見出し画像

(1分読み)ユニバーサルデザイン(UD)の教科書87 Webサイトのダークパターン

Webサイトのダークパターン

ダークパターンにはいくつかの種類がありますが、以下はいくつかの一般的な例です

1.誤った情報の非表示(Misdirection)
重要な情報を見逃させるようにデザインされた要素があり、ユーザーが望ましくないアクションを起こす可能性があります。

2.強制連携(Forced Continuity)
ユーザーがサービスや製品に簡単にサインアップできるように見せかけ、実際には離脱が難しいように仕向けられる手法です。

3.逆説的なオプトアウト(Roach Motel)
ユーザーが簡単に登録できる一方アカウントの削除やサービスの中断が非常に難しい仕組みです。

4.急かす(Urgency)
タイムリミットや在庫の少なさなどの緊急感を駆使して、ユーザーに早急な行動を促す手法です。

5.デフォルトのオプトイン(Sneak into Basket)
購買プロセスでデフォルトで追加されたアイテムやオプションに気づかず、ユーザーが誤って追加されたものを購入してしまうことがあります。

6.追加料金の不透明性(Hidden Costs)
価格が初めに提示されたときには隠れた追加料金が不透明にされており、最終的な支払額が予測しにくいようになっています。

7.偽の社会的証明(Fake Social Proof)
製品やサービスに対する偽のレビューや評価を提示することで、ユーザーの信頼を引き出そうとする手法です。

8.連鎖リンク(Confirmshaming)
ポップアップやリンクが「キャンセルする」ボタンを小さくて目立たなくし、ユーザーが望ましくないアクションを取らざるを得ないように誘導する方法です。

9.ダークパターンの設定の非表示(Hidden Options)
重要な設定やオプションがデフォルトで非表示にされ、ユーザーが望ましくない設定で利用を続けるように仕向けられる手法です。

10.誤解を招く言葉遣い(Trick Questions)
意図的に誤解を招く言葉や質問が使用され、ユーザーが望ましくないオプションを選択する可能性が高まります。

これらの例は、ダークパターンが多様かつ巧妙な方法で実装されていることを示しています。良いユーザーエクスペリエンスを提供するためには、開発者やデザイナーは、透明性、誠実さ、そしてユーザーの利益を最優先に考えることが重要です。

ユーザーセンタードデザイン


ダークパターンの反対は通常「エクスペリエンスデザインの倫理的原則」や「ユーザーセンタードデザイン」と呼ばれます。これらのアプローチは、利用者の信頼性、透明性、そして利益を最優先に考えることを目指しています。

1.透明性の確保(Transparent Communication)
ユーザーに対して正確で明確な情報を提供し、製品やサービスに関する透明性を確保すること。

2.選択の自由(Freedom of Choice)
ユーザーには選択肢を提示し、自分の意志で望ましい選択を行う機会を与えること。

3.簡単な解約プロセス(Simple Cancellation)
ユーザーがサービスやメンバーシップを解約するプロセスを簡単かつ分かりやすく提供すること。

4.正確な価格表示(Clear Pricing)
隠れた料金なく、最初に提示された価格が最終価格であることを保証すること。

5.誤解を招かない言葉遣い(Clear Language)
ユーザーが誤解しにくい言葉遣いを使用し、情報の正確性を保つこと。

6.選択の確認(Confirmation of Choices)
重要な決定や購入の前に、ユーザーに最終的な確認を求めること。

7.正確な社会的証明(Authentic Social Proof)
製品やサービスに対する真実なレビューや評価を提示すること。

8.利用者中心のデザイン(User-Centric Design)
ユーザーの利便性や期待に合わせたデザインを提供し、使いやすさを最優先に考えること。

9.オプトアウトの簡易化(Easy Opt-Out)
ユーザーには簡単かつ迅速にオプトアウトするオプションを提供し、選択の自由を尊重すること。

10.長期的な価値の提供(Long-Term Value)
ユーザーに対して短期的な利益ではなく、長期的な価値を提供することに焦点を当てること。

これらのアプローチは、良いユーザーエクスペリエンスと倫理的なビジネス慣行を強調しています。

ダークパターンとユーザーセンタードデザインの間のグレーな例


1. デフォルトのオプトインの表現
ユーザーセンタードデザインの一環として、特定の機能やニュースレターに対するオプトインがデフォルトで有効になっていることがありますが、これが透明かつ分かりやすく提示されない場合、ダークパターンとなります。

2. インタラクションの促進
ユーザーセンタードデザインにおいては、ユーザーとの積極的な対話が大切ですが、これが過度になり、ユーザーに圧迫感を与える場合、ダークパターンの可能性があります。

3.プッシュ通知の適切な利用
ユーザーセンタードデザインでは重要な情報を伝える手段としてプッシュ通知が利用されますが、過度な頻度や不要な通知が増えると、ユーザーにとっては優れたエクスペリエンスではなくなります。

4.自動的なアカウント生成
ユーザーセンタードデザインにおいて、新規ユーザーに利便性を提供するためにアカウントを自動的に生成することがありますが、これが十分に説明されず、ユーザーが気づかないままになると、ダークパターンとなります。

5. ダークパターンのテスト
あるデザインがユーザーセンタードかどうかをテストするために、ダークパターンを利用すること。これはユーザーセンタードデザインの原則に反します。

6.デフォルトのオプションの変更
ユーザーセンタードデザインでは、デフォルトの設定がユーザーの期待に合ったものであるべきですが、これが無断で変更されると、ユーザーに混乱や不満を引き起こす可能性があります。

7. トラッキングの透明性
ユーザーセンタードデザインではトラッキングが透明かつ許可されたものであるべきですが、これが不透明であったり、設定が分かりにくい場合、ダークパターンと見なされる可能性があります。

8. 隠された利用規約変更
利用規約やプライバシーポリシーの変更がユーザーセンタードな方法で提示されない場合、ユーザーは自分のデータがどのように扱われているか理解できず、ダークパターンに陥ります。

9.適切なデータ収集
ユーザーセンタードデザインではデータの収集はユーザーの利益のために行われるべきですが、これが過剰で不要なデータが収集されている場合、ユーザーはプライバシーに対する不安を感じる可能性があります。

10.変更通知の不足
ユーザーセンタードデザインでは、変更やアップデートが行われる際にはユーザーに通知することが大切ですが、これが怠られると、ユーザーが困惑することがあります。

ユーザーのニーズや期待に焦点を当て、良いユーザーエクスペリエンスを提供するための重要なアプローチがユーザーセンタードデザインです。透明性と利便性を最優先に考え、ユーザーとのコミュニケーションを重視することで、信頼性を築いていきたいものです。


Think Universality.

Think Difference.


m.m

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?