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令和に蘇った、ある種の『青春の蹉跌』

娘に薦められて鑑賞。ドキュメンタリーという手法と、『桐島』的構造と、ひっくるめてのお笑いという、見応えある"作品"。

最近観た映画の中でも、圧倒的にあっという間の2時間だった。

学校や会社といった大きなコミュニティでは、人との関係を紡ぐ中で、さらに細分化されたコミュニティが発生する。そのコミュニティは、特別な存在にならんことに自覚的で、他者を排他することによりブランディングしていく。

そして多くの場合、そのコミュニティの周辺には、そのコミュニティを忌避する個が必ず存在し、また、対抗勢力となるべく立ち上がるコミュニティも発生する。

そんな場のあり様は、当事者にとっては当たり前の日常ではあってもコンテンツとして顕在化させるのは難しい。それを可能にするのがドキュメンタリーという手法だが、その生々しさに揶揄という名のスパイスを振りかけ、全体像を炙り出しながら笑いに落とし込むこの映画の演出は、セミノンフィクションな視聴体験としてかなり高度だと思った。 

そしてなんといっても、ニューヨーク屋敷さんの"証言"を引き出す手腕が見事。刑事か!と突っ込みたくなるこの美味さは、ロンブー淳さん以来じゃないかしら。

……青春ノリって、事後のエンタメとしては大概美しい風景として描かれるけど、その実イタイもんですよね。そのイタさを前提とした、稀有な逸品。

#ザエレクトリカルパレーズ
#エレパレ

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