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山口県の秘境駅を列車で訪れる!清流みはらし列車の魅力

皆さんは『秘境駅』をご存知ですか?
秘境駅とは、山奥や原野の人里離れたところにあり、列車の本数も少なく、車や徒歩でのアクセスでも難しい駅。
また、牛山隆信氏による「秘境駅ランキング」が毎年発表されて、秘境駅の指針にもなっています。
今回訪れたのは、イベント列車しか停まらないのでランキング対象外ですが、列車でしか辿り着けないまさに秘境駅「清流みはらし駅」に停車する、山口県の観光列車をご紹介します。

貴重な国鉄形キハ40に乗車

今回乗車するのは、山口県を走る「錦川鉄道」の「清流みはらし列車」。
予約は、7日前までに公式サイトのフォームまたは電話で受けつけています。乗車前に、郵送で当日のチケットが送られてきました。

帰りの切符もセット

「清流みはらし列車」に使用されるのは、国鉄時代に製造された「キハ40」という車両です。

キハ40

この「キハ40」は、かつてはJR東日本の「烏山線」で活躍していた車両。銘板にも「JR東日本」の文字があります。
カラーリングも「烏山線」の当時のまま。白のボディにグリーンのラインは「烏山線色」と呼ばれていたそう。

ストライプが印象的な烏山線色
JR東日本の銘板

烏山線時代の姿が色濃く残る車内。ボックスシートが並ぶ「キハ40」と違って、全てロングシート。これは「烏山線」を走るようになった時に改造されたのだとか。

ロングシートの前にはテーブルが並ぶ
烏山線のサボ
ステッカーは当時のまま
扇風機

座席の前にはテーブルが設置されています。しっかり固定されているので、食事も取りやすいです。

自席のテーブルには、今日のしおりとポストカード、そして「清流みはらし号」のヘッドマークをデザインしたコースターが置かれていました。

レトロな車内でいただくお弁当

テーブルには、すでにお弁当も用意されていました。岩国にある仕出し店「瀧川」のお弁当。

小分けにされたおかずが盛りだくさん!美味しくて大満足です!

彩り鮮やかなお弁当

かつては岩国駅と名乗り、当時の勇壮な駅舎も残る「西岩国駅」では、オレンジ色の「キハ40」と行き違い。JR西日本の「キハ40」いえばこのカラーですよね。

西岩国駅

列車は錦川の鉄橋を渡ります。このすぐ近くには「錦帯橋」。この先列車は錦川に沿って上流を目指します。
『錦川清流線起点』と書かれた0キロポストがある「川西駅」を出ると、列車は岩徳線と別れて「錦川鉄道」の錦川清流線へ。

山陽新幹線の高架をくぐると「清流新岩国駅」。新幹線の「新岩国駅」の乗換駅です。

山陽新幹線・新岩国駅

北河内駅で休憩

岩国から約35分で「北河内駅」に到着。「清流みはらし号」にはトイレの設備がないので、ここでトイレ休憩も兼ねて停車します。

北河内駅
簡素な駅舎
キハ40のエンジンを観察
反対列車が到着

車窓に広がる清流錦川

列車の車窓にはいよいよ、錦川が見えてきました。

途中眼下に見えた沈下橋。川が増水したときに流されないように橋の欄干がないのが特徴ですが、昨年の台風で流されてしまったそう。自然の威力を感じます。

台風で破壊された沈下橋

外からたどり着けない秘境駅!清流みはらし駅

列車はついに「清流みはらし駅」に到着しました!ここで13分停車します。

清流みはらし駅

川沿いの斜面にあるホームには出入口がどこにもなく、徒歩や車でたどり着くことはできません。

「清流みはらし列車」などのイベント列車でしか降り立つことができない、究極の秘境駅です。

山側に目をやると、小さな滝もありました。錦川の自然が満喫できます。

名残惜しいですが「清流みはらし駅」とはお別れ。「清流みはらし列車」の旅は先へ進みます。

「清流みはらし駅」を発車した後も、列車の車窓には錦川の絶景が続きます。景色がきれいな所ではゆっくりと走行。車窓を楽しむことができます。

川釣りを楽しむ人

トンネルを抜けて錦川を渡ると「アルプスの牧場」のオルゴールのあとに最後の放送。

岩国から1時間32分。列車は終点「錦町駅」に到着。

錦町駅

この列車しか止まらない「清流みはらし駅」に降り立つことができる貴重な観光列車。車窓は美しい川の景色が続き、お弁当もボリュームがあって美味しかったです。

帰りは好きな時間の列車に乗車することができます。
「錦町駅」に到着したはあとは、末成線をトロッコ車両が走る「とことこトレイン」を楽しむのもいいかも。

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