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コロナは天災?人災?

『ワクチン接種の減少』
 
イギリスオックスフォード大学の研究者らが作る「our World in Data」によると、4/11時点の一日当たり摂取回数は1260万回と、昨年末から65%減少しました。ワクチン接種が徐々に増え始めた昨年3月下旬以来の低水準で推移しております。
英医療調査会社エアフィニティは4月上旬、2022年の世界のワクチン売上高見通しを約640億ドルと従来予測の800億ドルから2割引き下げました。販売数の見通しも60億回と、従来予想の96億回から下方修正し、2023年以降は年に20〜40億回を見込みます。3、4回目の接種に対する需要が低迷していることを反映しました。イスラエルやチリでは3、4回目の接種率が低下しており、3回目の接種率が25%、4回目は50%減少しております。
米医療メディアSTATが実施した世論調査では、アメリカ人の成人を対象に4回目接種を受けるかどうか聞いたところ18%が摂取しないと回答、25%は新たな変異型が出現した場合のみ摂取すると回答しました。イスラエルでの60歳以上への4回目接種の感染予防効果は、4回目接種から3~4週間後には3回目接種の人と比べて50%程度低く、7~8週目にはほぼなくなりました。
米FDAが開いた諮問委員会では既存ワクチンがBA.2を含むオミクロン型に十分適合していないとの指摘も出ました。
ワクチンの生産も減少傾向です。英アストラゼネカ製ワクチンは一部の生産委託先などで生産が縮小又は停止されました。米ジョンソンアンドジョンソンは昨年12月から一部工場で生産を停止し、より収益性の高いワクチンを生産する可能性について報じています。 
 
『コロナでメンタルがやられる』
 
米CDCは2021年1月~6月、全米の高校生約8000人を対象に実施した調査で、15%が自宅で親や大人から悪口や侮辱など精神的に虐待を受けたと回答、11%は身体的な虐待を経験しました。この中で親や他の大人が職を失ったと答えた学生は約3割に上りました。44%が2週間以上続く悲しみや絶望を感じました。37%がコロナ禍でのメンタルヘルスの悪化を訴えます。自殺を真剣に考えたと答えた学生は2割いました。男女別でみると女子学生の方が男子学生よりも精神面での影響が大きい結果でした。36%が人種差別を経験したと回答しました。人種的に見ると最も割合が高かったのはアジア系の64%で、黒人の55%が続きます。絶望を感じた割合について、学校との繋がりを感じる学生35%はそうでない学生53%に比べ18ポイント低く、自殺を考えた割合でも学校との繋がりを感じる学生14%はそうでない学生26%に比べて12ポイント低かったです。 
 
『パンデミック?エンデミック?』
 
韓国がマスク着用などのコロナ対策を一気に緩和しています。コロナウイルスをパンデミック(世界的な大流行)ではなくエンデミック(一定期間で繰り返される流行)とみなします。
5/2から屋外でマスクなしで過ごせるようにしました。4/18から飲食店の営業時間や一度に会合できる人数の制限を全面的に解除しました。それ以来、ソウルの夜の街は賑わっています。4月上旬のインチョン国際空港の旅客数は、前年同時期と比べ3.3倍となりました。
韓国が脱コロナを進めるのは、ウイルスの勢いが弱まったからではなく、かかっても気にしないと考え方を改めたからです。高齢者などを除き、濃厚接触者はPCR検査を受ける必要がなくなりました。5月末からは感染した場合の7日間の隔離義務もなくす予定です。重症化しない限り感染は表面化せず、普通の風邪のように人々の日常に浸透します。
上記の緩和の結果、医療機関の受け入れ態勢は逼迫し、コロナによる死者は1日で350人近くに達しました。2022年3月の1か月間で過去2年間の累計を上回る9000人近くが亡くなりました。それでも世論は政府の方針を支持しています。韓国ギャラップが4/22に公表した調査で政府の政策を適切だと答えた人は40代以下で7割に達しました。
 
