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らせん階段の踊り場を走り続けられるか

楽器が上手くなるというのは、らせん階段を登るようなものだ。
始めは、ただ登れば、その分レベルも上がる。
でもレベル5まで到達すると、踊り場に着く。そこでは、同じ場所を5周くらいしないと、次の階段には行けない。
レベル10まで行くと、次の踊り場では、10周しないと次の階段に行けない。
踊り場で諦めずに走り続けることで、高みに行ける。

一言一句記憶しているわけではないですが、上記のようなことを大学のサークルで、OBの方から教えてもらいました。
大学1、2年生のころ、モダンジャズソサエティ(ジャズ研)という少人数でジャズを演奏するサークルに私は入っていました。普通の4大でしたが、そのサークルは厳しくも有名なサークルで、プロミュージシャンを何人も排出し、数年に一度アメリカのバークリー音楽大学に行く人もいました。
年に数回、有名なプロミュージシャンとお酒を酌み交わす機会があり、上記のような話をたくさん聞きました。その中で一番印象に残っているのが、らせん階段の話でした。

ジャズ研のOBに教えてもらった「らせん階段の理論」は、楽器だけではなく、仕事にも大いに当てはまると思います。

私は2度ほど転職し、いまは3つ目の会社で仕事をしています。2つ目の会社で仕事をしているとき、オンラインで大学院にも通いました。
振り返ってみると、1つ目の会社ではらせん階段の踊り場を経験することはなかったです。1つ目の仕事は、やればやるほど伸びる環境で、自分自身の余白もたくさんあったんだと思います。とにかく毎日が楽しかったですし、自分自身も相当生意気だったなぁと思います。2年2ヶ月ほど働いて、転職をしました。
2つ目の会社も、初めの1年くらいは踊り場を経験しないまま、新しい業界での知識・経験の獲得を楽しんでいました。1年経ったころ、踊り場は突然やってきます。

(参照:ペンローズの階段 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%81%AE%E9%9A%8E%E6%AE%B5

それは、エッシャーが描いたことでも有名な、ペンローズの階段を走っているようでした。
突然成長ができなくなったわたしは、転職を考えます。1年しか働いていないのに。ただ、転職を繰り替えずだけは何も成長につながらないと考え直し、ペンローズの階段を走りながら、オンライン大学院に入学して二足のわらじを履くことにしました。
仕事と大学院の両立をしながら藻掻いていると、踊り場(ペンローズの階段)を気づいたら抜けていました。らせん階段を再び登れるようになりました。

ここで改めて、冒頭の言葉を振り返ってみます。

レベル5まで到達すると、踊り場に着く。そこでは、同じ場所を5周くらいしないと、次の階段には行けない。
レベル10まで行くと、次の踊り場では、10周しないと次の階段に行けない。

1つ目の会社のときも、踊り場があったかもしれないのですが、踊り場で走らないといけない距離が短すぎて、踊り場に存在に気づいてなかったんだと思います。
2つ目の会社のときは、踊り場で走るべき距離がとても長かったことを最近になって気づきました。そのとき、たまたまオンライン大学院で長く速く走る方法を習得することができて、その踊り場を突破することができたんだと思います。

大学院も卒業し、現在3つ目の会社で仕事をしています。未だに、踊り場(ペンローズの階段)を20周くらい走らないと「あ、これはいま踊り場を走っているんだ・・・」と気づくことはできません。
踊り場にいることを気づいかないときは、精神的にきついです。

大学のOBから教えてもらった言葉をたまに思い出しては、仕事はらせん階段と踊り場(ペンローズの階段)で構成されていることを意識するようにしています。

話を少しだけまとめると、
・仕事はらせん階段と踊り場がある
・若い頃の踊り場は一瞬で気づかないこともある
・歳を重ね、経験を得ると、踊り場での周回回数が増える
・踊り場が長いとき、新しい走り方(スキル)を身につける必要がある
ということかなぁと思います。

昨日、10年ぶりにジャズ研の友人とZoom飲み(飲んでないけど)をして、思い出したので、noteにまとめてみました。

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