『世界のサラダ図鑑』に登場してくる日本では手に入りにくい食材 第11回 野菜 その11 キャッサバ(ユカ)
キャッサバ(ユカ)
使用しているサラダ
Serenata de Bacalao, プエルトリコ/ Yuca en Escabeche, プエルトリコ/ Vigoron, ニカラグア/ Ensalda de Mandioca, パラグアイ/
世界中で食べられているキャッサバ
ユカとも呼ばれるキャッサバの名前だけは知っている、聞いた覚えがあるという人がいると思いますが、実際に実物を見た人は皆無に等しいのではないでしょうか。キャッサバは米、トウモロコシと同様に世界で最も重要な農作物であるにも関わらず、強い毒性があるシアン化合物が含まれているため日本では輸入が禁止されています。日本市場ではまず見かけることがありません。
キャッサバの原産地はブラジルですが、新大陸発見以降、ポルトガル人やスペイン人によって世界に移入され、今では大陸を問わず熱帯、亜熱帯の国々で栽培され、主要作物として世界で8憶人の人がこのキャッサバに依存しています。アメリカでもスーパーなどでごく普通に売られています。生のキャッサバだけでなく冷凍のものも手に入ります。
キャッサバってどんな野菜?
キャッサバはジャガイモやサツマイモと同じ根菜で、形はサツマイモに似ていますが、細長く両端が尖っています。キャッサバには甘味種と辛味種があり、売られているのはシアン化合物が少ない甘味種で、傷みやすいためワックスが塗ってあり表面がてかてかしています。生で食べることはできませんが調理さえすれば毒性はなくなります。シアン化合物を多く含む辛味種は加工用でタピオカ粉などの原料になります。
色は?味は?食感は?
茶色いキャッサバの皮は繊維質で硬くジャガイモのように包丁で皮をむくというのは至難の業ですが、幸い縦に深く切れ目を入れるとほとんどの場合は指だけでもきれいに皮をむくことができます。
皮をむくと白い中身が出てきます。おもしろいのは中央にイカの骨みたいな繊維質の芯があることです。この部分は食べられないので、適当な大きさに筒切りにした後縦半分に割ってこの芯を取り除いてから調理します。キャッサバはジャガイモに似たとてもおいしい根菜で、調理するとホクホクというよりクリーミーな感じになります。甘味が少しありますが、サツマイモほどではなく、味もジャガイモに近いといえます。ジャガイモ料理のほとんどはキャッサバで作ることができます。
代替品は?
最近キャッサバを生産する農家が出始めたようです。隣国の中国や韓国ではすでに輸出するほどキャッサバの生産が盛んです。日本でも市場に出回ることを期待したいですね。しかし現時点ではまず手に入らないのでジャガイモで代用するのがいいでしょう。里芋や京芋を使ってもおもしろいと思います。
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