見出し画像

【編集後記】鈴木斉さんのインタビューで感じた、好きなものを“極めつづける”ことの難しさ

非常にラッキーなことに、TSURI HACK記事の題材として、鈴木斉さんにインタビューできる機会をいただいた。とても興味深い話のオンパレードだったのだけど、その中で「自分の好きなものを極める」ということの難しさを、まざまざと見せつけられた。その理由についてシェアしたいと思う。

インタビュー本編はこちら↓


出典:TSURI HACK

ほんの一握りの人たちが生き残れる世界で

釣りをしない人からすれば、「鈴木斉? 誰ソレ?」状態であることは容易に想像がつく。

しかし、こと釣り業界においては、「その名を知らない者」と、「知る者」の割合が逆転する。

業界最大手のS社と契約し、釣りビジョンでは自分の番組を持つ。

自らで釣りのアパレルのブランドを展開するなど、プレーヤーだけでなく、経営者としての顔も持ち合わせている方だ。

それだけでもその凄さがわかってしまうよね。

できれば毎日釣りにいきたい

鈴木さんは本気でそう思っている。

パフォーマンスではなく、ナチュラルでそう思っている。

自分の好きな釣りと、仕事で取り組んでいる釣り。

結局はどっちも大好きなんだけど、人生の時間が限られている以上、優先順位はどうやらあるらしい。

で、できれば毎日好きな釣りにいきたいし、それが人生の最終ゴールだと語っていた。

僕がなぜその言葉に恐れ入ったかというと、釣りを20年以上続けている自分ですらも、そこまでは好きになれないからだ。

いや、釣りは好きだよ。でも、たとえ会社から「これから毎日、好きなだけ釣りに行ってきていいよ」と言われても、正直、半永久的にはできないし、したくない。

メンタルが続かない上に、他にも楽しみたいことがたくさんあるしね。

でも、鈴木さんは違う。

「毎日釣りしたい」と、本気でそう思っている。

自分で船を買い、時間があれば船を出し、マグロやカツオを一人で追いかけている。これも仕事ではなく、あくまで自分の趣味として。

インタビューしたのは金曜日だったのだけど、月〜木曜日は熊本で釣り(仕事)の撮影。

木曜に帰宅し、金曜(インタビュー当日)の朝からカツオを狙いに海へ(趣味の釣り)。

釣りを終えたあと、午後6時から、隙間を縫うようにインタビューに応じてくれた(笑)

誰がマネできようか、そんな所業。

天才=異次元の情熱

何が言いたいかというと、鈴木さんレベルで成功する人は、持って生まれたモノや情熱が全くの異次元であるということ。

本人も「バカになれるかどうかが、成功のカギ」と、記事中でも語っておられる通り、“一般的な好きレベル”では到達できない領域にいる。

他のことを考えているヒマは基本的になく、時間があれば潮の流れや天気の情報をスマホでチェックし、次の釣行のプラン立てをする。

釣りをしながら、他の釣りのことを考えているらしい(笑)

SNSに惑わされないように

これは記事内ではまろやかに表現したことだが、鈴木さんが語っていたことだ。

最近はSNSウケを狙うばっかりに、「自分の好きなもの」=「人が好きなもの」になっている。

ちょっとハッとさせられた。

誰もがSNSから影響を受け、みんなからの「いいね」を得るために投稿をする。

しかし、本当に自分の好きなものは、そこにはないことだってあるだろう。

「いや、自分はそんなものは関係なくSNSやっているよ」という人もいるだろうけど、本当にそれ(自分の趣味)が好きなら、SNSであげてシェアしなくたって、自分の中の気持ちは満たされるはずだ。

※これは自分にも言えることだと思うけどね(笑)

天才の生き方は参考にならない。でも……

書いておいてなんだが、鈴木さんの成功哲学は、はっきり言って凡人には参考にならない(笑)

だって、スティーブ・ジョブスに関する自己啓発本があれだけ売れたって、みんながみんなジョブスになれるわけじゃないって時点で気づくべきだから。

現実は残酷で、自分ができる領域なんて、わりと決まっていることがほとんどだ。

ここからは僕自身が思うことだけど……

ぜひ、他人から褒められたこと、少しでも「好き」だと思えること、人よりも「得意」だって思うことがあるなら、ごまかさずに向き合っていくべきだと思う。

僕はラッキーなことに、今、編集という仕事に就かせていただいているのだけど、元はと言えば、昔流行ったmixiで書いていたくだらない日記を、先輩や友達に褒められたことが源流だったりする。

そこで「文章を書くのが好きな自分」に気づけたし、それが今になって仕事になっていたりするから。

自己実現って、なにも大金を得ることだけじゃないし、今は自分で商売もしやすくなった時代。それこそSNSで発信するのも集客するのもハードルが低かったりする。

好きなことを発信することで、人の役に立ち、結果的に報酬としてお金に変えている人に自分は魅力を感じる。

だって大金得て、いい車に乗って、いい暮らしをして…

で、どうすんの?(笑)

「わかりやすく誰もが羨む自分になる」ことを目標に生きるのもいいけど、そんなものに引っ張られるほど、みんな単純で安っぽい価値観の人ばかりじゃない。

だから本質的に言うと、僕が鈴木さんをとても魅力的だと感じたのは、成功者だからという理由ではなくて、

自分の好きなことを極めつづけている生き様が、人として輝いて見えたからなんだろう。

そんなことに気づかせてくれた、貴重なインタビューだった。

まーしー



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?