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一口馬主への道 vol.4 ゲノム編

ゲノム分析結果は、血統の重要性を示唆


ゲノムとは、遺伝子"gene"と染色体"chromosome"が合成された言葉で、DNAのすべての遺伝情報を意味します。

現時点で一口募集馬のゲノム情報の開示は少ないものの、将来的にゲノム情報は馬選びの重要なファクターになりそうです。

日本におけるウマのゲノム分析の第一人者である戸崎晃明氏の記事では、欧州、北米、豪州、南アフリカおよび日本におけるサラブレッド集団の主成分分析を行ったところ、欧州系、北米系、豪州系の3局に遺伝的な相違の分離傾向がみられたとの研究結果を紹介しています。

TozakiがMcGivney B.A.(2020) Sci Rep 10, 466より引用・改変

欧州で2020年まで11年連続でリーディングサイヤーとなったガリレオ、北米史上最強馬フライトラインを輩出したエーピーインディ、豪州で最大勢力を築いたディンヒルの各ゲノムが対極に位置していることが確認できます。

ゲノム情報分析結果を知ることで、北米系の情報を持っていればダート寄り、欧州系であればタフな芝長距離寄り、豪州系であれば芝短距離寄りなど、馬の適性が推測しやすくなるかもしれません。

広尾は一口募集馬のスピード遺伝子検査結果を公開

パンサラッサを輩出した広尾サラブレッド倶楽部は、業界に先駆けて一口募集馬の「エクイノム・スピード遺伝子検査」の結果を公表しています。各馬の遺伝子型、適性距離、タイプなどが示されているとのこと。他のクラブにもこの動きが広まれば面白そうです。

追記:長距離型のミオスタチン遺伝子を持ち、かつ、早期から坂路駆けする馬に注目

有名な育成牧場のポストでT:T型(中・長距離適性)かつ早期から坂路駆けする馬はレアだが優秀な結果を残している旨が示されているのを見ました。私が加入済みのYGGオーナーズクラブも募集馬の遺伝子検査結果を公表しています。エスコフィオンの22(牡、父ハービンジャー)とランウェイの22(メス、父エピファネイア)がT:T型の遺伝子と公表されており評判も高いのですが、坂路で超抜時計を出しているかと言われると確信を持てない感じです。来シーズン以降もこのような組み合わせに注目したいと思います。

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