福島第一原発事故後の新規制基準に基づいて、原発が不適合とされる日が来そうだ。
7月24日の会見で覚悟を迫り続けた記者たち
ほぼ確実にそうなること(破砕帯のデータ改ざんが起きたときからそうすべきだった)が見えてきた時から、報道各社は毎週の記者会見で、毎回のように山中伸介原子力規制委員長に見解を尋ね続けた。
山中委員長「社長との意見交換」で「これを最後にしましょう」と
以下は、その一部に過ぎないが、7月24日の会見模様だけ貼り付けておきたい。
7月26日、日本原電幹部が粘り続けた審査会合
そして26日、午後に敦賀原発の審査会合が始まった(以下はその部分の頭出し)。
最終的なまとめで、敦賀原発2号機事業者である日本原電は、さらなる追加説明資料を提出したいと粘ったが、石渡明委員は「最終的な結論を出せるような段階に達していると考える」と告げて審査は終了。
原子力規制庁は「K断層の活動性と連続性について、設置許可基準規則第3条第3項に適合していると認められないと判断した」とまとめた。(以下動画は、最後のまとめから粘り、結論まで頭出し)。
7月26日審査会合の原子力規制庁によるまとめ資料2つは次の通り。
第1272回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合 当日作成資料:
「敦賀発電所2号炉K断層の活動性及び連続性についての基準適合性の確認結果」「敦賀発電所2号炉審議結果」
なお、ここで書かれている実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則 第3条第3項は以下の通り。たった一文、されど一文だ。
日本原電が自社で廃炉を判断した敦賀原発1号機に続いて、もやは、2号炉も廃炉せざるを得ない流れだ。記者たちは後戻りさせまいとでも言うように、原子力規制委員会の覚悟を迫り続けた。
余談 東海第二原発は?
なお、同社は4月と7月に詳述したように、東海第二原発では不良施工が発覚した防潮堤で、工事を設計から根本的にやり直すことになっている。
2024年4月19日
東海第二原発の防潮堤不良施工について:県議は、市議は、村議は、規制庁は2024年7月11日
東海第二 防潮堤は「やり直し」
茨城県の江尻議員が述べたように(4月19日で既報)、東海第二原発もまた「廃止すべき原発ではないか」と思うのだが、いずれによせ、今後、排出される巨大な原発ゴミ問題は、永遠の時を刻み始めることになる。
【タイトル画像】
2024年7月26日 原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合資料「敦賀発電所2号炉K断層の活動性及び連続性についての基準適合性の確認結果」より筆者作成