脳政府広報やマスコミが選んだ、自分たちに都合のいいニュースばかり。
  そうでれあれば、何が正しいのかなんて、結局は個人の好みで決めるしかないのです。

2024年6月1日
V.1.1
平栗雅人


第2話 北朝鮮人の論法・ものの見方・考え方

  欧米的レトリック・韓国脳(韓国人的ものの見方。考え方)に洗脳・汚染された私たち在来種純粋日本人には、ちょっとどぎつい話しぶりに感じられますが、素の心で読めば、非常に良いことを言っている。
  私はそう感じます。

○ 金与正氏「汚物を拾って嫌な気持ちになってみろ…何十倍で対応」

ライブドアニュースよりhttps://news.livedoor.com/article/detail/26503862/

<転載開始>2024年5月30日 8時27分
中央日報

  北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の妹である金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長は29日、韓国に対する汚物風船とビラと推定される物体の散布に関連して「大韓民国に対するビラ散布が我が人民の表現の自由に該当し、韓国国民の知る権利を保障すること」と主張した。

  与正氏はこの日、朝鮮中央通信を通じて報道された談話で「大韓民国種族は朝鮮民主主義人民共和国人民の正義の『表現の自由』を奪うことはできない」と明らかにした。

  また「韓国のものたちは我が人民が散布する汚物を『表現の自由保障』を叫ぶ自由民主主義の幽霊どもに送る心のこもった『誠意の贈り物』としてしっかりと感じて、これからもずっと拾い集めなければならない」としながら「我々は今後韓国のものたちが我々に散布する汚物量の何十倍で1件当たりに対応していくだろう」とした。

  続けて「我々があいつらからいつもされていることをちょっとやってみたが、なぜ火の夕立ちに遭ったかのように大騒ぎしてしているのか分からない」としながら「我々が数年間そのように問題視して中断を要求してきたくだらない物の散布遊びを、あいつら自身が直接されてみて、結局たった一日で白旗を揚げて投降した格好」と話した。

  さらに「あの韓国のものたちの目には北に飛んで行く風船は見えず、南に飛んでくる風船だけが見えたのだろうか」とし「今、ごみのような韓国のものたちは、我々に対するあいつらのビラ散布は『表現の自由』と騒ぎ、それに相応した同じ我々の行動に対しては『国際法の明白な違反』というふてぶてしい主張をしている」と主張した。

  あわせて「風船が飛んで行く方向によって『表現の自由』と『国際法』が規定されるのか。ふてぶてしいにもほどがある」とし「韓国種族どもというのが、どれほど拙劣で恥知らずなものたちであるか、改めて確認できる機会」と付け加えた。

  与正氏は「野良犬すら見向きもしないようなこれっぽっちの値打ちもない貨幣と物を押し付けて、我が人民を著しく愚弄冒涜(ぼうとく)した韓国のものどもも、同じことを嫌というほどされてみるがいい」とし「汚物を拾いながら、それがどれくらい汚らしく疲れることかを体験すれば、国境地域での散布遊びに対して『表現の自由』という言葉が簡単に口にできるようなものではないことに気づくだろう」と繰り返し主張した。

  一方、北朝鮮が汚物とごみを入れた大量の「汚物風船」を韓国各地で散布した。各地で風船とこの風船につけられて飛んできたビラを見たという目撃談が出ている。

  この日、合同参謀本部によると、北朝鮮が28日夜から散布した対南風船は京畿(キョンギ)、江原(カンウォン)、慶尚(キョンサン)、全羅(チョルラ)など全国各地で260個余りが観測された。今回飛んできた風船には汚物や紙くず、糞尿などが袋に入ってつけられていた。北朝鮮は大きなビニール袋に内容物を入れてこれを風船につけて散布したが、一定時間経過すれば、この袋を爆発させることができるタイマーまで付着した。韓国軍は対南風船の撃墜は試みないで、落ちるまで地域別に監視を続けている。

  韓国軍関係者は「きょう衛星利用測位システム(GPS)電波撹乱(かくらん)の試みがあったが、これに関連した民間や軍の被害はない」と説明した。

  北朝鮮は26日、国防省の談話を通じて韓国側民間団体の対北ビラ散布を非難して「国境地域で繰り返されるビラと汚物散布行為に正面対抗するだろう」と警告してから3日後に韓国側に「汚物風船」を散布した。

