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実在するパーソナルスタイリストの失敗事例

日々色んなお客様と接していると、ファッションコンサルやショッピング同行を他のサロンで受けたことがある方とも出会います。

そういった機会にしばしば、他所のパーソナルスタイリスト、イメージコンサルタントの「ここがあんまりだった…」という話を聞くんですね。

お客様のリアルな声はとても貴重なので、自分も同じことをしてしまっていないか毎回我が身を振り返る機会にしています。

この記事では、過去にお客様から聞いたいくつかのエピソードを「失敗事例」として共有したいと思います。反面教師にしていただければ。

お客様にとって現実的ではない提案をするパーソナルスタイリスト

わたしたちパーソナルスタイリスト、イメージコンサルタントに求められるのは、お客様一人ひとりのお悩み・要望に沿った「パーソナルな提案」です。

そしてこの提案は、お客様がすぐに日常に取り入れられたり実践できる現実的なものでなければ意味がありません。

あるお客様からこんな言葉を聞きました。

「以前受けたサロンでおすすめコーデを送ってもらったんだけど、海外モデルのコーディネートばかりで参考にならなかったのよ」

雑誌やブランドによっては海外モデルが普通に起用されているので、モデルが日本人か外国人かをそこまで気にしたことなかったなぁと、お客様の言葉を聞いて思ったのですが

・自分が着たときのイメージがわかない
・海外では馴染んでも、日本で(特に地方で)着たら目立ちすぎてしまう気がする

そんな理由で「リアルではない。取り入れづらい」と感じられたそう。海外モデルの出ている雑誌や写真を見て服を選ぶことを普段しない人には、なかなか現実的に感じられないようです。

装いの提案をする上で、お客様の居住エリアは抑えておきたい要素のひとつ。田舎住まいなので目立ちすぎるコーディネートはちょっと、、と思われる方は少なくありません。周りを気にするタイプか否かによって、提案内容が変わってくる部分です。

お客様の求めているものは「自分にとって現実的なアドバイス」だと改めて感じた出来事でした。

買い物同行で失敗するパーソナルスタイリスト

続いて、お買い物同行での失敗ケースを。

「提案してもらった服がフォーマル過ぎて着ていく場所がない」

この手の話は何度か聞いたことがありますね。

「ちょっとしたパーティーに着ていけますよ♡」と薦められたそうなんですが、ちょっとしたパーティーなんてないと仰っていました...(わたしもないです 笑)

上記の提案をされた方のホームページなど見てみましたが、その方自身はちょっとしたパーティーによく行かれてそうなキラキラした感じでした 笑

ここでも、お客様基準ではなく自分基準で提案されていることがわかりますよね。

また、提案アイテムにパーソナルスタイリストの好みが強く反映されているケースにも度々遭遇します。

あるお客様のワードローブチェックをさせていただいた際に、明らかにお客様の好みとは思えない浮いているアイテムがいくつかあったので聞いてみたことがあります。

わたし「この服ってご自身で選ばれたものですか?」
お客様「いえ。似合うって言われて買ったんですけど着ていなくて…」

確かに似合うアイテムではあるけれど、お客様の手持ち服とは合わないし、好みでもないテイスト。登場機会はないだろうなと思ったら予想通りの答えが返ってきました。

「お金を払ってサービスを受けて着ない服を買う」なんてお金も時間も無駄でしかありません。。。お客様を不幸にしないよう、提供するサービスには責任を持ちたいものです。

同業者の失敗から学ぶべきこと

紹介したエピソードはすべて「お客様理解の不足」が原因で起こることです。自分目線の提案になってしまってるんですよね。

各協会が開いている認定講座のカリキュラムのメインは正しい診断技術を身につけることなので、接客について深く学べる機会はほとんどありません。診断スキルのレベルは一律でも、提案力やカウンセリング力には個人差がかなりあるとお客様の話を聞いていて感じます。

「お客様の声・悩みによくよく耳を傾けて、今よりも素敵に、でもリアルに挑戦できる距離感のアイテムやコーディネート提案をする」。当たり前だけど大事なことを、大切にしていきたいです。

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