誇り
災害があるたびに被災者の方々が混乱することなく、整然と支援物資を配る列に並んでいる様子が映し出されます。
極限状態にあっても守られているこの律儀さ、礼節はどこからくるのでしょう。
日常目にする当たり前の光景にもそれを感じることができます。
最近流行りのさまざまな物品の無人店舗。
店員の目が届かない店舗の外に置かれている大量の品々。
人通りの少ない場所に置かれている自動販売機。
交番や駅に届けられるお金が入ったままの財布。
などなど。
何故黙って持っていかないのか?
外国では成り立たないと聞きました。
国によっては自動販売機はそのまま持っていかれるとも。
最近、新宿あたりの自動販売機には移動できないように頑丈な「鍵」が付けられているのはそのせいかもしれません。
一方、私が住んだことがある、ある国での光景。
バス停で。
先に乗ろうと、まだ止まっていないバスのドアに我がちにしがみつく人たち。
駅の切符売り場や飛行場のカウンタで。
やっとの思いで一番前に辿り着いても、あちこちから伸びてくる手、手、手。
コンピュータショウで。
無料で配布される紙袋に殺到する人々。
その国の人が日本に来たときに言っていたこと。
「日本は治安が良いと聞いたので、街のいたるところに警官が立っているのかと思った」
この違いを生んでいるのは何でしょう?
教育? 歴史? 民族性?
いや、「人としての誇り」かな。