<引用終わり>

  日本の韓国脳政治屋(政治を金儲けの手段にしている人)たちとは全く異なる、北朝鮮政治家(政治局員というのでしょうか)の、ストレートでわかりやすい話です。
  韓国人にはない、ユーモア感覚溢れる政治的行動と声明です。

拙著「北北西に進路を取れ Look北朝鮮」より

知ってみりゃ楽しい北朝鮮

   私が北朝鮮(金与正氏)に関心を持ったのは、2020年11月の米国大統領選挙の時。
  バイデンかトランプかでもめていた時、彼女はTwitter上でこう言い放ったのです。
「男なら、殴り合いで勝負をつけなさい。アメリカはボクシングの国でしょう。」と。

  やはり、北朝鮮(高句麗)と韓国(百済・新羅)は民族が違う、と思いました。同じ朝鮮語(ハングル)を使うというだけで、民族的には全く別なのです。

○ 日本的感性がある

   Twitter上で繰り広げられる金与正・金与正2号・金正男(亡霊)の三人のおしゃべりには、日本人に通じる感性があります。彼らの母親が例のなんとかという日本人女性だからでしょうか。

○ 北朝鮮人には、日本人に似ている顔が多い

   サッカー女子ワールドカップ、日本の国立競技場で行われた日本対北朝鮮の試合前の集合写真で見た北朝鮮女性の美しさとは、韓国人とは全く違い、日本人女性にそっくりでした。北朝鮮人と韓国人とでは顔つきが違う。

○ 日本人と共通のユーモア感覚がある

  これは韓国人には絶対に無いユーモア感覚です。

  Twitter上の、金与正たちの過去のコメント・つぶやきを読むと、それがよくわかります。
  死んだ金正男を亡霊としてTwitter上で喋らせるなんて、いかにも北朝鮮らしい、ブラック・ユーモアです。

<2021年 4月Twitterからの引用>

・・・

【公式】金与正 김여정(Kim Yo-jong) 朝鮮民主主義人民共和国, DPRK

@KimYojong09261

3月26日

日本のサッカー選手。もし南朝鮮と今後試合をやる機会があったら歯を折るなり足腰立たなくしてあげなさい。

金与正2号【公式】
@northkoreayo2
4時間

南朝鮮
韓国にはスポーツ精神がない…
呆れてしまう
引用ツイート

いきまる
@jGc3lLxksneeXZZ
3月25日
#日韓戦  富安 プレイと全然関係ないよね。。歯も折れてるし出血してる。

・・・

【公式】金与正 김여정(Kim Yo-jong) 朝鮮民主主義人民共和国, DPRK
@KimYojong09261
23h
  おかしいですね。兄が死んだというのはエイプリルフールで冗談のつもりだったのに。知ってたなどの声が多く、困惑しております。妙ですね・・・

【公式】金与正 김여정(Kim Yo-jong) 朝鮮民主主義人民共和国, DPRK
@KimYojong09261
兄、金正恩が死去しました。各メディア等通じて改めて通達いたします。
金与正2号【公式】
@northkoreayo2
Replying to
@KimYojong09261

やっと真実を認められたのですね…
エイプリルフールの真実
2:57 AM · Apr 1, 2021·Twitter for Android
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・・・

【公式】金与正 김여정(Kim Yo-jong) 朝鮮民主主義人民共和国, DPRK

@KimYojong09261
7時間
おめでとう。
引用ツイート

金正男 Kim Jong-nam
@Kim__Jongnam
2021年3月21日
フォロワーさんが2900人になったよ。日本の皆さんありがとう。

・・・

【公式】金与正 김여정(Kim Yo-jong) 朝鮮民主主義人民共和国, DPRK
@KimYojong09261
2月27日
正男にぃが言うと重みが違いますね。
引用ツイート
金正男 Kim Jong-nam
@Kim__Jongnam
2月26日
どうして自ら命を絶つんだい…

・・・

金与正 (Kim Yo-jong)
@KimYojong1988
2月11日
綺麗で透き通った世の中に生きたい


第3話 中国人の論理(真実)とアメリカ人のレトリック(ごまかし)

  この記事には、中国人のストレートで論理的なものの考え方と、アメリカ人の欧米的ごまかし言辞(レトリック)の対比が鮮明に現われています。

<引用開始>

「米中天津会談、中国猛攻に「バイデン・習近平会談」言及できず―それでも習近平との近さを自慢するバイデン」
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/a4190a8120e96c3fa94be74b5e48b1ecfdfb10e3
  
