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分業化、専任化、無責任化(3)

いつも読んでいただきありがとうございます。

この二回のコラムで

①自己肯定感が低い世代は早く認められたい。だから分業化。

②好きで得意な仕事だけをやりたい。だから専任化。

そんな事を書いてきました。

今回は「無責任化」です。

コロナが明けて世の中が落ち着いて来たかと思いましたが、逆に会社では多くの人材が辞める傾向が続いています。

特に多くの若者が今の仕事を転職する動機になっている三つの「過ぎる」があります。

①仕事で一人前になるのに時間がかかり過ぎる

②任される作業の種類がたくさん過ぎる

③責任が重過ぎる

若手人材の想いはこの3つの「過ぎる」が無い職場で仕事をしたいようです。

ですから現在私が関わっている美容室や着物専門店などでは、若手でも楽しくやりがいを持って働いていただけるよう、仕事の構造を改革しています。

その改革テーマが

1.分業化

2.専任化

3.無責任化

です。このテーマを3回にわたって解説しています。

3.「無責任化」

タイトルを見てぎょっとされた方も多いかと思います。

無責任を推奨するなんて、なんと非常識な事を言うんだろうと。

しかし現実的には現代の若者はストレス耐性が落ちてきているのは現実で、責任のある仕事や役職を目指そうとは思わなくなっているのは事実なようです。

ところで会社勤めをする上での最大の責任は「売上」でしょう。

とくにこの「売上」とう言う責任に追われることを苦手とする若者が増えている気がします。

ですからこの「売上」をゴールとする責任の持たせ方を変えることが求められているようです。

そこで船井総研のコンサル先で取り組んでいる2つの考え方をご紹介します。

<「資格」を目標にすることで無責任化>

売上目標があった方がモチベーションにつながるのは事実です。

しかし逆に売上目標に追われてストレスを感じてしまい退職する傾向も増えています。

ですから船井総研ではそのストレスを軽減する取り組みとして、呉服店や美容室で「売上」を目標にするのではなく、「資格」を目標にするキャリア制度を作る取り組みを行っています。

その呉服店や美容室では社員が入社すると売り上げを目標とするのではなく、「スタイリスト」の資格を取得する事を目標にします。

「スタイリスト」の資格を取るためには必要な技術力を習得し、お客様を増やし、そして売上も必要となります。

「なんだ、結局売上目標じゃないの?」と思わないでください。

若者にとっては「売上」がゴールの仕事「資格」がゴールの仕事では全く意味が違うのです。

特に自己肯定感の低い若者にとって、「売上」と言う目安で自分の価値を測られるより、「資格」と言う目安で自分の価値を測られる方が納得性が高いからなのです。

<ワンチーム営業で無責任化>

会社員にとって個人に売上責任が乗っかる事は私たち昭和世代では当たり前のことですよね。

しかし、この個人売上という責任の持たせ方も若者にとってはストレスになっているようです。

ですから船井総研のお付き合い先の呉服店では「ワンチーム営業」を進めています。

呉服店で取り組んでいる「ワンチーム営業」とはシンプルに売り上げを作るための集客や販売を分業化することです。

今まで呉服店では集客も販売も一人のスタッフが行うのが常識でした。

当然、そのゴールとなる売り上げもその一人のスタッフが責任を負う事になります。

しかしそれらを分業化して集客業務だけをするマーケティングチームと、販売業務だけをするセールスチームと言う専任チーム化を進めています。

これにより集客をするマーケティングチームは「売上」に対して無責任に集客業務を行う事が出来るようになり、集客業務に集中できて爆発的に集客数が増える結果になっています。

また、販売をするセールススチームは「集客」に対して無責任になれるので販売業務に集中できて爆発的に売り上げも伸びると言う良い結果を生んでいます。

この集客チームと販売チームが「ワンチーム」となり売り上げを作るスタイルがこれからの呉服店の主流になるでしょう。

そしてこの「ワンチーム営業」と同じことが美容室でも起こっています。

美容室では店販売上(商品販売)が多いお店と少ないお店があります。

この違いは美容室に店販商品販売)を専任とする「レセプショニスト」がいるかどうかなのです。

つい美容師に商品を販売させようとしますが、実際は多くの美容師が売上責任を重く感じてしまい難しいようです。

そこで美容師にはあくまで「商品紹介」までにさせて、「販売」には無責任にしてあげる方が良いのです。

そして商品説明やクロージングは商品販売を専任とする「レセプショニンスト」が行うように「ワンチーム」で販売を行うのです。

そして何より近年の商品販売にはお客様の「共感」を引き出すことが不可欠。

ですから美容師はつとめてお客様に寄り添って「共感」を引き出し、レセプショニストが売り手として「安心」を感じてもらうと言うチームプレイでの販売が求められているのです。

責任にストレスを感じやすい現代人を戦力にするためには①分業化②専任化を進め、「ワンチーム営業」をすることで売り上げと言うストレスから③無責任化してあげると言う事が大切だと言う3回に渡ってのお話しでした。

ありがとうございました。

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