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自分に合う死亡保険は?終身型と定期型の違いや種類・特徴を解説


死亡保険とは、保険契約者が亡くなった場合に、指定された受取人に一定の保険金が支払われる保険です。死亡保険の種類は、以下の3つに分類されます。
・定期死亡保険
・終身死亡保険
・収入保障保険

死亡保険を選ぶ際には、まずその基本を理解することが大切です。さらに、家族構成やライフステージに合わせて、どれが一番自分にとって必要な保険かを見極めましょう。

この記事では、それぞれの死亡保険の特徴や、長所・短所について詳しく解説していますので、最後まで見ていきましょう。

3種類の死亡保険の特徴を解説

死亡保険とは、保険契約者が亡くなった場合に、指定された受取人に一定の保険金が支払われる保険です。主に、家族や遺族が経済的な支援を受けるために利用されます。
また、高度障害状態(病気やケガで、両目の視力を永久に失う・言語や咀嚼機能を永久に失う等の保険会社所定の状態)になった場合も、保険金が支払われるケースがあります。

死亡保険には、定期死亡保険・終身死亡保険・収入保障保険の3つの種類があります。そのうち、定期死亡保険と終身死亡保険が主に選択されます。

また、死亡保険は保険の第一分野である生命保険に含まれ、生命保険には他にも養老保険や医療保険・介護保険があるため、目的やニーズを考慮して適切な選択をすることが大切です。

それぞれの保険によって特徴が異なるので、詳細を以下で説明していきます。

定期死亡保険

定期死亡保険は、契約した期間中に亡くなった場合に、一定の金額を支払う保険です。保険料は毎年支払われ、契約の期限が満期を迎えて終わると保険も終了します。

保険期間の設定には、「固定期間型」と「年齢指定型」の2種類が用意されています。

「固定期間型」は契約した期間中の保険料や保険額が固定される保険商品です。一般的に、5年、10年などの固定された期間が選択でき、契約の期間中は、契約した当初から保険料が変わらず、死亡保険の支払額も同じで変わりません。

契約した期間が終了すると、保険料や保険額が変更される場合があります。一部の商品では、契約した期間が終了した後に保険を更新するオプションが提供される場合もありますが、保険料が増加する可能性があるので注意が必要です。

「年齢指定型」は、契約する期間が、被保険者が特定の年齢に達するまでというタイプの保険商品です。契約した期間が満了を迎えると、保険の契約は終了し、保険料の支払いも終わります。被保険者が特定の年齢に達する前に亡くなった場合は、死亡保険金の支払いが行われますが、契約した期間が終了すると、保険金の支払いはありません。

また、保険期間にも2種類あります。更新の必要がなく、契約時に定められた保険期間が満期を迎えると保障が終わる「全期型」と、保険期間を設定して満期を迎えると、自動的に契約時と同じ内容で更新される「更新型」があります。

「更新型」は更新時に、被保険者の年齢や、保険料率によって保険料が再計算されます。そのため、保険料が更新のたびに上がり、支払いが増えることになります。

基本的に、保険料は掛け捨てとなり貯蓄性はありません。契約した期間が終わるまでに、被保険者が亡くなったり、高度障害状態に該当しなければ保険金は支払われません。また、途中で解約した場合は、解約時における払戻金が、支払われない商品が多くを占めています。

終身死亡保険

終身死亡保険は、保障が生涯にわたり持続する保険のことです。
保険期間が一生であり更新がないため、保険料は契約時から上がることはありません。

保険料の払込み期間には、「終身払い」と「有期払い」の2つの選択肢があります。
「終身払い」は、一定期間(通常60歳や70歳まで)まで保険料を支払い続ける形式です。その後も、被保険者が亡くなるまで保障が続き、保険金が受け取れます。

保険料の支払い期間が限定されているため、将来的な支払いの煩わしさが少なく、一定の年齢までに支払いを終えられます。

「有期払い」は、一定の期間(10年払い・20年払いなど)のみ保険料を支払い、その後は追加の保険料支払いがなくなります。被保険者が亡くなるまで保障は続きます。保険料の支払い期間が限定されているため、終身払いに比べて短期間での支払いを完了することができます。

契約した期間の途中で解約した場合は、支払った保険料の額に応じて解約時に返戻金を受け取れます。

収入保障保険

収入保障保険は、収入が突然途絶えた場合や、収入が減少した場合に備えて設計された保険です。保険を契約した期限中に死亡または所定の高度障害状態に該当したときから、毎月一定額の保険金を、年金形式で、契約した期間満了まで受け取ることができる保険です。