遠藤誉中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士    2021/7/29(木) 15:56

 アメリカのシャーマン国務副長官は天津で外交部高官と会談したが、中国の猛攻撃に遭い、「バイデン・習近平会談」の赤絨毯を敷くことはできなかった。しかしバイデンはなお習近平と会った時間の多さを自慢している。

◆会談設定前のいざこざ:高位の対談相手を望んだシャーマン

 ウェンディ・シャーマンは国務院副長官なので、中国では外交部副部長に相当する。7月20日、訪日した時にもシャーマンの対談相手は茂木外相ではなく、森健良(たけお)外務事務次官だった。

 中国には複数の「外交部副部長級」がいるが、序列1位の斎玉は外交部の中国共産党委員会書記で、序列2位の楽玉成が副部長としてはトップとなる。

 そこでシャーマンは最初、楽玉成と対談したいと申し込んだらしい。

 しかし中国側は断った。謝鋒(副部長としては4位だが、副部長級序列は5位)がアメリカ担当なので、謝鋒を対談相手とすると譲らなかった。するとアメリカ側は「ならば、訪中をやめましょうか・・・」と言わんばかりに沈黙を保った。

 すったもんだの末に、妥協案として中国側は謝鋒が対談相手であることは譲らず、謝鋒の後に、「おまけ」として「王毅外交部長との対談も付けてやる」ということになったらしく、7月21日になって米中双方が「天津で、謝鋒外交副部長および王毅外交部長と会うことになった」と発表するに至った。

 なぜ天津なのかだが、中国は今、北京にコロナ・ウイルスが入ってくるのを警戒して、外国からの来客を北京入りさせない態勢で動いているからだ。

◆虚勢の張り合い――米中で異なる対談相手を発表

 謝鋒と王毅は、26日の午前と午後にわたって、それぞれシャーマンと対談した。

 中国では主として謝鋒との対談が数多く報道されたのに対して、アメリカでは王毅との対談だけが公表されているのは、米中の虚勢の張り合いを伺わせて興味深い。

 中国では国内向けに「たかだか国務副長官。謝鋒が対応したので十分」というメッセージを発信したいし、アメリカでは権威付けとして、「外交部副部長ではなく、外交部部長(=大臣)が国務副長官に対応したので、シャーマンは中国で非常に高く評価され、アメリカの権威を示すことができた」とアメリカ国民に発信したいのだろう。

 そもそもこの会談はアメリカから仕掛けてきたものだ。

 バイデン大統領は6月16日にスイスでプーチン大統領と対面で会談した直後、「そう遠くない将来に習近平と会うことになるかもしれない」と示唆している。

 7月10日のコラム<「バイデン・習近平」会談への準備か?――台湾問題で軟化するアメリカ>で書いたように、7月6日に「アメリカは中国と平和的に共存できる」、「台湾の独立を支持しない」などと述べたキャンベル国家安全保障会議・インド太平洋調整官は、「バイデンが今年10月にイタリアで開催されるG20で習近平に会う可能性がある」という趣旨の発言をしている。

 だから今回の米中天津会談は、バイデンが習近平との(対面での)会談を実現するための赤絨毯を敷くためにアメリカ側が中国側に申し入れたものと受け止められていた。

 しかし、中国のあまりの攻撃的な姿勢に、とても「バイデン・習近平会談」の話に触れるところまで至らなかったようだ。

 では中国はどのように対米批判を展開したのだろうか?

 中国外交部のウェブサイトで謝鋒とシャーマンの対談および王毅とシャーマンの対談 が、それぞれまとめて公表されているので、基本的にこの情報に基づいてご紹介する。

◆「謝鋒vs.シャーマン」対談:中国の激しい対米攻撃

 謝鋒がどのように激しい対米攻撃を行ったか、そのいくつかをピックアップしたい。

 ●米中関係悪化の根本的な原因は、アメリカの一部の人々が中国を「仮想敵」として扱い、国内の根深い構造的対立の責任を中国に転嫁し、自国民の不満をそらそうとしていることにある。しかし、それによってアメリカが救われることはない。

