緩和競争再燃か?

ドル円現在106.18〜106.19
レンジ予想105.50〜106.50
ゲスト三井住友銀行NY 下村剛さん

昨日のNY市場はドル高地合いでスタートし、ドル円は朝方に106.50台まで上昇したが、アメリカ株が下落に転じるとクロス円全般の下落に引っ張られドル円も106円丁度近辺まで値を下げる展開だった。本日はアメリカの雇用統計が控えている。昨日の失業保険継続受給者数の改善からも堅調な結果を予想する。ドル円は今週に入ってから既に105円前半から1円以上上昇しており、雇用統計が良好な結果となっても安倍総理が辞意表明を行なった際の水準である106円台後半では一旦上値を抑えられると想定する。

キャ)欧米で金融緩和競争が激しくなるという事か?

最近のドル安を牽引してきたユーロは、今週節目の1.20を達成した後、調整地合いに転じている。きっかけとなったのが、ECB当局者からのユーロ高牽制発言だ。為替はECBの政策目標ではないものの、今後の緩和スタンスの緩和スタンス強化の可能性を含めて、マーケットでは一旦ユーロ高一服感に繋がっている。そもそも、コロナ後の経済回復に対する不透明感はグローバルに共通しており、各国中銀関係者から追加緩和強化の可能性についての言及も見られ始めている。FRBの緩和スタンスを材料としたドル安トレンドに変化が出てくる可能性に注意したい。仮に、各国が競って緩和スタンス強化に動いた場所、為替市場では緩和強化で売られる通貨が変わりドル安ドル高どちらに動くか予想しづらい。

キャ)一方日本の金融緩和手詰まり感もあると思われるが?

ドル円は日銀の追加緩和手段の少なさに注目が集まる様な場合、100円を意識するような思わぬ円高圧力が強まらないか注意が必要だ。