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焼き鳥屋のオヤジと常連さんの会話

オヤジ: 「いやぁ、いつも焼き鳥を焼いてるときにね、ふと思うんだよ。小学1年の頃の俺が今の俺の焼き鳥を食べたら、どんな顔するのかなって。」

常連さん: 「それは気になるな。やっぱり『めっちゃ美味しい!』って喜んでくれるんじゃない?」

オヤジ: 「いやぁ、どうだろうなぁ。『お父さんの焼き鳥の方が美味しい』ってダメ出しされるかもしれないよ。」

常連さん: 「それもまた面白いね。オヤジさんのペルソナが『小学1年の自分』だってこと、今初めて知ったよ。」

オヤジ: 「そうなんだよ。誰に、何を、どうやって届けるのかって、明確にしとかないと自分の仕事がブレちゃうからね。」

常連さん: 「なるほどね。そうやって考えると、確かにブレないわけだ。ところで、昨夜、家族連れが来てたんだって?」

オヤジ: 「そうそう、夏休みの旅行客だと思うんだけどね。子供たちが焼き鳥の長いお皿を見て目を輝かせてさ。食べるたびに笑顔が広がってたんだよ。」

常連さん: 「それは良かったね。でも、オーダーが重なると大変だろ?」

オヤジ: 「まぁね。でも何とか対応できて、お客様が『おいしかったね』って笑顔で帰ってくれたのを見たときは、本当にホッとしたよ。」

常連さん: 「その瞬間がこの仕事のやりがいってやつか。」

オヤジ: 「そうだね。お客様が楽しそうに食事してる姿を見ると、あの頃の自分と重なるんだよ。小学校1年の頃、学校が終わると父の焼き鳥屋に駆け込んでさ。」

常連さん: 「その時の思い出が今でも残ってるんだね。」

オヤジ: 「うん、父の焼き鳥の味、香ばしい匂い、焼ける音、父の真剣な表情…。腹巻からミニボトルのウィスキーを取り出して飲んでからの笑顔、全部が特別だったな。」

常連さん: 「それが今のオヤジさんの焼き鳥屋の原点か。」

オヤジ: 「そうだね。だから、焼き鳥を焼いてるときはいつも『小学1年のぼく』を想像してるんだ。もし彼がこの焼き鳥を食べたら、どう感じるのかなって。」

常連さん: 「それで、自分なりの新しい風を吹き込もうとしてるんだね。」

オヤジ: 「そうさ。父の焼き鳥を目指しながら、自分のスタイルも大事にしたいんだよ。」

常連さん: 「だから『つかさ』の焼き鳥は美味しいんだな。俺もまた来るよ。」

オヤジ: 「ありがとう!また来てくれるのを楽しみにしてるよ。良い夢見ぃ〜やー」

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