 ●アメリカの「競争、協力、対抗」の三分法は中国を封じ込めるための「目くらまし」に過ぎない。対抗と封じ込めが本質であり、協力はその場しのぎ、競争は言葉の罠だ。自分たちが優位に立っていると判断する領域では、友好国を誘い込んでは中国に対してディカップリングを行いブロック化して制裁し、衝突して対立する。アメリカは自己本位で、一方的に利益を得たいだけだ。要するにアメリカは中国に負けたくないだけではないのか。

 ●中国はアメリカを負かしてアメリカに成り代わって世界制覇をしようなどとは思っていない。アメリカと軍事競争をする気も持っていない。

 ●アメリカ側の「ルールに基づく国際秩序」の維持とは、アメリカのような一部の国が自分たちの「家族の法律やルール」を国際的なルールと位置付けて他国を規制し、自分たちの利益になるようにルールを改ざんしているに過ぎない。中国が強くなることを怖がり、弱肉強食のルールを適用しているだけだ。アメリカは最も反省すべき国であり、自国の民主主義や人権問題に真剣に取り組むべきだ

 ●アメリカは中国が新疆(ウイグル自治区)で種族絶滅を図っていると言い掛かりをつけているが、アメリカ大陸にいた原住民を絶滅させて国家を建設したのは、どこの国なのか。現在もなお人種差別をしている国はどこなのか?自国の人種差別と非民主性を改善してからものを言え

 ●「一つの中国」原則は米中関係の基礎である。「台湾独立」を阻止してこそ、真の平和がある。内政干渉は許さない。

 ●香港が「中華人民共和国香港特別市」として中国に帰属したことを知らないわけではあるまい。アメリカはその現実を正視する勇気を持つことができず、何とか香港を、中国を転覆させるための「橋頭堡(きょうとうほ)」(敵地に侵攻するための拠点)に仕立て上げようとしている。小手先の内政干渉をしてきても香港の大局は揺らがない

 ●アメリカは数か国に呼び掛けて「中国が悪質なサイバー作戦を仕掛けた」と事実無根の捏造をしているが、「盗人猛々しい」もいいところだ。アメリカこそは世界で最もインターネット技術と権力が集中している国であり、最も攻撃的なサイバー攻撃を仕掛け、西側先進国にまで盗聴の手を伸ばし、最も多くの機密をオンラインで盗み出す国であることは世界中の誰もが知っていることだ。サイバーセキュリティ問題で中国に汚水をかけなければアメリカは中国企業に勝てないので、汚い手段を弄している。

 ほとんど「悪口雑言」に近い激しい対米批判は4時間にわたって展開され、謝鋒は最後に二つの対米リストをシャーマンに手渡した。

 一つは、アメリカが中国に対して出している誤った政策や言動を是正せよという「是正措置リスト」で、もう一つは中国が懸念している案件のうち優先的に解決せよという事を要求している「優先案件リスト」だ。両方とも非常に長いものなので詳細には論じない。要は個人に対する制裁を撤廃せよということや、中国人留学生や孔子学院への弾圧をやめよといった類の内容である。

◆「王毅vs.シャーマン」対談:アメリカは国連憲章に基づく国際秩序を守れ!

 26日午後、王毅とシャーマンの対談が2時間ほどにわたって行われた。

 王毅の主張は謝鋒の主張と重なるので、ここでは省略するが、要は「アメリカこそが最も反省すべき国だ」として、「国連憲章に基づいた国際秩序を守れ」あるいは「高関税や一方的な制裁は国際ルール違反だ」とシャーマンに批判を向けた。

 また、台湾問題については「台湾独立勢力が挑発してくるなら、中国はあらゆる必要な手段を取って制止する権利がある」と主張した。

 シャーマンは「一つの中国」原則を守り、「台湾独立を支持しない」と誓ったと、中国外交部のHPにはある。

◆アメリカ国務省のHPは王毅外相との会談のみを公表

 一方、シャーマンの主張に関してはアメリカ国務省のHPに王毅との会談のみが公表されている。

 それによればシャーマンは以下のように言ったとある。

 ●われわれの価値観や利益に反し、国際秩序を損なう中国のさまざまな行動について懸念を示した。たとえば、香港での反民主主義的な弾圧、新疆ウイグル自治区で進行中の虐殺や人道に対する罪、チベットでの虐待、メディアへのアクセスや報道の自由の制限など、人権に関する懸念を示した。

 ●サイバー空間、台湾海峡、東シナ海、南シナ海での北京の行動に対する懸念についても述べた。

 ●中国で拘束されたり、出国を禁止されたりしているアメリカ人やカナダ人の事例を取り上げ、「人々は交渉の材料ではない」と伝えた。

 ●しかし「アメリカは中国との対立を求めているわけではない」と述べた。

◆バイデンが「私こそが世界で習近平に最も近い指導者」と自慢!

