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市川由紀乃さん

明日から出演のお仕事も本格的に再開させていただきます。

それを前に新歌舞伎座で上演中の演歌歌手・市川由紀乃さんの座長公演を観てきました。

今回はたまたま劇場の方からお声がけをいただいたのですが、昔から僕は市川由紀乃さんにオンリーワンの魅力を感じていました。

美しさという言葉だけでは掬いきれない憂いを帯びた華。そして、歌唱力。さらに、言語化が難しい慈愛。

そういった要素が市川由紀乃さんには詰まっている気がして注目してきたのですが、今日の公演では、喜劇女優としての新たな魅力も体感しました。

公演は二部構成で、一部が吉本新喜劇の川畑泰史座長や吉田裕さん、浅香あき恵さんらと松竹新喜劇の皆さんが夢の共演を果たす喜劇。

二部が市川由紀乃さんの歌謡ショーなのですが、一部では自身の生い立ちも盛り込んだ川畑座長作のお芝居で大暴れ。

間と、良い意味で遠慮のない振り切れ方。できるようでてきないところをそつなく完遂してらっしゃったので、その振る舞いに目を奪われました。

そして、二部の歌謡ショーでは歌唱力はもちろんのこと、そこをさらに超えた表現力。そこの奥深さを見せてらっしゃって、歳とともに進化する魅力を放っているように思いました。

明日からのラジオ出演を前に、良き心の養分を得ました。

感謝、感謝の47歳。


と、こんなところで止まっていたら、いくら保健所が「中西さんはもう大丈夫です」とお墨付きをくれたとしても、ラジオに出るわけにはいきません。

こんなことで終わっていたら、コロナのダメージありありです。

僕が一番心奪われ、居ても立っても居られないくらい面白かったのは川畑座長から漏れ出す二枚目の空気です。

ネタバレは避けますが、一部では市川由紀乃さんと恋仲になるやならんやという展開もありましたが、終始笑いを取りつつも男前な立ち位置。

二部ではご自身もマイクを握り市川由紀乃さんと声を重ねるような展開も見受けられましたが、随所に川畑泰史さんの『オス』としての顔がチラ見え。

周りの年配のお客さまの「あの兄ちゃん、新喜劇で見る子やなぁ」といった表層的な見方ではなく、バックスクリーンから写真を撮る時の望遠レンズで川端さんの魂の暗部を連写する客が一人だけいる。

そんな構図が面白く、あっという間の3時間でした。

僭越ながら、市川由紀乃さんはもう十分売れてらっしゃいますが、もっと売れてもいい。

そして、川端さんはスーパー座長として高い評価を得ていますが、もっと園子温監督作品の猟奇的殺人者の役とかをやってもいい。

なんとかそんな本質まで辿り着きはしたので、明日からのラジオもなんとか大丈夫そうです。

近所のベトナム料理店で砂肝のレモングラス炒めと、そんな本質をアテにハイボールをあおる47歳。

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