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[012]金利と株価

今回は金利と株価の関係についてまとめてみました。以前《じっちゃま》がYoutubeでご説明されていた内容に基づいています。

金利の重要性

じっちゃま曰く、《一番大事な事は何かと言うと株式バリエーションの大部分は金利と企業業績で決定されるんだという風に考えています。重要性から言うと金利が7そして企業業績が3そういったような配分だと思います。》

これは度々繰り返し我々に助言されています。

理論株価

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下記は厳密な理論ではりませんが、およその関係を理解するため《じっちゃま》が説明された内容です。株式のバリエーションがどのように決まるか、言い換えれば理論株価の決定方法は下記の式の様になります。

理論株価=利益÷ (金利−成長率)

分子に利益額そして分母に金利と言う事は分母が小さくなればなるほど値は大きくなるつまり金利は小さければ小さいほど良いということを意味します。

◼️分母全体の意味

分母の(金利−成長率)は実質成長率を表します。成長率は高いほど良い。例えばIPO直後のナスダック銘柄では成長率50%と言うような銘柄があります。そのような《高成長銘柄は割高に買われる》事がありますがこれが理由です。

◼️金利

それは投資家がその投資対象に対して要求する金利を指します。それをエクスペクテーションといいます。つまりはいくらもらえるのかと言う期待です。何も考えずに銀行預金定期預金をしただけで多くの利子金利がつくのであれば株式に投資をする必要はありません。確実性もリスクを取るメリットもないからです。つまりその利子よりも高い金利を要求するわけです。

それは何によって決まるかというと究極的にはFRBが設定する短期金利つまり政策金利(フェデラルファンドレートといいます)になります。よく公開市場委員会でマーケットに参加している投資クラスターの方の間でFOMCの度多くの議論が生まれるのは政策金利がすべての賭け事のショバ代、参加料を決める重要なベンチマークだからです。

どの様に金利は決まるか

政策金利+市場参加者が考える未来のインフレ率つまりインフレが高いと思えば要求される金利も大きくなり、インフレが低いと思えば要求される金利も低くなります。つまり政策金利+期待インフレ率、この2つを合わせた時に市中金利、特に長期債の利回りが決定されると考えることが重要です。

実際何を見ればよいのか

簡潔に言うと10年債の利回りを見て10年債の利回りが下がっているようであれば株にとってはポジティブなプラスな環境です。そして10年債利回りが上がってきた場合壁にとっては株にとってはリスキーな環境です。

金利がどうなると良くないのか

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例えば2018年頃には金利は徐々に上昇する局面でしたそしてそれが急激に上昇した際環境は非常に悪くなりました。2021年現在では1.6%程度です。前回急落のあったトリガーポイントは3.2%程度でした。つまり絶対値から見るとまだまだ余裕はあると言うことになります。

様々なネガティブなニュース、例えばコロナ等があってもアメリカ市場がなぜ強いのか、それは金利が非常に低く抑えられており投資家が要求する金利が低くなっているためです。

では、10年債利回りから見た分水嶺はどの程度なのか?2018年は3.2%程度が上限でした。ただし実際に重要なのは変化率です。突然金利がポンポンポーンと大きく変化するときには絶対値として金利水準が低くても株式市場はダメージを受けます。あまり前回の3.2%を参考にしすぎるのも良くありません。

変化率を感じ取るため、毎日まずは《金利をチェックする習慣》はとても重要です!

なぜ金利の変化率が重要か

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どのような金利の上がり方が影響を与えるのか、これは絶対値ではなく、ポンポンポンと推移の早さつまり変化率Δ(デルタ)が問題ということでした。これは様々なアルゴリズムを利用したヘッジファンドでもモデルの中に金利速度、つまり金利の変化率で状況判断し売りシグナルを出すプログラムデザインしてるとこが多いからです。株価に大きな影響を与える機関投資家の行動基準は非常に重要な要素ですね!

金利が下がるタイミングは

投資家が皆、縮み上がれば債券に避難するので長期金利は下落します。相場が底入れするパターンは①債券利回りが下がる、②VIXが凄く高くなった後でゆっくり下がりはじめる、というコンビネーションが起きた時には金利は逆に下がるようです。

金利上昇局面では(語録)

じっちゃま曰く、《金利上昇局面ではマルチプル・コントラクション(=PERが縮小すること)が起こるのが普通です。べらぼうな高いPERをつけている銘柄ほどこっぴどく売られやすい。

ネット企業、ハイパー・グロース株は業績の伸長の勢いに急ブレーキがかかっている企業が多いです。避けるべき。

景気が強い局面で(=それは今(‘21/10)ですけど)業績の勢いが衰える企業と、衰えない企業があります。業績の勢いが衰えない企業を買うべき。》

日常生活で気にすべき事

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じっちゃま曰く、《株式投資をやる際にはインフレ等にも注意を払う必要があります》

金利が重要なのは上述の通りですが、他に参考に出来るものはないでしょうか?日常的に株価の上下への影響を理解、参考にできるのはガソリン価格等があります。ガソリン価格の上昇ペースが物価全体の上昇ペースよりも急騰した場合、原油価格が暴騰している時にそういうことが起こりやすいですが、ガソリン価格が大きく跳ね上がる時アメリカ市場は大きくダメージを受けます。何故かと言うとアメリカは通勤に大半車を使用するからです。ガソリン代の補助等は一般的に会社から支給されません。このような状況では消費を抑制する家計が多くなるため一般的に家計は経済は悪化します。当然消費は絞られますので企業業先にも影響がない訳はありません。この様なものの見方が非常に重要です!

※’21/06/20追記 イールドカーブ等。下記は日経の後藤達也氏のTwitterからの抜粋です。

◼️イールドカーブ

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様々な年限の国債の金利をプロットしたものがイールドカーブ。上記は簡易的に示したもの。通常期限が長い程金利は高くなるのが一般的です。

◼️金利は何に影響されるか

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3ヶ月物国債はほぼFRB政策金利に一致。これは多少経済情勢が変わろうとほぼ政策金利付近に収束する。2年債では今後二年の平均の値に近づく。

じっちゃま曰く、《長期金利は、債券市場の参加者が遠い将来のインフレ率はどうなるかというものに敏感に動きます。だから、インフレになると市場参加者が思えば長期金利は上昇します。逆に言えば長期債の債券価格は下落する。》

またじっちゃま曰く、《短期金利は、政策金利はどうなる?ということに左右されます。その理由は、政策金利(FFレート)と3ヶ月、1年物、2~3年債はお隣さんの関係にある。だから、パウエル議長が利上げしたら、お隣さんの債権は利回りがFFレートと合わせないといけない。》

◼️フラットニング

‘21/06/15のFOMCで’22の利上げが意識され’21年からほぼ2年後でるため二年債は上昇、逆に長期的な金利は投資から魅力的に見えたため逆に金利低下する事で、上のグラフの傾きが平ら、つまりフラットになりました。これを受け《じっちゃま》はシクリカル銘柄に警告発さられました。

FFレートの将来予測

市場参加者の見立てはネットで情報得られる様です。Googleで《CME Fed Watch》検索→countdown FOMC→各FOMC日付毎のタブで0.25%刻みでの確率(予測頻度)確認可能。

最後に

今回は金利についてまとめてみました。基本的な考え方のみならず、実際の経済や世の中の動向から総合的に判断できるのが《じっちゃま》の凄さだと思いますので、これでお仕舞いという事ではなく継続的に金利についても考えや知識を深めたいと思います。

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