 米中天津会談におけるシャーマンの発言が発表された翌日、ホワイトハウスは「バイデン大統領のアメリカ国家情報長官室におけるスピーチ」を発表した。

 それによればバイデンは「自分が如何に習近平と近い存在であるか」を、以下のような事例を挙げて自慢している。

 ●私は習近平とは、世界のどのリーダーよりも多くの時間を過ごした。副大統領時代には、25時間も二人きりで過ごしている。

 ●私は習近平と一緒に1万7千マイルを旅した。彼と一緒に座って話したこともある。私が座って話をすることができたのは、それぞれに同時通訳がついていたからだ。

 ●習近平は中国が21世紀40年代までに(2040年頃までに)世界で最も強力な軍事力を持ち、世界で最大かつ最も優れた経済力を持つ国になることを、死ぬほど真剣に考えていた。これは本当のことだ。

 ああ、なんということだ…。

 中国側の猛攻に圧されて、バイデンが望んでいる「バイデン・習近平会談」の話題さえ持ち出せなかったというのに、誰の目にも明らかになる「習近平への秋波」を、国家情報長官室で送るとは何ごとか!

 中国側はそれを仕掛けて「戦狼姿勢」でいることも知らないのだろうか。

 7月28日にアメリカに到着した新任の秦剛・駐米中国大使は、米中天津会議の「シャーマン・王毅会談」に同席していた。

 彼は「アメリカが中国を戦狼外交と言うのなら、アメリカは悪狼外交だ」と言ったことで有名なやり手だ。英語が堪能で、習近平の対米政策ブレインの一人であることに注目しておいた方がいいだろう。

遠藤誉

  中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
  1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。日本文藝家協会会員。著書に『習近平が狙う「米一極から多極化へ」 台湾有事を創り出すのはCIAだ!』、『習近平三期目の狙いと新チャイナ・セブン』、『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。2024年6月初旬に『嗤う習近平の白い牙』を出版予定。

<引用終わり>

続く

2024年6月1日
V.1.1
平栗雅人

第4話 中国人の主張(レトリックなしのストレート精神)

  欧米風レトリックという姑息な手管(人をだます手段)に頼らず、ここまで徹底的に・懇切丁寧に、自分たちの立場と考え・方向について、明確に述べることのできる国や民族はいないでしょう。

今回、引用させて戴いた北朝鮮金与正氏の論説「韓国人は自分たちの汚らしい魂を自覚せよ」とは、経済や政治を越えた、北朝鮮人民の純粋な魂の領域に関する立場を述べたものですが、論旨は明快であり、その根底にある論理と論調は中国人の主張スタイルと同じです。

<於人民網日本語版「米国の理不尽さを指摘する」直近の論説>

○ 米国はなぜ頻繁に「中国生産能力過剰論」を騒ぎ立てるのか?

○ 【イラストで読み解く】「中国生産能力過剰論」をでっち上げる米国

○ 国家発展・改革委員会「『輸出の多さ=過剰生産能力』との認識は成り立たない」

○ 「輸出の多さ=過剰生産能力」はつじつまが合わない

○ 【解説】「中国の生産能力過剰論」に対する10の質問

○ 「中国のグリーン製品輸出が他国の経済に損害」? 全くのナンセンス

○ 中国のグリーン生産能力に対する中傷、事実を前にすれば自ずと破綻

○ 外交部「いわゆる中国『生産能力過剰』論は保護主義への口実提供に過ぎず」

○ 西側が騒ぎ立てる「中国の過剰生産能力」について海外メディアがコメント

○ 中国の駐米大使が「中国生産能力過剰論」に反論

○ 「米国のいわゆる『言論の自由』の事実と真実」報告書が発表

○  米国は「国家安全保障」を万能の口実にしてはならない

○ 【イラストで読み解く】米国の対中追加関税は保護貿易主義的行為


第5話 月刊 Hanada 最新号:2024年7月号

  (発売日2024年05月24日)