保険の契約を結んでから年月が経過すると、亡くなった際に受け取れる保険金の総額は減っていき、契約した期間が終わる頃には支払われる保険金も少なくなります。

保険料は、貯蓄性のない掛け捨てであり、契約した期間中に死亡や高度障害状態などの事態が発生しなければ、保険金は受け取ることができず、契約した期間が終わるとともに保障も終わります。

定期死亡保険の良い点

定期死亡保険の良い点は、以下の3つが挙げられます。

 1,保険料が比較的安い
 2,契約した期間での保障が手厚い
 3,保険の内容を容易に見直せる

これらの良い点について詳しく見ていきましょう。

1、保険料が比較的安い

定期死亡保険は、掛け捨てタイプの保険であり、保障期間も固定されているため、保険料が比較的安い点が特徴です。契約した期間が満期を迎えても解約払戻金はありません。

受け取り金額や、保険内容が同じなら、終身死亡保険よりも保険料を安く抑えられます。この低い保険料により、日常生活への負担が少なく、経済的な圧迫を避けやすいという点は、大きな利点と言えるでしょう。

2、契約した期間での保障が手厚い

定期死亡保険は、契約した期間の保障が手厚い点もメリットの一つです。1年、5年、10年など、保険期間を選べるため、生活スタイルに合わせて効率良く必要な保障を得ることができます。

3、保険の内容を容易に見直せる

定期死亡保険のメリットの1つとして、保障内容を比較的簡単に見直せる点です。
保険の契約した期間中に、保険の金額や契約期間を変更でき、保険料も見直しやすいので、生活スタイルや家庭の経済状況の変化に合わせて柔軟に対応することができます。

定期死亡保険の悪い点

定期死亡保険の悪い点としては、以下の3つが挙げられます。
 1、更新のたびに保険料が上がる
 2、保障を受けれる期間が決まっている
 3、解約払戻金が少ない

これらの悪い点について詳しく見ていきましょう。

1、更新のたびに保険料が上がる

保険の契約期間が満期を迎えると、固定期間型の契約であれば、基本的に同じ内容で自動的に更新されるのが特徴であり、更新時には年齢や、保険料率によって再計算されるため、保険料が上がってしまいます。

長期的に見ると、他の保険商品より支払う保険料の総額が高くなることもあるので、注意が必要です。

2、保障を受けれる期間が決まっている

定期死亡保険は、「固定期間型」「年齢指定型」ともに、更新可能な時期があり一定年齢に到達すると更新はできなくなります。それ以降は保障が受けられなくなるため、保障が必要な場合は、別途備えるようにしましょう。

3、解約払戻金がない

定期死亡保険は、掛け捨てタイプなので、途中で契約を解約したときに、一部の商品を除き、払い込んだ保険料が戻ってこない商品がほとんどです。

保険料を低く抑えることが可能な反面、期間内に保険の必要性がなくなったり、他の金融商品への乗り換えを検討したりする際には、払込んだ保険料の返戻を期待できないという点を理解しておく必要があります。

終身死亡保険の良い点

終身死亡保険の良い点は、以下の3点が挙げられます。

 1、一生涯にわたる保障が持続する
 2、保険料の支払いが一定である
 3、貯蓄性を兼ね備えている

これらの良い点について詳しく見ていきましょう。

1、一生涯にわたる保障が持続する

終身死亡保険は、契約期間中に被保険者が死亡するまで保障の提供を受けられます。そのため、被保険者の死亡時期に関わらず、受取人に死亡保険金が支払われます。

2、保険料の支払いが一定である

定期死亡保険と比べ更新がなく、契約期間中の保険料は一定であり、将来の保険料増加の心配がありません。これにより、将来の財政計画を安定させることができます。

3、貯蓄性を兼ね備えている

終身死亡保険では、途中で契約を解除したときに、解約払戻金を受け取ることができます。解約するタイミングによっては、いままで支払った保険料の総額より、解約した際の払戻金が多い場合があり、貯蓄性が高いです。

終身死亡保険の悪い点

終身死亡保険の悪い点は、以下の2点が挙げられます。

 1、他の保険に比べて保険料が高い
 2、ニーズの変化に対する適応性や柔軟性が低い

これらの悪い点について詳しく見ていきましょう。

1、他の保険に比べて保険料が高い

終身死亡保険は、死亡リスクが高まることが考慮され、保障が生涯にわたり続くため、保険料が高い傾向が見られます。また、解約時には解約払戻金が受け取れることにより、他の保険よりも保険料が高めに設定されているためです。

