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#90 「同じ年に生まれて 同じ時代を生きて」:『ブギウギ』と『虎に翼』

1.朝ドラ、『ブギウギ』から『虎に翼』へ


 NHK連続テレビ小説(以下朝ドラ)『ブギウギ』が終わり、4月から『虎に翼』が始まりました。1961年に始まった朝ドラは、今年で64年目、『虎に翼』が110作目です。

 実在の人物を「主人公」のモデルにした”フィクション”として描かれる作品と言う意味では、3作連続になります。
 (2023年上)『らんまん』(主人公:槙野万太郎/モデル:牧野富太郎)  
 (2023年下)『ブギウギ』(主人公:福来スズ子/モデル:笠置シヅ子)
 (2024年上)『虎に翼』(主人公:猪爪寅子/モデル:三淵嘉子)

 朝ドラは、”フィクション”ではありますが、主人公が生きた実際の時代の流れを知ると、また違った味わいが出て来ます。勿論、その時代の中での「主人公」「登場人物」の生き方がドラマでどう描かれるのか、にも興味をそそられます。場面場面で共感し、時には、自分と重ね合わせて感情移入して観ていることに気づきます。
 『ブギウギ』で草彅剛さんが演じた羽鳥善一の実在のモデルは、作曲家の服部良一(1907/10-1993/1)ですが、『ブギウギ』の音楽担当が、孫の服部隆久さんだったこと、「幻の歌」と言われていた「大空の弟」の楽譜が発見されて隆久さんの手でリメイクされ番組の中で初めて公開されたことなど、番組を見ながら、命のバトンが渡されているのを感じました。
   趣里さんも、歌に踊りに熱演で、最初から最後まで楽しんだ全126回でした。

2.「同じ年に生まれて 同じ時代を生きて」:笠置シヅ子と三淵嘉子

 今回のタイトル『虎に翼』は、主人公のモデル(三淵嘉子)が、大正3年(1914年)五黄の寅年生まれということで名付けられたようで、主人公の名前も、「猪爪寅子(ともこ)」となっています。
 2022年は、36年に1度の周期で巡ってくる「五黄の寅」の年として話題になりました。五黄の寅年は、近年では、1914年、1950年、1986年、2022年です。
「『五黄の寅』とは、九星と呼ばれる中国の民間信仰と十二支を組み合わせたもので、九星のうちの1つ「五黄土星」は、生まれながらにしてリーダー気質を持ち、周囲を圧倒する強大なパワーを持っている」とされています。

 「虎に翼」は2週目に入りましたが、今後の展開が楽しみなところです。
笠置シヅ子と三淵嘉子は同じ五黄の寅年生まれです。同じ年(1914年)に生まれ、同じ時代を生きました。そして、同じ年度(1984年度)に亡くなっています。
 笠置シヅ子(1914年8/25~1985年3/30)
 三淵嘉子(1914年11/13~1984年5/28)
全く違った環境に生まれ、違った環境に育ち、違った世界に翼を広げて行った2人の生き方を並べてみると興味深いものがあります。不思議な共通点も見つかりました。
 時代の出来事と、2人のエポック的なものを対比表にしてみました。(「笠置シヅ子の生涯」(TJムック)、「三淵嘉子の人生」(メディアソフト)をもとに作成)

三淵嘉子と笠置シヅ子(出生から9歳迄)★クリックで拡大表示されます★
三淵嘉子と笠置シヅ子(10代)★クリックで拡大表示されます★
三淵嘉子と笠置シヅ子(20代)★クリックで拡大表示されます★
三淵嘉子と笠置シヅ子(30代)★クリックで拡大表示されます★
三淵嘉子と笠置シヅ子(40代)★クリックで拡大表示されます★
三淵嘉子と笠置シヅ子(50代)★クリックで拡大表示されます★
三淵嘉子と笠置シヅ子(60代)★クリックで拡大表示されます★

『虎に翼』の猪爪寅子のドラマでの描かれ方、三淵嘉子の生き方を感じながら、『ブギウギ』の場面や笠置シヅ子の生き方を追体験しても面白いと思います。朝ドラを見る楽しみが増えました。

3.朝ドラと自分史~自分史の魅力を伝えて行きたい

 朝ドラの楽しみは、勿論、創作・ドラマとしての楽しみですが、一方で、モデルとなった実在の人物の生き方を知って、味わうことも、大きな楽しみだと思います。朝ドラの主人公のモデルは、『自伝』を書くような著名人ですが、市井の人たちの歴史である「自分史」も、それに劣るものではありません。
 昨年から、自分史入門講座の講師としての活動を始めました。
自分史講座では、『時代に生きた自分』『時代の中の自分』という視点でのワークを取り入れています。
(昨年11-12月に開催された西東京市図書館主催の「ミニ自分史講座」が図書館のHPで紹介されています)

 今年は、ミドル・シニア対象のキャリアデザインセミナーに加え、自分史の魅力を、より広く伝えて行けるような講師活動を行って行きたいと考えています。
 5月以降に講師を務める2つの講座です。





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