猫のこと…近所の猫の死
近所に人懐っこくておとなしい三毛猫がいた。
最後に会ったのは4月の頭ぐらいで、その時触ったら毛に艶がなくバザバサしていたので、
「もしかしてもう長くないかな」
と思っていた。
それから、何かにつけてその道を通っていた。
飼われてる猫だったが、普段は家の前にいたり、駐車スペースで寝ていた。
4月の中旬ぐらいから、その姿を見かけなくなった。暖かい気候になって来たし、いつもぼーっとしてるあの子には最高の気候だろうと思ってたが、どこにも見当たらない。
先日、その家のおばさんが外で掃除をしていたので話しかけると、やはり猫はもう死んでしまったとの事だった。
なかなかに長生きし、寿命で息を引き取ったというのもあり、おばさんも明るかった。
そのおばさんとは話した事がなかったが、僕がよくその猫を構っていた事を知っていた。
「すいません」
というと、
「可愛がってくれる人がいたから、あの子は長生き出来たのよ」
と言ってくれた。
4月の頭に撮った写真があったので、おばさんに見せる事にした。
さっきまで明るかったおばさんが、ほろほろと、泣き出した。
「ごめんなさい!」
と言ったら、おばさんは、
「こんなに可愛かったっけ?やっぱりこの子が一番かわいいよねぇ。かわいく撮ってくれてありがとう」
と泣きながら笑って言っていた。
おばさんは携帯を持ってなかったので、写真をあげる事は出来なかった。
次の日コンビニで、おばさんに見せた写真ともっとかわいく撮れてる三毛猫の写真をプリントし、おばさんに渡しに行った。
留守だったのでポストに入れておいたけど、おばさんは気づいただろうか。
三毛猫は、おばさんの中で生き続けるのだ。
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