  事実をそのまま淡々と報道する新聞記事と違い、週刊誌や雑誌とは、事件や出来事・世の中の動きを「面白く」解説していなければならない(と私は思う)。

その意味で、最近の日本の週刊誌・月刊誌は、どれも韓国脳に汚染された(在来種純粋日本人らしくない)記事や論説ばかりで、面白くない・勉強にならない・実生活に役に立たない。

その点「月刊 Hanada」とは、毎号全部の記事を読んでいるわけではないのですが、今月号以下3つの論説は、面白く(心性)・勉強になり(知性)・実生活において有用になり(現実性)ました。


○ 飯山陽 選挙活動の自由を濫用する偽善者たち

ご自分の選挙戦における体験記ですが、その事件を記述するこの方の「精神の純粋性」が強く感じられます。韓国脳という、薄い精神とは比べようもない精神の凝縮性・濃さ・知性の重みが感じられ「ああ、オレも同じ在来種純粋日本人なんだ」と実感できました。  

私に知性なんてありませんが、こういう「濃い人間」を実感することのできる自分に、悦びを感じます。


○ 遠藤誉 イーロン・マスクと習近平の「白い牙」

理学博士でいらっしゃるだけあり、政治や経済分野における科学的分析手法と女性的丁寧な図・表の作成、そしてそれをベースにした論理的な話の進め方は超一流です。

「知を致すは物に格るに在り(格物とは物の理にいたると読み、事物に本来そなわる理に窮め至ること)」という中国の箴言(朱子学・陽明学の考え方)を、そのまま実地で行っていらっしゃる、かのようです。

この方からは、理性とは真理の二面性を見極めることである、ということを学びました。ネット上では、女史の多くの優れた論説を読むことができます。


○ 室谷克実 隣国のかたち 亡国へのプレゼント

  氏の「隣国のかたち」は連載なのですが、毎回、金与正氏の言う「韓国種族」の驚くべき生態・狂態を知ることができます。ドリフや志村けんのバカ殿様みたいで面白いだけでなく、「以て他山の石と為す(自分の人格を磨くのに役立つ他人のよくない言行や出来事)」という意味で、参考になります。

特に、今号の「亡国へのプレゼント」は、いま現在、日本で騒いでいる賄賂(パーティ券)問題そのもの。「ああ、やはり、いまの日本は韓国と同じなのだ。」と、実感します。

「賄賂は10万円はダメだが5万円ならいい」なんていうバカげた「議論・話合い・調整・修正・審議・丁寧な説明」といったおままごと・茶番劇で、何日も時間を潰し続けるバカさ加減は、まさにバカ殿の世界。

この方の「隣国のかたち」を毎号拝読していると、「よくもまあ、こんな国が続いている」と感じるのですが、今の日本もこの隣国と全く同じレベルにまで堕ちたか、と実感します。「亡国」というのは、日本のことも意味しているのですね。日韓心中。

********************************

北朝鮮は飢餓・独裁政治、中国は崩壊する・台湾危機なんていう、欧米風レトリック・韓国脳的バカ騒ぎに踊らされず、現実をしっかりと見て今を生きようという「真面目な気持ち」にさせてくれる、御三方の論説です。

みなさん、他意(心に隠した別の考え)のない、ピュアでストレートな心をベースに、強力な知性の力によって論理的・科学的な論法を駆使し、複雑な事象をわかりやすく分析されています。

嫌みのないスッキリとした(明快な)、しかし苦み(現実味)のあるドラフトビールのような、しっかりとした味わい(論旨)となっているのです。

2024年6月3日
V.2.1
2024年6月4日
V.2.2
平栗雅人

第6話 何をどう伝えるか・北朝鮮人(金与正氏)の精神

① 民主主義における「表現の自由」の正当性を述べる

 ○「大韓民国に対するビラ散布が我が人民の表現の自由に該当し、韓国国民の知る権利を保障すること」
 ○「大韓民国種族は朝鮮民主主義人民共和国人民の正義の『表現の自由』を奪うことはできない」

② 民主主義の原則ばかりでなく、現実の政治的行為における正当性について

  ことの起こりは韓国にある。初めに朝鮮民主主義人民共和国に対して啓蒙行為(言葉や写真・ビデオといった媒体によるビラ配り → 金与正氏はこれを精神的な汚物である、と喝破されている)を始めたのは、他ならぬ韓国である、という事実を述べる。

