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マティス展に行ってきた。

 私が美術鑑賞を本格的に好きになったきっかけの絵が3点あるのですが、そのひとつが、2016年のデトロイト美術館展で観たアンリ・マティスの「窓」。その優しく鮮やかな色彩に、絵画に見惚れるという初体験を奪われてしまいました。

 その日のうちに、この感動を忘れたくないと、写真や複製画を探したのですが、物足りない印象を受けてがっかりものです。結局会期中、何度も足を運ぶことになってしまいました。

 この経験は、実物に鑑賞することの意味を教えてくれ、どんなに知識を学んでも、蘊蓄を集めても、およそ150cm×120cmの世界が与える空気感には勝てないという事実は衝撃だった。

東京都立美術館で先月から始まり、8月20日まで開催されているマティス展は、自分にとっては本当に待ちに待った展覧会なのです。

マティスの20代から85歳で亡くなる最晩年の作品までを通して見ることができる、まさに回顧展。作風の変遷や様々な挑戦、でも一貫しているのは見てる者を穏やかにしてくれるポジティブなエレルギー。観たら元気になれるそんな展覧会です。

ちなみに新国立美術館では2024年2月14日からもう一つのマティスの展覧会が開催されるのですが、こちらは切り絵の作品が中心とのこと。ということで、まずは上野でマティスを知り、彼の芸術家人生の到達点を来年楽しむというのもおすすめです。

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