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落とし噺の話【六代目・三遊亭圓生】

【六代目三遊亭圓生】
何度となく観に行き、たくさんの思い出のある圓生。
その芸について私が軽々しく語ることはできません。
そうそうたる顔ぶれの落語会でも必ずトリを務めていた圓生。

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多くの思い出の中で特に印象に残っていること二つ。
一つは歌舞伎座での独演会。
1979年(昭和54年)3月のことでした。
歌舞伎座で独演会を開いた最初の噺家。
演目は、開口一番に「首屋」、休憩後中入前に「怪談・乳房榎」、中入り後には中村勘三郎との対談、そして、締めは「掛取万歳」。
「乳房榎」では、落語では珍しく、立ち上がって回り舞台を千鳥足で歩く演出も。

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もう一つは「圓生 江戸ばなし」。
二席の噺に加えて、随談「江戸散歩」。
1978年(昭和53年)2月15日。
これは「江戸散歩」という本の出版記念に開かれた会でした。
圓生自身の思い出に残る江戸を思いのままに語る「随談」。
普段の高座では聴くことのできない自由な語り口が噺以上に(?)楽しかったのを覚えています。

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そして、突然の死。
1979年(昭和54年)9月3日。
その日は圓生79歳の誕生日でした。

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