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[レビュー] A.S.P. Gear Urbancomp Evo / OPTO Compressor

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comming soon …



■First impression
一見ノブが多く音を作るのが難しいと感じるかもしれませんが、音を作っているうちにすぐに操作性にはなれます。また音作りに関してはかなり柔軟で色々な現場でもコンプだけでも音作りを完結することが可能です。
コンプ自体は元気のいい音で、コンプのみでかっこいい音が作れます。コンプとしては自然な効き方をしていてレンジ感も広く、ハイやローのロールオフする独特なレンジ感やコンプの効き方に違和感のあるオールドなコンプレッサーペダルとは一線を画すとてもモダンな印象です。

■Detail
コンプ(wet)100%のミックスノブ設定でEQ等フラット設定にて、Evo はローが少しタイトになります。
ローが出ていないわけでなく、ミドルからハイあたりが元気になり相対的に感じるものです。
コレにより音がより前に飛ぶ感覚もあります。
総じて元気な音なりますが、かなりナチュラルで色付けは大きく感じません。ハイがロールオフすることなくワイドなレンジを感じさせます。
また、そのローのタイトさに関してはミックスノブにて原音を混ぜることにより、元のサウンドと同じだけのローの強さに補正することもできますし、コンプによるアタックに対してトランジェントをより滑らかにしたりも可能です。
基本的にコンプはローの圧縮が強くかかることでローに違和感を覚えることが多々ありますがEvoに関してはMixをうまく使うことで5弦でもローの痩せや違和感や硬さ等は気になることはありませんでした。

Toneに関しては、シーソー型の1.8kHzあたりを軸にしたコンプ側にのみ作用するようになったものです。
このコンプ側にのみ効くというのがミソで、このトーンの効きに関してもミックスにて原音と混ぜて好みの塩梅を詰めて探すことができます。特にこのトーンの効きはラインでの音作りよりもアンプとキャビに対してかなり効果的です。ローの回るアンプ、ハイのカリカリしたアンプに対して最速のアクセスで好きなポイントを見つけることができます。
このTone のシーソーの中心周波数がこのコンプのキャラともマッチしていて、個人的にはDiamond comp やsmoothie comp よりも好みの効き方をしています。
また、toneの調整の際に過激にハイやローが落ちるということはなく、実践的な範囲内での微調整がしやすいです。

最後にatk とfre のノブですが、コレはコンプと原音をミックスした音全体に対して最終的な微調整になっており、toneと使い分けてより音を追い込むことが可能になっています。

■比較
オプトコンプとして
Smoothie, Diamond comp, Doc Lloyd, Miura M2 comp等と比較してみました。
一概に良し悪しは言えませんが、1番元気かつEQ補正のしやすいコンプだと感じました。ウォームでオールドなサウンドを狙ったDiamond compとは性格が違って、Evoはよりロックに合うモダンなサウンドです。
レンジ感はMiura M2に匹敵します。
独特な余裕のあるローとパンチに関してはDocLloydがやや優勢でしたが、音作りを考えた操作性はEvoが優勢になっていました。
Smoothie との比較ではサスティーンはほぼ無限に伸びるSmoothie が優勢ですがトーンの効きが、Evoの方がよりナチュラルでレンジも広いです。


■まとめ
トーンがコンプ側にのみEQが全体にと、それぞれ独立して動くことで多彩な音作りを可能にしており、多くのコンプを触ってきましたがこういったコンプは他にないのかなと思っています。コンプなんですが、まるでプリアンプを触っているかのような、プリアンプとしても優れた操作性機能性を持っています。
この操作性に慣れるまでは少し時間がかかるかもしれませんが一度特徴を掴むととても汎用的な音の補正が容易にできるようになります。

■あとがき
A.S.P. Gear のビルダーさん面白い方なんですよ。ドイツのコメディアンより遥かに面白い方です。Twitterのスペースでお話しするようになってから、面白い人が作るペダルも面白いんだろうなとペダルに興味を持つようになりドイツへ送っていただきました。ベーシストでもあるビルダーさんの考えたペダルはやっぱりベーシストに優しい設計になっていて痒い所に手が届く感じになってましたね。
日本に帰国した時には飲みながらゆっくりお話ししたいなと思ってます。

以上

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