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冷戦

私の毎晩の楽しみは北米のプロアイスホッケーリーグの試合を観ることです。

と書いても、日本ではほとんど馴染みのないアイスホッケーですから、ほとんどの方にとっては「ふぅ~ん、それで?」という感じでしょうね。
それはさておき、このリーグには現在32チームあります。

そのうちのワシントンに本拠を置くチームのキャプテンはロシア人です。

これも「ふぅ~ん、それで?」かもしれませんね。
しかし、「東西冷戦」時代を知る私にとってはとても大きな驚きなのです。

西の資本主義国家と東の社会主義国家が対立し、世界を二分していた「冷戦」。
その中心にあったのがアメリカとソビエト(ソ連)だったので、「米ソ冷戦」とも呼ばれていました。
「ソビエト社会主義共和国」はロシア共和国、ウクライナ共和国、アルメニア共和国など約15の共和国からなっていました。

緊張はしているけど、実際に戦火を交えることがないので「冷戦」と呼ばれていました。
一触即発の緊張に、この冷戦が早く終わって欲しい、と誰もが願っていました。

それが、1990年頃にこのソビエトが崩壊し、それまでソビエトを構成していた共和国がそれぞれ国になりました。
また、ドイツを西と東の二つに分断していたベルリンの壁も崩壊しました。
ドイツは冷戦時代には資本主義の西ドイツと社会主義の東ドイツという二つの国だったのです。

この緊張を知っている者にとっては、スポーツの世界とはいえ、ソビエト人がアメリカのチームのキャプテンを務めるなど、想像もつかなかったことなのです。

ソビエトや東西ドイツ以外の多くの国で変革が起こり、ようやく東西対立が終わるように思えました。

しかし、実際はどうでしょう?
「冷戦」どころか実際に戦火を交える戦争や紛争が新たに起こったり激化したりしています。

時代が進めば人類の知恵と技術が進歩するものと思っていました。
しかし、そのいずれもが戦いに使われています。
技術は確かに進歩したでしょう。

しかし、「知恵」はどうなのでしょう?