見出し画像

オンライン授業へ #4 新1年生のために

コロナ禍のなか、大学に入学したものの、キャンパスに赴くことも禁じられ、教師にも友人にも会えず、知人もいない土地で途方に暮れている新1年生を、少しでも動きはじめられるようにするためのワークショップの試み。

スライド1

meet at Meet™️
東北大学 建築・社会環境工学科
コロナ禍のなかでの新1年生顔合わせ会
2020.4.27 15:00-17:00
ファシリテータ: 本江正茂 motoe@tohoku.ac.jp

Google スライドへのが文末にあります。

授業ではなく、新入生ガイダンス の一環として実施された。参加は必須ではなく任意で、出席もとっていない。
新入生のメーリングリストと、東北大学が今季から本格的にLMSとして使用を開始した Google Classroom(新入生ガイダンス というクラスを設置) を通じて告知。

結果、学生70名ほど、教員10名ほど、合計80名ほどが参加した。新入生は約100名なので、参加率は7割程度。全体で100分ほど。
途中で出入りすることを許したが、遅れた学生が数名いただけで、途中で抜ける学生はいなかったように思う。

まずはZOOMのミーティングに全員が入る。

参加教員たちの極々簡単な自己紹介と担当教員の挨拶のあと、ファシリテータがこのスライドに沿って進行。

スライド2


ZOOMに新1年生 約100名が参加
マイクミュート
カメラオンで


背景の黄色いスライドは、学生への活動の具体的な指示。
マイクはミュート、カメラオンで参加させる。
ギャラリービューでみよ。
これが同期の一年生たちの顔ぶれ。

スライド3

祝 入学

白いスライドは、ファシリテータとしてのコメント。

まずはおめでとう。

スライド4

NOBODY
でも、皆さんはまだ何者でもありません。

スライド5

SOMEBODY
これからの時間の中で、特別な誰かになっていきます。

スライド6

せっかく大学生になったのに…
そりゃそう思いますよね。

スライド7

ENGAGEMENT
すすんでコミュニケーションの機会に参加し、
あたらしい関係をつくりだしていきましょう。

スライド8

同期?
長いつきあいになり、人生に影響を与えあう。
あなたの同期はどんな人たちでしょうか。


スライド9

interview
ZOOMのBreakout room機能を使って、3~4人組に分かれます。
互いにインタビューしあって、彼/彼女はどんな人なのか? 取材してください。


アイスブレイク。普通なら自己紹介ではじめるところだが、自己紹介は形式的なものにとどまりがち。
アイスブレイク定番の、「他己紹介」をやる。

謙遜と自己防衛から、はじめての相手に自分から言い出せないようなことでも、インタビューに答える形式だと結構話ができる。

スライド10

Breakout機能で3人程度の班にわかれます。人選は自動。
誕生日の(月ではなく日の)順で、取材される順番を決めてください。
残りの2人がインタビュアになり、彼/彼女は、どんな人物なのか、得意技は何なのか、聞きだしてください。
出身校と部活を聞いて終わりにしないこと。何が好きで何をしたいか、聞き出そう。
モノやコトでなくヒトに注目してみよう。

ZOOMのブレイクアウトルーム機能を使う。
ホストは、事前に詳細設定からこの機能を使えるようにしておく必要がある。

分科会に分かれてしまうと、メインルームに残るファシリテータからはまったく何が起きているかわからなくなるので、ブレイクする前に何をするのか十分説明をしておくことが必要。
教員も区別なく分科会に参加させる。

「出身校と部活を聞いて終わり」になりがちなので、あらかじめ釘を刺しておく。

「モノやコトでなくヒトに注目」というのは、インタビューのコツ。
例えば、ラーメンが好きだと知って、次の質問で何味のラーメンが好きかと聞いてしまうと、会話の焦点が「ラーメン」に当たってしまい、その先、スープは?麺は?と展開していく事になる。ラーメンが好きな彼のことを知りたいのに、ラーメンの話ばかりしてしまうことになる。ラーメンが好きだとわかったら、餃子やチャーハンも頼んじゃいますか?と聞き、Yesなら食べっぷりのいい奴!ということだし、Noならストイックにスープに集中するタイプですね……というように、あくまでヒトにピントを当て続けることが大事。

スライド11


一人当たり3分程度のインタビュー。
時間になったら、お礼して交代。次の人が取材対象に。
残りの2人がインタビュアになり、彼/彼女は、どんな人物なのか、得意技は何なのか、聞きだしてください。
3人一回りするのに10分ほど。
時間になったらメインルームに自動でもどります。
これをグループを変えて2回。
では Break out


