目指す道標を掴んだ
大野町商工振興会の有志らとまちづくり活動の気運が高まっていたけど、目標が鮮明で無かった。当時、まちづくりの先進地だった長浜、近江八幡、彦根の視察ツアーを行った。敢えて一泊二日ゆっくりと街巡りを企画提案して実現した。商人達が大きな投資をして実現した「黒壁の街」長浜は、観光客で賑わっていたが投資規模が桁外れだったので、これはとても真似できないと感じた。街路整備に併せて街並みを整えた彦根も、公共投資が基盤になっていて街並みが整いすぎて参考にならなかった。近江八幡では、確か醤油屋が蔵をギャラリーと飲食スペースにコンバージョンしていて、これが参考になった。とはいえ、街全体をどうするかはまだ見えていなかった。
友人の鍔さんにこのことを伝えたら、同じ滋賀県の高島町が参考になるのではないかとアドバイスしてくれた。そのことを大野町の有志に伝えて、数週間後に数台のクルマに分乗して向かった。
目指すは「高島びれっじ・あいるらんど交流館」
商店主ら13人のグループが、空き店舗になっていた商家を賃借して、通りに面した建物は地域の物産とアイルランドの情報発信スペース、離れの蔵はカフェ・パブにしていた。メンバー一人100万円ずつ拠出し、セルフビルド(当時は日曜大工と言ってた)で改修し、夜はパブ営業する際にメンバーが交代で運営スタッフになるというのが、大野町の「身の丈」に合っていると感じた。
高島からの帰り道、クルマの中では頭から湯気が上がるくらいにまちづくりの話題が盛り上がっていた。
「ここをお手本にしよう」みんなの気持ちが一つになった。
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