  勝新太郎の名画「座頭市」で、主人公の盲目の剣客は、自分を襲ってきた賞金稼ぎたちを斬り倒した後にこう言います。「(刀を)抜いたのはそっちが先だぜ。」と。

○ 「我々が数年間、問題視して中断を要求してきたくだらない物の散布遊び(韓国による北朝鮮に対するプロパガンダ)を、あいつら自身が直接されてみて、結局たった一日で白旗を揚げて投降した格好」

○ 「我々があいつらからいつもされていることをちょっとやってみたが、なぜ火の夕立ちに遭ったかのように大騒ぎしてしているのか分からない」
  

③ 相手(韓国)の側に立っての視点 宮本武蔵「五輪書」「敵になる」

○ 「韓国人政治屋の目には北に飛んで行く風船(韓国人が行った精神的汚物散布)は見えず、南に飛んでくる風船(北朝鮮からの返礼)だけが見えたのだろうか」

○ 「今、(精神的に)韓国の政治屋たちは、我々に対するあいつらのビラ散布は『表現の自由』と騒ぎ、それに相応した同じ我々の行動に対しては『国際法の明白な違反』という奇妙な主張をしている」

④ 北朝鮮でもない韓国でもない、公平なものの見方

○ 「風船が飛んで行く方向によって『表現の自由』と『国際法』が規定されるというのはおかしい。」

○ 「(自分で汚物をまき散らしておいて、それが自分たちに向かって風に流されてくることにヒステリックになる)韓国人政治屋が、どれほど拙劣で恥知らずであるか、改めて確認できる機会」

⑤ 北朝鮮人の魂の純潔性

○ 「野良犬すら見向きもしないような、これっぽっちの値打ちもない韓国の貨幣と物を勝手に押し付けることで北朝鮮人民を著しく愚弄冒涜(ぼうとく)した韓国は、今回の北朝鮮による返礼を機会に、同じことを嫌というほど味わうべき」

○ 「韓国人は、北朝鮮からの返礼品(汚物)を拾いながら、それがどれくらい汚らしく疲れることかを体験すれば、これまで長い期間、国境地域での韓国人による北朝鮮に対する散布遊びに対して、『表現の自由』という言葉が簡単に口にできるようなものではないことに気づくべきである。」

  北極に住むエスキモーや、アフリカ・アマゾンの原住民という、大自然を大切にし、汚らわしい物質文明など唾棄すべきものと考える人びとにとって、
○ KPOPだの・バカ丸出しのくだらない韓国漫才だの
○ 電子レンジだの・液晶テレビによる「韓国的文明生活」
○ 化学調味料まみれの人工食品なんぞは、
すべて汚物でしかない。

◎ インド洋に浮かぶ、なんとかという島の原住民(数千人?)は、島に近づく船やヘリコプターに向かって槍や弓矢で攻撃し、外部の者たちとの接触を拒絶している。
  インド政府は彼らに対し、無理に西洋的文明を押しつけず、韓国のように風船にビラや写真をくくりつけて原住民を「啓蒙する」なんていうことは一切せず、原住民の生活に干渉しないようにしているそうです。

◎ 北朝鮮がたまにミサイルを打ち上げるといって、これまでの数十年間、韓国・日本・アメリカ・中国・ロシアといった西洋諸国が、一体、何万発のロケットや衛星を打ち上げてきたのか。
  つい先日も、アメリカの民間貨物輸送会社の大型ジェット機が、成田空港を飛び立ってすぐにエンジンから火が噴き、燃料タンクを海上に投棄して、成田へ緊急着陸したなんていう事件がありました。
もし、下に民間の船舶がいて燃料タンクの直撃を喰らったらどうなったのか。

◎ 論理の明快さと、その文学的表現の豊かさに驚く(私)
  「我々があいつらからいつもされていることをちょっとやってみたが、なぜ火の夕立ちに遭ったかのように大騒ぎしてしているのか分からない」
「火の夕立ちに遭う」というところが秀逸です。韓国人には見られない論理的思考・豊かな感性(高句麗という民族性)ではないでしょうか。韓国系のマスコミによる韓国人政治屋たちや、日本の韓国脳政治屋たちから、こんな「ものの伝え方」を聞いたことがない。寡聞にして。

2024年6月5日
V.3.1
平栗雅人

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