見出し画像

放送開始ひと月 補記

昨日の文は、岡田斗司夫氏の発言を聞いて書き留めておいた雑感でした。で、チョット書き忘れていたことがあったので、補記しておきます。

 岡田氏の述べるところで自分が注目したのが、ターンAの時のワクワク感、というところです。G-レコよりターンAのほうが凄い!という。

 それを聞いて、そういえば、と思うのです。

 ターンAが放送されていたのは1999年。当時はVガンの後、G、W、Xと来て一旦テレビシリーズが無くなり、OVAで08小隊とかが作られていた、そんな頃でした。ということは、当時ガンダムと言えば、宇宙世紀であるなしには関わらず「戦争」と「宇宙」絡み、ということになるわけです。常識として。

 そこにあのシド・ミードデザインのメカとあまりに牧歌的な世界、そしてキャラクターが登場する第一話。

 これがガンダムなのか!とひっぱたかれたような衝撃があった。想像を大きく逸脱するガンダム世界がそこにはあった。

 ターンAは衝撃作です。世間一般が考えていたガンダム世界を根底からひっくり返したものとして間違いなく。そして、その衝撃を体感している岡田氏の意見は確かに納得のいくものです。故に、ターンAとG-レコを比較すれば、G-レコののほうがやはり衝撃としては小さい。あくまで比較してですが。

 そしてもう一つ。

 富野を止めようよ!という発言について。

 彼は、盲目的に支持することは結果そのものをダメにしてしまう、ということをラーメン屋や寿司屋のオヤジに例えています。不味くなったら言うべきだ、と。

 指摘するのが良い客、という点には同意です。ただ思うのは、アニメという作品への、明確な指摘とはどうするべきなのか。そこが疑問です。

 僕はサッカーのサポーターという人の役割が、岡田氏の言う良い客に近いと思います。応援するチームが不甲斐ないプレイをすればブーイングを入れる。海外のクラブチームのサポーターはそういう目で応援しているそうです。

 逆に、先日、素人目に見てもダメな試合をした日本代表のプレイを、それでも見るべきところはあった、なんて言っているにわかサポーターなんかは逆に典型的な悪い客でしょう。あれではチームは育たない。

 自分は、分析して論じる、長所欠点を指摘することが正しい応援になるかなと思っています。愛のある批評、というか。

 料理屋を勧められる時、ただ美味いよ、オススメだよ!という人の言葉でどれだけ心が動くでしょうか。特に料理なんかは人の好みがあるわけだし、その人が美味いと思っていても口に合わないこともある。せっかく行って苦手な味だったら、勧めてくれた人にも気不味い。

 あそこの料理はこういう味だから、こういうのが好きな人には美味しい、とか勧められたほうがよっぽどソソられると思うのです。元来食レポとはそういうものでしょう。ただ大声でウマーイ!と芸人が叫んでいる料理には魅力は感じられません。

 ただ、あそこは不味いよ~ヒドイよ~なんて言われたら、逆に気になりますけどね。食べてみたいかどうかは別として。

 以上、補記として二点。(2014年10月28日脱稿)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?