せいぜいインタビューは1人あたり3分。長いとだれる。

途中、いくつかの分科会に参加して、様子をみてみる。参加者の表情だけ見て、大丈夫そうなら、すぐに退出して次の部屋にいくくらいで十分。

10分ほどでブレイクアウトルームを閉じて、皆をメインルームに戻す。

すぐに2回目のブレイクアウト。
10分でメインに戻す。

ここまでで開始から約一時間。


スライド12

バーチャルサークル創設計画
関心を共有できる人を見つけよう。

メインアクティビティは、企画のブレスト。

スライド13

授業とは別の、サークルや部活。
関心を共有している人が集まって、オンラインで話のできるバーチャルサークルをつくる。
その企画を考える。

自分たちにとって切実なテーマであり、かつ同時に、ちょっと他人事としても扱えるようなテーマの設定が重要。

コロナ禍で部活動・サークル活動が全面的に禁止されている状態にあるので、サークルについて考えてみることにした。

新入生同期100名とフラットに付き合いはじめることは無理。
自分と関心を共有できる人がいるのか、いるなら話してみたい、という状況を作る。

スライド14

再びシャッフルして3回目のBreakout room。
まず軽く自己紹介しあう。
ブレインストーミングでバーチャルサークルの企画を考える。グループで誰かメモして。
3人で10個を考える。名前だけでいい。20分で。
e.g. 映像研、ロボット研、フットサル愛好会 etc
別に、自分でやりたいサークルでなくていい。
でも、自分のやりたいことも、そっと潜ませて。


「別に、自分でやりたいサークルでなくていい。
でも、自分のやりたいことも、そっと潜ませて。」
というフリは重要。
皆で同じ課題に取り組む状態を作りつつ、内省をうながすこと。


スライド15

ブレインストーミング 4原則
批判しない
質より量
便乗せよ
自由奔放
100個考えて、10個選ぶつもりで


プレインストーミングについての心得。
今の高校ではそれなりに議論の練習もしてきているので、あまり心配はいらない。
スキップしてもよかった。

スライド16

代表者が下記のGoogleDocに書き込む。
<google docの編集可権限での共有URL>
〆切の時刻は…
書きこんだら、そのまま雑談しつつ休憩。
ZOOMのメインルームに呼ばれるまで待つ。
300個くらいのバーチャルサークルの名前が書き込まれたリストができます。


ブレストの結果は各グループでリストに書き込ませる。

あらかじめGoogleドキュメントを作っておいて、編集可能な権限のURLを用意しておく。
bit.lyなどを使って、覚えやすいURLにしておくことがおすすめ。

最大30名ほどが同時に編集しても問題なかった。
画面共有で、共同編集が行われていく画面を見せても良い。

このURLを見失うグループがいくつか出た。
全体のチャットや、ブレイクルームへの連絡機能で、このURLを何度か知らせる。

この間、ブレイクアウトルームはそのまま維持し、雑談をしておかせる。
メインルームに戻ると皆黙ってしまうことになるので。

書き込みが一段落してくると、リスト上のカーソルの動きが落ち着いてくる。
頃合いを見計らって、皆をメインルームに戻す。

他の教師に話をふるなどしつつ、感想など聞いてみる。

並行して、リスト部分をコピペで、Googleフォームに持っていく。

スライド17

投票
投票フォームがととのいました。


Googleフォームで、あらかじめ投票フォームを作っておく。
Bit.lyなどでURLを短くしておく。

フォームのチェックボックス式の質問の選択肢を一つ作って、そこにリスト部分全体を選択してコピべすると、フォームに選択肢リストができる。簡単。
450くらいの選択肢があっても問題なく動く。

投票フォームができたら、この画面を共有する。

スライド18


これから投票フォームで、約300案のリストから、あると良さそうなものに投票。何票入れてもOK。

投票結果から得票上位15案を選出します。

今後の手順を説明。

まもなくZOOMのミーティングを閉じることになるので、その前に今後の作業の段取りを十分に説明しておく必要がある。

スライド19


すぐにクラスルームで上位15案を発表。
人気のあったバーチャルサークルについて、Meetにスタッフが会議をひらきます。
バーチャルサークルのリストをみながら、個人として関心のあるサークルにMeetで接続してみよう。
関心の近い人がいるはず。話をしてみよう。
バーチャルサークルのミーティングには、今後いつでもアクセスできます。

この後の活動の説明。

回答状況を確認し、投票が済んだら、投票結果を集計し、得票上位のサークルをリストアップする。

Googleフォームで、多重投票可能なチェックボックス式の質問を集計すると、回答者ごとにカンマ区切りで選択肢が列挙されたリストが得られる。
回答者によって選択する数が違うので、ちょっと処理しにくい。

私は、いつも使っている mac用のテキストエディタJeditΩ を使った。
回答のcsv部分全体をコピーして、Jeditにペースト。
カンマと改行を全置換。
ツール/ソート…
ツール/重複行を集計して削除。行頭に得票数のあるリストになる。
ツール/ソート…
ソート位置: 1番目のワード
ワードのデリミタ: 半角スペース
降順にソート

これで、得票上位順のリストができる。

上位のサークルについて、Google Meetのミーティングを用意していく。
Meetから、
ミーティングに参加または開始
空白のまま 続行
今すぐ参加
……で、ミーティングのユニークなURLが得られる。
これを、公開するサークルの数だけ繰り返し、それぞれのミーティングのURLを得る。

URL付きのバーチャルサークルのリストはクラスルームで公開する。

スライド20


では、投票はこちらからどうぞ
https://bit.ly/virtualcircle2020vote

投票が済んだら、ZOOMからは退出して、
新入生ガイダンス クラスルームへ


投票させる。

スライド21

クラスルームから
Meetで 好きなバーチャルサークルに
参加してみよう
https://bit.ly/virtualcircle2020vote

終わりの挨拶。

Googleスライドを公開します。
このスライドは、適宜改造してお使いいただいてもかまいません。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?