見出し画像

その後の対応についての備忘録

3月に入ってから、さまざまな配慮と工夫をしながら毎週主日の4回の礼拝、教会学校、水曜の祈祷会を続けて来たものの、3月25日に東京都知事による外出自粛などの要請が出たことで、ついに3月29日から教会に集まっての礼拝をとりやめ、ネットのライブ配信による礼拝に切り替えることに。
それから二週間ほど経って、今までのところで経験したこと、考えさせられていることを続けて書いておきます。

ライブ配信による礼拝ということで、まずは機材の調達と配信の段取りを開始。実は5年ほど前のある時期、海外在住や長期自宅療養などで礼拝に集えない教会員のためにライブ配信を行っていたことがあり、その時はustreamを用いていたのが、その後、無料サービスがなくなったことでライブを諦め、simなしの古いiphoneで礼拝を録画、それを動画変換してYoutubeにアップし、リンクを毎週夜にメールで送信ということを続けていました。
しかし今回、ライブ配信復活ということで、Youtube-Liveを用いることに。機材については上を目指せばきりがなく、凝り出せば限りがなく、そもそも知識も技術も人も限られていることから、とにかくコストも技術も最小限、牧師一人で取り回しができる範囲に留めることに。
で、用意したものといえば、1万円ぐらいのちょっと性能のいいウェブ用カメラと3メートルの延長USBケーブル。説教壇から3メートルぐらいのところにヘッドマウンドだけ交換してカメラを付けたマイクスタンドを立て、そこからUSBケーブルを引っ張ってノートパソコンにつなぐだけ。画面もそれなりに鮮明で、音声もそこそこ拾ってもらえるので、うちの教会ではちょうど良い感じになっています。パソコンは説教壇の前にある聖餐卓の上に置いてモニター代わりにし、手許にはスマホを置いて実際の動画配信画面をチェック。これで毎週朝と夕の礼拝の配信が可能となりました。
視聴参加の皆さんからすると、ちょっと音が聞きづらかったり、画面上に主の祈りや使徒信条、讃美歌の歌詞を映して欲しいと言う要望もあるのですが、それに応え始めると次のレベルに上がってしまい、牧師一人で取り回せなくなるので、ここは少し我慢してもらって、このレベルを保っています。だだし、礼拝堂内の無線LANではちょっと電波が弱いので、次からは有線でケーブルを引き込む予定。

こうして始まったライブ配信による礼拝。10時半からの朝拝は司式・説教の牧師(僕)と奏楽者(妻)、役員さんの3人、17時からの夕拝は司式・説教の牧師(僕)と奏楽者(神学生・息子)、会衆(妻)と役員さんの4人が基本メンバー。礼拝式順はいつも通りにし、前奏、招詞から始まって派遣祝福、報告までで朝拝は約1時間、夕拝は約30分。大事にしているのは、とにかくいつもの礼拝の形をできるだけ変えないこと。いつもの式順、いつもの讃美、いつもの祈り、いつもの献金、そういうところが一人一人の霊性を支えることに繋がっていくと信じて。
そして普段から早朝礼拝で1人、2人の会衆に向かって説教している経験がとても大きく、ネット配信になっても目の前に2人、3人いればまったくいつもと変わらずの礼拝が行えています。中にはネット礼拝に切り替えて、無観客試合みたいでやりづらいという牧師の声を聞きますが、開拓伝道の教会で壁に向かって説教している牧師たちを思えばそんなのは珍しくもなんともないこと。もっとタフになってもいいのではないかと思ったり。

こうした生活を数週送ってみての変化は、それまでの日曜日の過ごし方や一週間の仕事のペースがまったく変わったこと。そもそも週日の教会の集会や、教団の会議、各種の外部奉仕がすべてキャンセルになったことで時間がたっぷりあるのも今までにないことで、加えてこれまで週の後半に向かって仕事のボリュームが増えていったのが、今はむしろ前半にピークが来ている感じ。
いつもの日曜日は早朝礼拝のために朝6時過ぎに教会に来て、夕拝を終えて19時頃に家にもどっていたのが、ここ二週は朝9時に教会に来てネット配信の準備をし、10時半からの礼拝が11時半に終わり、その後、zoomを使って子どもたちと短く教会学校をし、13時から14時まではやはりzoomを使って役員会のミーティング。その後、お昼を食べて教会で事務仕事をし、16時半に再び夕拝の準備をし、17時から17時半まで夕拝。片付けをして18時半には家に戻る。
月曜、火曜で次週の礼拝のYoutube配信の設定をし、URLを取得。火曜の晩までに週報を作り、次週の朝夕礼拝の告知と教会からの連絡事項と週報を添付した教会員向けメールを送信。メールのない会員には同様の内容を手紙にし、印刷した週報と一緒に封書を作成。この方々はほぼネット視聴環境もないので、次週の朝拝説教の原稿も同封。それを土曜日までに手許に届けるためには木曜の夕方に投函する必要があり、結果的に朝拝説教の準備は木曜の午後までに終わらせることに。
こうして木曜夜には週報も朝拝説教準備も終わっており、それから夕拝準備や残りの作業を週末にかけて行うということで、週末に向けてペースを上げていた時と勝手が違い、いまだなんとなく落ち着かない感じ。
しかしこれを機会に今まで願いながら出来なかったことをしてみようと、毎朝、御言葉の黙想と祈りのメールを教会員に向けて配信することに。いつまで続くかは定かでないが、共に集まれない日々が続く中で、少しでも信仰の養いになればということで。また意識して教会員の特に高齢者や一人暮らしの方に電話をかけたり、様子を聞いたりと、以前よりもそのあたりの対応ができるようになっているのもありがたいこと。教会員同士も安否を確かめ合ったり、連絡を取り合ったりしてくれているようで感謝しています。

そうはいっても、いつ感染者が出てもおかしくない状況下で、学校が始まらない子どもたち、仕事が減っている方々、自宅に籠もってストレスに耐えている方々、様々なリスクを抱えながらも働きに出ている方々など、教会員が置かれている立場もそれぞれで、一人一人の信仰、健康、家族、経済、生活そのものが守られるようにというのが日々の切なる祈り。ともに集まって礼拝し、祈り、食事をし、交わりや奉仕をし、伝道のために一緒に働くことができない日々が続き、キリストの身体なる教会の健康もまた損なわれないように、とにかく身体全体に血が通い、いのちが通い続けるために今日もできることを考えます。

#教会に生きる喜び


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?