ほとけさまのおしえ「倶会一処(くえいっしょ)」
法事でよくお唱えするお経の中には、「素敵だな〜」と思う言葉が散りばめられております。
そのひとつが「倶会一処」(くえいっしょ)です。
わかりやすく言うと、「またひとつ処で会いましょう」という意味です。
亡くなった方との別れを悲しんでみえるご遺族の方に、この言葉はとても「大きな救い」になる言葉です。
真宗では私たちは亡くなっても「また必ず会える」とされております。
それは皆がお称名をお唱えしてお念仏を申し上げるとき、阿弥陀如来様が分け隔てなく皆を確実に「極楽浄土」に連れて行ってくれるとされているからです。
そんなことを言うと「じゃお称名をお唱えしなかったら連れてってもらえないんですね?」という方がおられますが、そういう方であっても極楽浄土の「辺地」(端のほう)に生まれるとされております。
つまりみんながまた再び極楽浄土に生まれるので「そこで必ず会えますよ~」ということになります。
よく「お墓の前面」にこの文字を刻んでらっしゃる方もお見えになるので、知っている方も多いと思います。
数年前に「小学生のお子さん」のお葬式を執り行ったことがあります。
病気で入退院を繰り返した後、若くしてお亡くなりになられました。
その方のご両親は、火葬を終えてお骨になった娘の骨を「残らずすべて」拾い集めて骨壺に納められました。
そしてお骨をずっとそばにおいておいて、「いずれ私たちが命終わるときに一緒に葬ってもらうのだ」とおっしゃっておられました。
私はそれを聞いたとき、溢れる涙を止めることができませんでした。
きっとこの方の心には、「極楽浄土できっと必ず、我が娘に会えるんだ」という強い想いがあると感じられたからです。
この世の中で「辛く悲しい別れ」を経験された方に、この言葉がどれほど心強く感じられるのだろう。
そんな言葉に出会えていることに感謝せずにいられません。
☆今日の一句☆
お浄土で
必ず会える
ありがたき
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