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#33 祭りとは


実に素晴らしいテーマです。

ぼくの中でも祭りといえばあれしかない。

そぅ、

あの祭り

東北地方の最北端の

そう、

あの祭り

昔々アイヌ民族との戦いから始まった

あの祭り

「ねぶた祭り」


大阪で生まれ大阪で育った僕とは、縁もゆかりもないような遠く離れた青森の祭り。

何故そこまで熱弁しようとしてるかというと、

とにかく気持ちいいんだなー。

誰でも一度は耳にしたであろう、ねぶた祭り。





僕がこの祭りに出会ったのは2013年の夏。

自転車で日本を回っていた時、
北海道を真夏に走っちゃおうと思い、
6月中旬から7月末までの1ヶ月半を北海道で過ごしていた。


北海道はライダーやサイクリストの中でも、聖地のような存在になっている。

見渡す限りの大自然
どこまでも続く一本道
道路にたまにやってくるエゾシカ
世界遺産の知床
海産物がうますぎる
そして北海道民の暖かさ

そんなものが僕を含め旅行者の心を掴んで離さないのだ。



そんな北海道ではライダーやサイクリストとよく出会う。

どこが良かったか
どこでテント張ったのか

などなどアナログな情報交換がされる。

そんな中で、北海道の次はどうする?


という話題が持ち出される。


本州を日本海側へ下る者
本州を太平洋側へ下る者

大体がこのどちらかだ。



サイクリスト(チャリダー)は坂道を嫌がるため、基本的に海岸線を走るわけだ。


そこで、僕は日本海側へ下り東北のお祭りを見ながら進もうと思っていた。

青森のねぶた祭りに始まり
秋田の竿灯祭り
山形の花笠祭り



そんな事を話していると、ある旅人から

「ねぶた祭りの時、旅人が集まる無料キャンプ場が出来るらしい」

と半信半疑な情報をもらった。


この情報は日を重ねるごとに、現実的なものへと変化していく。


半信半疑な情報が現実になったのは、7月末函館に異常なほどライダーやチャリダーが集まっている頃だった。


北海道を旅していた者はもちろん、日本各地からこの時期青森へ集まってきていたのだ。


もちろん行き先は、特設キャンプ場。





8月1日青森の港に降り立った僕は、その情報を辿りキャンプ場へ向かった。

そこにはすでに100張以上のテントが所狭しと設置されている。

常連組の村のような場所があったり、
チャリダーがなんとなく身を寄せ合うエリアがあったり、
外国人が数名申し訳なさそうにたむろっている時もある。


そこで出会ったチャリダー達は、初めて会う人がほとんどなのに、ひたすら酒を飲み、ギターをかき鳴らし、ヘッドライトをつけながら夜な夜な語らい会う。


そして、ねぶた祭りがいよいよ始まる。

僕の知る祭りは、見にいくものだった。
祇園祭
だんじり祭り
花火大会

1週間続くこの祭りは、日頃のよそ者の旅人達が主役になれるのだ。

衣装さへ手に入れてしまえば、会場では祭りのど真ん中に立ててしまう。

長い旅をしているこんがり焼けた旅人達が、衣装を身にまとうとそれはそれは味がでてしまう。

そうなると、
会場では写真撮影を頼まれ、
祭りの最前線で踊り狂い、

一種のトランス状態へと入る。


踊り方がわからないという人も安心してほしい。


会場の熱気が最高潮に達した時、地響きのように太鼓がなり始め、それを軽やかに彩る笛の音が会場のすべての音を支配する。

そうなってしまえば、音に踊らされている状態になってしまうのだ。


こればっかりは体験してもらわないと話が通じない。


そして、場の空気が温まると言葉を忘れてしまったかのように、

「ラッセーラー!!」

と叫び続ける。


2時間の祭りが終わると、ビールがうますぎる体へと仕上がっている。


夏の青森の夜風に吹かれながら、自転車でキャンプ場へ戻る。

そして、また酒を飲む。
時間は無制限の大宴会が毎晩繰り広げられ、翌朝酔いつぶれた無残な人間がテントまでたどり着けず、芝生の上で青白い顔で転がっている。


日本にこんなクレイジーな祭りがあって本当に幸せだ。


書けばきりがない。


ここ数年アメリカにハイキングに来ているので、行けてないが来年は必ず参加しようと思っている。


この記事を読んで何かしら心がけて暑くなった人は、来年一緒に行きましょう!


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