米CDCは人口3.3億の6割がコロナに感染したと推定する報告書を公表しました。11歳以下は8割近くが感染したと推定します。ファウチ首席医療顧問は、米国はパンデミックの段階から脱したと発表しました。集団免疫により既にパンデミックではないとの判断です。
 
一方、中国はゼロコロナ政策を推進します。上海はロックダウンを1ヶ月以上継続した結果、物流を含め大部分の経済機能がストップし、市民が食糧難にまで陥っています。食糧価格はロックダウン前の倍以上と非常に高騰しています。北京ではロックダウンが始まるとの噂から市民の買いだめが先行し、スーパーから食料品がなくなりました。 
 
日本政府のコロナ感染症対策分科会は4/27、今後の感染拡大時の対策として4通りの考え方を示しました。2軸として、「行動制限で感染抑制に重点を置くか制限なしか」「社会経済活動を維持する公衆衛生医療上の特別な対応を続けるか軽減するか」で4通りです。 
 
『実際にかかってみて』
 
私自身も4月中旬にコロナに感染し、二日間熱が38°度出ました。またその後しばらくは喉の痛みがありました。ただし鼻が詰まらず息は通常通りでした。また鼻がつまらなかったため喉が乾燥して痛むということもありませんでした。ワクチンは2回接種しております。人によって症状に差があるので、軽傷で済んだのかもしれませんが薬がなくても対処療法で十分でした。
 
かかってみての感想は、「実際こんなもんか」という感じです。コロナを恐れるあまり「外出しない」、「人と会わない」という考え方は間違っていると思います。正直風邪やインフルエンザの方がしんどいです。 
むしろコロナの症状より、症状が治った後の隔離期間の方がしんどかったです。仕事は幸いなことにテレワークで何とかなりましたが、外出できないため生活物資が買えない、人と会えない、ジムに行けない等の精神的ストレスの方が大きいです。仕事がテレワークでできない方にとってみると、収入がないという死活問題になります。また家族も濃厚接触者と判定され、全く症状がないにも関わらず隔離されることになります。学校にも行けず、なぜ隔離されるんだろうと疑問に思ったぐらいです。 
 
『コロナは人災』
 
私の結論はコロナは人災だと思います。確かに感染力は強いのですが、オミクロン型になって症状が軽くなった結果、むしろ濃厚接触者も含め隔離制限をしていることの方が経済的、メンタル的に影響が大きいと思います。せっかくの大幅な円安なのに海外からのインバウンド来日がほとんどないのも政府の入国制限によるものです。 
こう考えるとコロナは人災となります。コロナ自体というよりはそれに対応する政府の制限が、大きく影響を与えるものです。
 
私がもし日本の首相だった場合コロナ規制はほぼ撤廃します。PCR検査もやりません。入国制限も即解除します。マスクは症状のある人だけにしてもらいます。インフルエンザと同じですよという位置付けを国民に認知させるとともに、重症化した人だけ医者に行ってくださいと伝えます。基本は自宅療養で、寝て治してくださいとお伝えします。前提として重症化しないことがありますので、ワクチンの2回接種までは推奨します。3回目以降は気になる人だけ受けて下さいとします。これもインフルエンザワクチンと同様です。 
 
韓国のように緩和を進めた結果、死者が増えるかもしれません。しかし重要なのは決断することです。決めなければ先に進めません。決めた上でやってみて、結果を見て再検討することが今の日本に求められることではないでしょうか。この夏に参院選を控えた岸田政権ではこのような判断を出すことは難しいと思います。しかし日本の国益を考えた場合に、どのような決断をすべきなのかというのは、首相に求められることではないでしょうか。
コロナを天災と考えるか人災と考えるかで判断は大きく変わると思います。ぜひコロナの根底は何なのかを一度見直してもいいのではないでしょうか。 


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