税制改正大綱はビジネスチャンスの宝庫

政府は2022/12/23、令和5年度の税制改正大綱を閣議決定しました。内容は2022/12/16に自民・公明党の連名で発表されたものと同じです。
先週の2022/12/17のメルマガ(YCS140)『令和5年度税制改正大綱をキーワードで理解する』で、今回の税制改正大綱の趣旨を『投資』と『公平性』という二つのキーワードで括ってみました。
私が参加している経営革新等支援機関推進協議会で、令和5年度税制改正のPDFを作ってくれましたので、今回はPDFを元に話をしたいと思います。 

▼PDFはこちら
https://drive.google.com/file/d/1XCT4EnmLFbpP9f2qRYtsYDPGzzN_5wkv/view?usp=sharing

<税制改正大綱はビジネスチャンスの宝庫>

閣議決定もされましたので、この内容で来年の通常国会に提出されることになります。衆参両院とも与党が過半数を占めているため、基本的にはこの内容が2023年4月以降から反映されることになります。
税制改正は普通に読んだら面白くもなんともありません。でもビジネスチャンスの宝庫だと理解できれば読み方が変わります。自分の業務に影響を与え、先読みをすることでビジネスチャンスにできるのです。自分の業界が関係する部分で節税・減税が謳えるものは、ぜひ新商品を作ってみてはいかがでしょうか。こう考えると税制改正大綱は自分事となり、当事者意識を持って読むことができるようになるので、さらに理解が進むと思います。一例として私がジャストアイディアで『こんな新商品できるかな』を考えてみました。

<大綱の読み方>

ビジネスチャンスにする前提として、税制改正で何が変わるのかを理解する必要があります。
税制改正は、以下の順で読むと比較的スムーズに読めるかと思います。

1.先週のメルマガ(YCS140)『令和5年度税制改正大綱をキーワードで理解する』で趣旨を理解する。
2.今回添付したPDFの該当ページを見る。
3.PDF左下に記載された税制改正大綱の該当ページを読む。まずは前文の趣旨を読んだ上で、該当する条文を読む。

『3.税制改正大綱本文』をいきなり読んでも眠くなるだけです(笑)し、『2.PDF』から見ても制度の羅列となってしまい頭に入ってきません。やはり先週の趣旨を『投資』と『公平性』という二つのキーワードで括った上で理解してから、『2.PDF』を使って図で理解し、最後に『3.税制改正大綱本文』を文章で読むのが良いと個人的には思っております。あくまでPDFは経営革新等支援機関推進協議会が作ったものですので、該当ページがない場合がございます。ご了承の程よろしくお願いします。 

以下は先週のメルマガの順番に並べておりますので、先週のメルマガを打ち出して比較しながら読んでいくと、理解が進むと思います。

<キーワード.1『投資』>

<1.1 個人の『投資』=NISAの拡充>

該当ページ
PDF:P3
税制改正大綱(趣旨):P3-4  (条文):P23-26

(ビジネスチャンス)
銀行、証券会社、FP:NISA口座の拡販、NISA口座の活用コンサル、金融教育セミナーの開催

<1.2 子育て世代に対する『投資』=相続時精算課税と暦年課税の折衷>

該当ページ
PDF:P6-8
税制改正大綱(趣旨):P13,16,17 (条文):P42

(ビジネスチャンス)
信託銀行、税理士、保険会社:相続時精算課税を活用したタックススキームの提案。

<1.3 企業に対する『投資』=スタートアップ支援>

該当ページ
PDF:P4
税制改正大綱(趣旨):P4-5 (条文):P26-27

(ビジネスチャンス)
IPO支援コンサル:IPOで上場したオーナーに対して、スタートアップ再投資制度を活用した『2度目の創業提案』
暗号資産フィンテック:自己発行・自己保有の暗号資産開発。

<1.4 企業の従業員に対する『投資』=デジタル・高度人材育成>

該当ページ
PDF:なし
税制改正大綱(趣旨):P6-7 (条文):P61

(ビジネスチャンス)
人事、経理:デジタル・高度人材採用を活用した減税提案。減税分で優秀な人材獲得にコストをかける。デジタル人材を活用したDXの推進。人的資本開示における投資影響を開示

<1.5 環境に対する『投資』=エコカー減税>
 
該当ページ
PDF:なし
税制改正大綱(趣旨):P10-12 (条文):P80-95

(ビジネスチャンス)
自動車完成メーカー、ディーラー:個人に対して、エコカー減税幅が大きい車種の拡販。車の乗り換え促進。法人に対して、エコカー導入による減税及びTCFDの開示対応で拡販。
自動車部品メーカー:エコカー減税幅が大きい車種に資する部品を、自動車完成メーカーへ提案

<キーワード.2『公平性』>

<2.1 個人における『公平性』=NISAの生涯投資枠の設定>

該当ページ
PDF:P3
税制改正大綱(趣旨):P3-4 (条文):P23-26

(ビジネスチャンス)
銀行、証券会社、FP:生涯投資枠の活用コンサル、セミナーの開催

<2.2 個人における『公平性』=超富裕層への課税強化>

該当ページ
PDF:P5
税制改正大綱(趣旨):P14 (条文):P32

(ビジネスチャンス)
プライベートバンク、ウェルスマネジメント、税理士:該当者に対するタックスコンサルティング

<2.3 大企業における『公平性』=外形標準課税の基準追加>

該当ページ
PDF:P27
税制改正大綱(趣旨):P18  (条文):なし

(ビジネスチャンス)
現時点では詳細な基準が出ていないため、動けず。

<その他>

上記以外で目新しいのはインボイス制度の小規模事業者の負担軽減措置(PDF:P18)や、電子帳簿保存法の見直し(PDF:P21)などです。この辺りは別のメルマガでお伝えしておりますし、PDFにも詳細がありますのでご覧頂ければ幸いです。

(ビジネスチャンス)
会計システムベンダー、税理士:新制度に対応したシステムの提供、実際の処理の受託

あくまで私がパッと考えて出てきたビジネスアイデアです。正直言うと時間をかければもっといいものが出てくると思います。まさに税制改正はビジネスチャンスの宝庫だと思います。 
ぜひ税制改正を活用して、皆様のビジネスを飛躍させましょう!!


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