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ラズパイ4で一日の仕事をしてみる(Web会議も)

どんどん高性能化が進むラズパイ(Raspberry Pi)。昨年メモリを4GB積んだモデルも登場、2ヶ月ほど前には8GBモデルも売り出されました。こうなってくると常用PCとしてもそこそこ使えるのではないかと考えて、ラズパイだけで一日仕事をしてみることにしました。

結論から言うと「問題なく使える」ということです。この記事もその環境で書いています。
ただ、ラズパイにもいろいろなモデルがありますし、使い方によって本来の性能を引き出せないこともあります。この記事ではどんなふうにセットアップしたのか、どんな用途に使ったのかを書いていきます。

使った機材

まず本体ですが、こちらのモデルを使いました。

そしてラズパイ4は熱対策が今まで以上に必要だと言われていましたので、こちらの冷却ファンを付けました。

そしてラズパイのストレージといえばmiroSDカードですが、以前適当なものを選んで失敗したことがあります。その時、ラズパイのパフォーマンスはmicroSDカードの速度に左右されるということを学びました。また、microSDカードの耐久性にもなんとなく不安を感じていました。そこで今回はUSBデバイスから起動できるという情報が見つかったこともあって、こちらの外付けSSDを使ってみることにしました。あ、USBから起動させるためには一旦microSDカードを使う必要があります(後述)が、起動するようになれば使わないので、CLASS10で8GB以上あればどんなものでもかまいません。

その他に必要なものとしては、USB接続のキーボードとマウス、HDMI接続のディスプレイがありますが、詳しく述べるのは省略します。そうそう、高性能化に伴って消費電力も大きくなっていますので、電源は重要でした。USB-C接続で5V3A以上のものを用意しましょう。

USBブートの設定とOSのインストール

こちらの記事を参考にして64bit版のRaspberry Pi OSをSSDにインストールしてUSBから起動することに成功しました。

しかし、しばらく使ってみるとまだベータ版ということもあってかブラウザが頻繁に落ちてしまい、継続使用は諦めました。代わりに正式公開されている32bit版の「オススメソフト全部入り」をインストールすることにしました。ダウンロードページから、"Raspberry Pi OS (32-bit) with desktop and recommended software"をダウンロードして、Raspberry Pi Imager で64bit版OSを入れたSSDに上書きしました。ブートローダーの書き換えはすでにやってあるので、そのままUSB起動ができるはず、と思って試してみましたがエラーが出て起動に失敗しました。少し調べてみると今回のケースにぴったりの記事を見つけ、この通りにやってみたところ、無事に起動しました。

有用な情報を公開してくださった皆様、改めて感謝申し上げます!

各種設定

…と言っても、初回起動時にWi-Fiの設定をするぐらいで、ウィザードに従って必要最小限の設定をしてしまえば、今回のように「全部入り」の場合、日本語環境(フォント、入力)も自動的に導入されます。私がやったのは次のことぐらいです。
・Bluetooth のキーボードとマウスをペアリングする
・Mozc のキー割り当てをATOK風にする
・Ctrl と CapsLock を入れ替える(↓の記事参照)

ここまでの設定で次のことができるようになりました。
・Web や PDF の閲覧
・YouTube で動画再生
・Gmail でのメールの読み書き
・Google ドライブでの文書作成
・Facebook や Twitter といった SNS でのやり取り
・Slack でのコミュニケーション

Web会議環境

この他に日々の業務で必要なことといえばWeb会議です。すっかり在宅勤務が定着したので、これができないとかなり支障をきたします。ダメ元で手元にあったWebカメラを試してみました。

接続して Google Meet を開いてみると、あっけなく(?)認識されて映像が表示されました。しかしやや不安定で、特にマイクが一旦認識されても切れてしまいます。SNS で聞いてみたところ、環境設定の情報が↓のページにあることを教えてもらい、このとおりにやってみたところ、安定して認識されるようになりました。

具体的には以下のように bluez-alsa と PulseAudio を入れ替え、

$ sudo apt purge bluealsa
$ sudo apt install pulseaudio

/etc/pulse/default.pa を次のように編集して以下の行を無効化します。

load-module module-suspend-on-idle
↓ 行頭に # を付けてコメント行にする 
# load-module module-suspend-on-idle

Webカメラにもマイクは内蔵されているのですが、ハウリングのリスクを避けるためイヤフォンマイクをUSB接続で使うようにしました。

この環境で Google Meet でのWeb会議に30分ほど参加しましたが、問題なくやり取りができました。さすがに会議をしながら並行して文書編集などをするのは負荷が高いようで、動作がもたつくようになりましたが落ちるようなことはありませんでした。

また、Zoom もブラウザベースでなら接続できるようです。まだ実際に長時間の会議をしたことはありませんが、いずれ挑戦してみたいと思います。

[2020/07/10 追記]
現在のディスク使用容量は次のとおり。今のところ、9GB程度です。

pi@raspberrypi:~ $ df -h
ファイルシス       サイズ  使用   残り  使用% マウント位置
/dev/root        110G  8.5G   97G    8% /
devtmpfs         1.8G     0  1.8G    0% /dev
tmpfs            2.0G  162M  1.8G    9% /dev/shm
tmpfs            2.0G  8.7M  1.9G    1% /run
tmpfs            5.0M  4.0K  5.0M    1% /run/lock
tmpfs            2.0G     0  2.0G    0% /sys/fs/cgroup
/dev/sda1        253M   52M  201M   21% /boot
tmpfs            391M  4.0K  391M    1% /run/user/1000

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