有期払いは、一定期間内で払込みが完了しますが、終身払いより保険料が高い傾向にあります。家計負担が高まる可能性があるので、よく検討をすることが重要です。

2、ニーズの変化に対する適応性や柔軟性が低い

終身死亡保険は、契約時の保険内容が生涯にわたり続く特性を持ち、自発的に見直さない限り保障内容が変わることがありません。家庭状況やライフステージの変化があった時に、保険内容や保険料とのズレが生じる可能性があります。そのため、柔軟性は低いと言えるでしょう

収入保障保険の良い点

収入保障保険の良い点は、以下の2点が挙げられます。

 1、保険料が安く保障内容が充実している
 2、合理的な保障設計となっている

これらの良い点について詳しく見ていきましょう。

1、保険料が安く保障内容が充実している

収入保障保険は、掛け捨てとなっており、他の保険と比較して、保険料を抑えながら大きな保障を受けれる点が、最も大きなメリットと言えるでしょう。

被保険者が亡くなった場合に、残された家族が受け取る保障金が収入の形で支払われます。これにより、亡くなった被保険者が生前に稼いでいた収入をある程度補うことができ、家族の生活費や教育費など、日常生活に必要な経済的サポートを受け取ることが可能です。

2、合理的な保障設計となっている

子育てにかかる費用や住宅ローンの支払い残高などの多くは、経過年数とともに減少していきます。経済的負担がかかる時期をカバーできるため、保険期間の経過に伴い、受取金額が減少する収入保障保険は合理的と言えるでしょう。

収入保障保険の悪い点

収入保障保険の悪い点は、以下の2点が挙げられます。

 1、貯蓄性はない
 2、保険期間の終了間近だと、受け取れる保険金が少ない

これらの悪い点について詳しく見ていきましょう。

1、貯蓄性はない

収入保障保険は、掛け捨てタイプの保険です。保険料が安い反面、保険期間満了までに、死亡や高度障害状態への該当がなければ保険金は支払われません。また、途中解約した場合でも、解約払戻金はないのがほとんどです。

2、保険期間終了間近だと、受け取れる保険金が少ない

保険期間の経過年数に伴い、受け取れる保険金額は減少していきます。保険期間終了間際であれば、最低支払期間はあるものの、保険金は少額となってしまいます。
遺族のために、まとまった資金を残しておきたい場合は不向きと言えるでしょう。

それぞれの死亡保険おすすめの方は?

どの死亡保険を選ぶかは、保険に加入する目的や家族構成、ライフスタイルによりさまざまであり、どの保険が向いているかも人によって異なります。
以下では、それぞれの死亡保険がどんな方におすすめか解説します。

定期死亡保険がおすすめの方

一定期間の保障を充実させたい方には、定期死亡保険がおすすめです。

万一の時に備えて充実した保障を受けたい人や、子供が独立するまでの間だけ保障を充実させたい人は、定期死亡保険を選ぶと良いでしょう。

また、ライフスタイルに合わせて保険を見直したい人にも向いています。

終身死亡保険がおすすめの方

一生涯にわたり保障を求める人には、終身死亡保険がおすすめです。

自分が亡くなったときに、まとまったお金を残したい人や、保障と貯蓄性の両方を重要視したい人も、終身死亡保険の検討をすると良いでしょう。

解約時には、解約払戻金も受け取ることができるので、老後の資金や、子供の教育費に活用したいと考える人にも向いています。

収入保障保険がおすすめの方

長期にわたり、経済的な負担をカバーできるので、子供が幼い世帯におすすめです。

国民年金に加入している個人事業主やフリーランスの人にもおすすめです。会社員や公務員と比べると、遺族年金が少なくなるため、収入保障保険で備えるのも良いでしょう。

まとめ

死亡保険には、定期死亡保険、終身死亡保険、収入保障保険があり、それぞれ良い点・悪い点について解説しました。

死亡保険に加入することで、被保険者が死亡した場合や、高度障害状態に陥った時に、あらかじめ定められた保険金が受取人に支払われます。これは、家族や遺族の経済的安定を確保するための重要な手段です。

それぞれの死亡保険の良い点・悪い点を理解した上で、保険に加入する目的や、どのような状況に備えたいのかを考えて、最適な保険を選びましょう。また、家族構成やライフスタイルに合わせ、より個々のニーズにあった保険を選ぶことが大切です。


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