ハワイのハシナガイルカの価値は?

Wiener, C., L. Bejder, D. Johnston, L. Fawcett, and P. Wilkinson. 2020. Cashing in on Spinners: Revenue Estimates of Wild Dolphin-Swim Tourism in the Hawaiian Islands. Frontiers in Marine Science 7:660. doi: 10.3389/fmars.2020.00660

ハワイのオアフ島のワイナイアとハワイ島のカイルアからコナにおける、ハシナガイルカウォッチング観光の経済効果を、ドルフィンスイム、ドルフィンウォッチング業者へのインタビューと現地調査から試算した。

その結果、ドルフィンスイムの収益は2013年に3,900万ドル(42億円)。ドルフィンウオッチングは5,860万ドル(64億円)。そのほかのイルカ関係のアクティビティを含めて、総額で102万ドル(110億円)であった。

ハシナガイルカの推定生息数と個体の平均寿命から、イルカ1頭が生涯に生み出す利益を算出すると、オアフ島で336万ドル(3.6億円)、ハワイ島で 161万ドル(1.7億円)となった。

イルカの価値はこれまではより過小評価されてきた。この価値を理解した上で、その利用の規制や動物や環境の保全を考えないといけない。

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ホエールウォッチングの経済効果を試算したものはいくつか見たことがあるが、これはイルカ1頭が生涯に生み出す価値を試算したところが面白い。

日本で捕獲されているハンドウイルカは、食用になると1頭数十万円。水族館向けの生体販売でも数百万円だろう。この差はあまりにも大きくて、なんか虚しくなる。

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