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ハイチ出身の移民兄弟MadeisyとMichaelに再会!インタビュー 


 再会!
 コロンビアで出会ったハイチ出身の兄弟マデイシー(Madeisy)とミチャエル(Michael)にメキシコで再開しました!


 今年3月3日コロンビアのNecocliという小さな村のボート乗り場で出会った時よりもミチャエルは身長が驚くほど伸びていて、旅の途中で誕生日を迎えて皆んなに祝って貰えたことが嬉しかったと言っていました。


 言葉だけで“不法移民”と聞くと、なんだか闇の組織の怪しい人々というイメージがありますが、こうして知り合って話をすると実際は色んな人々がいることが分かります。

Madeisyにダリエンジャングルの旅はどうだったか聴きました。

”muy emocionante, importante y dificil para nosotoros“
「とてもエキサイティングで重要なそして厳しい旅でした」
 と言い達成感を滲ませながら、
 「生きてジャングルから出てくるには皆で分かち合い、協力し合わなければならないという事を学びました」と言います。

 「私達は人生で何かを成し遂げたい、達成したいゴールがあります。だから恐ろしい経験をしないといけないとしても、それだけの価値があります。
  神への信仰心があったから生き残ることができました。
  ジャングルの中では、沢山の女性がレイプされたり、全員が強盗に会いましたし、命を落とす人もいました。それでも私達は前に進み続けます」

 彼女は、とても前向きで明るい少女です。彼女に会った人は皆彼女のひたむきさに惹かれることだと思います。
 彼女には夢があって、一つは小児科医になること。
 もう一つはフライトアテンダントです。
 どちらか一つではなく、両方達成するそうです。

 自分の夢に向かってただ前に進むのみ。
 旅の途中で困難にあった時どんな事を考えましたかと聞くと、
 「只々、目的地に着くことだけを、前に進む事だけを考えていました」と。

 自由の国アメリカは自分達に新たなチャンスを与えてくれる国。家族で夢の国に向かっての冒険をしている感覚なのでしょう。

 移民達は密入国を斡旋してくれる業者にお金を払って北上しますが、ジャングルに入っていく前はその危険性など知らされておらずちょっとした森に入っていく気分でいます。
 案の定二人の兄弟もその先に何が待ち受けているのか全く分からなかったと言います。

 弟のMichaelは
「野生動物に食べられないか怖かった。でも、ジャングルでは動物の声は聞いたけど姿は見なかったから良かった。
 もしこれからジャングルに入っていく人がいるとしたら彼らに沢山の食べ物とビタミンサプリメントを持っていく様に言いたい。山を越えるのが大変で、お腹もとても空いてるし、あまりの険しさにもう一歩も前に進みたくなくてそのままそこで座ってこの世とさらばしたくなる様な気持ちになるから」と振り返りました。

 インタビュー中、ジャングルでの経験を思い出させてしまったからか俯きがちになったので、話題を変えて、どうやって強い意志を持ち続けられたのか等聞くと、信仰心が大事だと教えてくれました。
 コロンビアで会話した時も、通訳アプリを使って彼女はこう言っていました。

 “Dios me cuidara”
   神が私を守ってくれる

 彼女はとても信仰心の強い女の子です。

 コロンビアでMichaelが着ていた服もとても素敵でした。

 “Everybody has someone in heaven that inspires them to keep up moving on”

 誰でも天国には自分を奮い立たせてくれる人がいる

 Michaelに夢を聞くと
 「お母さんとおばあちゃんにお家を建ててあげること、そのあとは神が自分にして欲しい事をする」

 素朴なこの少年がとても可愛く見えました。

 この兄弟があのジャングルを生き抜いて来れた事はとても嬉しく、大きな怪我もせずに無事で良かったなと純粋に思います。でも、彼らの様な子供達、赤ん坊も含めて多くの人がこの旅で命を落としている現実もあります。
 それは、彼ら移民達に国境を解放する政策がアメリカにあるからです。

 また、ほとんどの移民は本来の“亡命”申請をする資格のある境遇にはありません。
 これが見落とされがちですが、とても重要です。
 経済的な困難だけではアメリカに亡命はできません。
 亡命とは、自国の政府によって政治的または宗教的な理由で迫害された場合に、危険な地域から脱出して到着した“最初の国”で亡命申請をする決まりがあります。

 南米のチリ、ボリビア、ブラジル、エクアドル、コロンビア、パナマ、コスタリカ、ニカラグア、ホンジュラス、グアテマラ、メキシコと北上する移民達は、アメリカに到着する前に途中それらの国で数年生活していた人が大多数なのです。
 それらの国で生活が出来ていたのにも関わらず、今アメリカを目指す人々というのは、新政権バイデン大統領となり門戸が開いたが為に、主により良い生活がしたいという経済的な理由で更なる北上を決めるのです。
 こうなると“亡命申請も通らない可哀想な移民”というメディアが作り上げた人道支援のイメージ違って見えてくるでしょう。
 もちろんトランプ政権の間も不法移民問題はありましたが、1月20のバイデン大統領就任以来爆発的に数が増え、その旅のと中でどんどん多くの人達が命を落としている。
 つまり不法移民受け入れ政策が即人道支援に繋がるとは言えない事が分かります。

 私達は今回の調査をしMadeisyと素晴らしい出会いをしました。決して彼女らの不法な行為を支援はしませんが、彼女の様な純粋な子供達が幸せな人生を送れる世の中になって欲しいと只々願います。
 
 

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