咲とサチ
前回、「妖精」にて誰も手をつけず荒れ果てるはずだった花壇を一人で手入れを続ける事で花の妖精が見える様になった咲ちゃん。
生まれ持っての特殊な力で目に見えない物を見たり感じたりしてしまうまさるん。
当然の事ながら、一人面白く思わない人か居ます・・・そう、小中学校編のヒロイン サチ。
何故、そんなに面白く無いかと言うと、中学生男子のズボラな習性を知らなかったサチに原因があるんですがね・・・💦
休み時間、普通に過ごした後、トイレで用を済まし帰ってくる俺をサチは鋭い目で睨んでいた。
「余程、そのハンカチ気に入ったんだね・・・」
そう、サチが指摘したハンカチこそ、咲ちゃんに貰ったハンカチなんだが・・・確かに貰ったのは数日前だよ・・・貰って、制服のポケットに入れて、ずっとそのままな・・・ってか、ズボラ男子ってそんなもんじゃない?下手すりゃハンカチ持ってる方が偉いと思うよ・・・
「サチ・・・こっれ」
キーンコーンカーンコーン🎶
始業のチャイムが会話を遮った。余程、機嫌が悪いのか、普段なら授業中でもちょっかい出して来るのにこっちすら向かない。そんな時・・・
「まさるん!パス!」
斜め前の席から、俺宛ての手紙が回って来た。サチ以外から来たの初めてかも💦差出人は・・・咲ちゃん!・・・うっ・・・何か視線が痛いぞ・・・隣の席からビームの様な痛い視線が・・・かといってサチの方を見るとサチは視線を逸らす様に前を見る。じゃあって手紙を見ようするとまた痛い視線が・・・で、手紙の中身は
「放課後、大事な話があるから花壇に来て」
((´(´・(´・_(´・_・(´・_・`(´・_・`)えっ!?
ちょっと待て待て待て待て、:(((;゚Д゚)))アリエヘン!!
モテ期とか💦マジか?マジ?
みんなから言わせると俺はすぐ顔に出るらしい。だから、今、きっと🐙の様に赤い顔をしているのであろう。何故分かるかって?そうじゃなきゃ、みんなの死角をついてさりげなくサチが蹴りを入れてくるはず無いじゃないか・・・
その後は何もなく放課後を迎えた。
「あのさ・・・」
サチに今日は一緒に帰れない旨を伝えようすると、多分、そうなるだろうと予想していたのだろう。サチは無言のまま、席を立ちそのまま帰ってしまった。
サチとちゃんと話が出来ないまま、咲ちゃんに会うのは気が引けるのだが約束なので花壇に向かう事にする。
数日前に妖精を目撃して以来、考えたら花壇に一回も来て居ない、咲ちゃんみたいな娘が居なきゃそりゃ荒れ果てるよね
「まさるん君!」
咲ちゃんは、先に来て花壇の手入れをしていた。軽く手を挙げ応えると、咲ちゃんは作業を中断し、俺の元へ駆け寄ってきた。ドキドキする俺の鼓動。段々近づいてくる咲ちゃんをまともに見るのすら恥ずかしくなって来た。咲ちゃんは、俺の目の前で立ち止まると大きく深呼吸をした。
「あのね・・・」
咲ちゃんがじっと見つめるので、見返す事が出来ない・・・でも、咲ちゃんが勇気を出して・・・俺も・・・咲ちゃんに負けじと咲ちゃんを見つめ返すと咲ちゃんも恥ずかしくなったのであろう、段々と顔が赤くなっていくのが分かる。
「あのね、みんなの前じゃ言えないから・・・」
いよいよか・・・えっ!?答えどうしよう・・・好きとか嫌いとかの前に咲ちゃんの事よく知らないし・・・
「あのね、私・・・」
「ちょっと!ちょっと待って!俺、咲ちゃんの事よく知らないし・・・」
「あっ💦そう・・・そうだよね・・・じゃあ、聞いても・・・」
「いや、咲ちゃんが好みじゃあ無いとかそういう・・・」
「はぁ?」
「へぇ?」
そうだよね、俺がモテるはずがないw俺が勘違いしていた事で大爆笑!改めて話を聞くと、咲ちゃんの話は、「花の妖精」の事だった。一つは、何故、咲ちゃんは妖精が見えたのか?俺は専門家でも何でもないからあくまでも、俺の見解だが「花の妖精」は各花にそれぞれの妖精がいると言われている。芽吹き、花が咲き、枯れるまでの間その花と一緒に居るそうだ。花を愛しその花を愛された人は稀に花の妖精が見える。だから、咲ちゃんは妖精が見えたんだと思う。もう一つは、誰も見えないのに、何故、俺には見えたのか?実は一度妖精の話を咲ちゃんは大好きな妹にして連れて来たが、妹には見えないので、これは自分にしか見えないと理解していた。だから、いきなり俺が見えたのが不思議で仕方がないらしい
「実はさ・・・」
よくよく考えると、この能力の事ちゃんと話したの初めてだった。ニキやシロ、ママ、サチ小学校からずっと一緒に居る奴らは薄々は気づいてるかも知れないが、ちゃんと話したのは咲ちゃんが初めだ。咲ちゃんは俺を見ながら言った
「良いなぁ、何か自分だけの能力って羨ましい」
そう言って微笑んだ。
「サチより先に出会いたかったな・・・」
何気に爆弾落とすのね💦
咲ちゃんとは、これからも仲良くねって約束し、サチにちゃんと話さなきゃと思い急いで家に帰るのであった。
後編に続く
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