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LIFE IS NOVEL #14

翌日は日曜日で、学校は休みだったが、気分といえば最悪だった。
普段であれば、バイトを入れているところであるが、シフトは週明けにずらしてもらっていた。
結果として、指定された昼という時間帯はどこにでもいることができた。

朝食と摂り終え、すぐに外出する支度をした。このまま家にいることは避けたかった。玄関をでると、姉もどこかへ出かけるようだった。
特に仲がいい姉弟ではないのだが、姉の方から声をかけてきた。
「あれ、タケヤスもどこかいくの?」
「ちょっと買い物にいこうかと思ってね。」
「そうなんだ。あんたがひとりで買い物だなんて、めずらしいわね。」

たしかに週末の僕は、休日の予定と言えばバイトくらいで、買い物も友人の付き合いでもなければ行くこともなかった。
「そっちもどこか行くの?」
「ええ、彼氏と一緒にね。」
「彼氏?初耳だけど。そっちのほうがめずらしくない?」
「たしかに久しぶりの彼氏だけど…今日が初デートなのよ。」
なるほど、違和感の理由に納得した。服装は白をベースに女性らしくまとまっているし、整えられら髪からも気合が感じられた。なるほど臨戦態勢というわけか。

「へえ、よかったね。前の彼氏に振られたときは、ひどかったから。」
「え?誰のことを言ってるの?そんなことあったかしら。」
どうやら浮気された果てに逃げられた元彼のことは、記憶から消去さられてしまったらしい。
弟からみた姉は、どうすれば恋人ができるのか疑問な人物なのだが、意外と僕の周りからは紹介してほしいとの声がある。僕とほぼ同じ身長であることがなかなかニーズを限定させているようであるし、スポーツに打ち込んだ学生生活を送っているためか、浮いた話が家庭内で上がることはなかった。
そんなこともあり、なかなか恋愛事に縁が乏しい僕ら姉弟においては、いいニュースだった。

「どう?見る彼の写真。見たいでしょ」
自慢をしたいのだろうか。「いいよ、別に」と断ったが、無理やりスマホを僕に押し付けてきた。画面には、スポーツウェア姿の姉と、姉よりも身長が高い、男からみてもモテそうな青年が写っていた。
「なかなかカッコいいでしょ。彼もバスケやってるらしくて、最近練習のときに声をかけられたの。」
「…そうなんだ。」
「それで、新作のシューズを一緒に見に行かないかって、誘われたのよ。」
「そう…ちなみに、いつから付き合ってるの?」
「え?付き合ったというか…今週の火曜に初めて会って…意気投合したのよ。ああ、タケヤスが退院した日だったね。そういえば。」
それで彼氏と呼称するのは気が早すぎる、という忠告はしないことにした。
「わかったよ。気をつけて言ってきてよ。」そう言い残して、僕は姉を追い越し先に家を出た。そして駅方面へ向かった。

向かうように見せかけて、すぐ近くの曲がり角で身を潜め、姉が出てくるのを待った。
昼の待ち合わせまでの予定はすでに決まっていた。
午前の間、僕は姉のデートを尾行することになった。

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