定頸の大切さ

こんにちは。これは昨年書いて、放置していた記事です。

せっかくなのでシェアさせていただきますね。


私は、訪問看護のリハビリテーションで

重度の疾患をお持ちのお子さんの摂食指導を経験しました。


また現在は、

ダウン症専門のディサービスで

早い赤ちゃんは、生後3ヶ月の哺乳指導

抱っこ指導からサポートさせていただいてます。

今、コロナウィルスの感染拡大の問題が出てからは

オンラインにて、個別で離乳食指導も対応しています。


さて、私たち専門職は、本当になんでもしってるのか?という問題です。

私ば、元保育士を六年間していて

その後、STになりたくて

大学に通い、小児専門のSTとなりました。


子どもも三人出産し

育児経験も比較的多いと思います。

でも、自分の育児で、色々と悩む事がありました。

それは、長女が反り返りが強い子であり

やや、定頸も遅かった事。

ハイハイをしてるときに

左右アンバランスった事。

長女の足裏の変なところに水膨れができたこと。

10ヶ月検診で、「つまむ」という指先の活動ができなかったこと。

指差しよりも先に、カラスを見て「ワンワン」と言ったこと。


育児書通りにいかない我が子の育児を経験しましたが

そのときに、誰に相談したらいいのか?

そもそも、相談するほどのことなのか?

小児科のドクターに話をしても

笑われるだけで

新米の育児をしてた時代 本当に大変でした。


さて、今日は、頸坐りのために

親がすべきこと

してはならないことについて書かせていただきます。


コロナウィルスのおかげで

オンラインで講座が受講できたりする中で

STやOT、PTは

ある意味、健常児の発達を知らない、、、、、

この事が大きな問題だと気づきました。

障害のあるお子さんばかりを見ていては

間違った方向に行ってしまいます。

京都大学の明和先生が

「赤ちゃん学は、多分にエビデンスがないものが多すぎる」と

話されてました。


本当にそうなのです。

STが読む、小児の摂食指導の専門書であっても

研究をされている対象は

脳性麻痺のお子さんなどの話の蓄積。

脳性麻痺のお子さんの発達だけを見ていては、

大事なことを見落とします。

特にダウン症は、ダウン症の特性を理解してる必要がありますし

何よりも「脳性麻痺」ではないのですよね。

これが見落とされたりすることがあります。


実は、最近、動画配信を

たくさんの方がされてますが

専門職であっても

「間違った情報を発信してる」ことがあるこのもあります。


今日、「定頸」について書こうと思ったのは

専門職の立場なのに、

「定頸は、親が過保護に育ててて

赤ちゃんの首をいつも支えてるから定頸が遅い」という

根拠もエビデンスもなく

さらにいえば、とても危険なお話を堂々と言われた方がいらっしゃったからです。

そして

聞いていた、またまた専門職の方が

「そうなんですね!」と鵜呑みにして聞いていた事に

このオンラインの時代であり

さらに情報を鵜呑みにしてしまう方がいることに

危険性を感じたからです。


1)赤ちゃんの頸は大切

新生児のとき、赤ちゃんは頸が座ってません。

頸が座らない状態というのは

まだ、頸を支える筋肉が育っていないだけでなく

頸椎をつなげている第二頸椎の「歯突起」が短い状態です。

だから、親は、頸が座るまでは、頸を丁寧に支えてあげること。

そうしないと

頸椎を痛めてしまいます。

一応、健診で「定頸をしてる」と言われても

「頸カックン」状態での抱っこなどをしていると

頸椎がずれてしまうし、あごを引く筋肉、

飲み込むための筋肉、

そして舌の筋肉をちゃんと使える姿勢が育ちません。

だから、一歳になるまでは、

頸は、本当に大事に育てる必要があります。


しかし、若いお母さんや、育児経験のない方

「頸は鍛えたら早く座る」と信じてる方がいらっしゃいます。

そして

その頸を鍛える方法も

「正しい頸の育て方」をしていただきたいのですが

実は間違ってるんです。


実際の定型の赤ちゃんの発達を十分に学んでおらず

スパルタ的に

「早くから縦抱きをすること」

「ソファなどで座らせる練習をすること」

それで

「鍛えられる」と信じてられたりします。

私の子育てのときも

知り合いのママ友が

「早く頸を座らせる!」といって

2ヶ月くらいから、ソファーに一定時間すわらせて

首を「鍛えて」られました。


とっても太った赤ちゃんだったので

お肉で2ヶ月には「定頸」となってましたが

???です。

ただ、肉が多いから、グラグラしないだけであって

機能的に頸は座らせるってなかったのに、、、です。


「頸の筋肉が弱い」

この状態で、将来的にも、とても重い頭を支える力を

丁寧に育てていく必要があります。

そうでないと

この頸椎の問題は、

哺乳、姿勢、運動発達、咀嚼、嚥下の機能に大きく

関与してきてしまいます


先ほどの、「無理やりソファーに座らせて

見かけてきには早く頸が座った赤ちゃん」はその後、 

どうなったと思いますか?


その赤ちゃんは、

床にゴロンと寝かせられる時間が少なく

座らせられてる事が多かったので

その後、「うつ伏せ」が大嫌いになりました。

そして「うつ伏せ」をしないということは

「ズリバイもハイハイもしない」という事になりました。

でも、動きたい時期になります。

赤ちゃんは泣きます。


さあ、ご両親はどうしたでしょう?



「歩行器に入れる」という事になりました。



2)頸の育て方

さて、無理やりに座らせること。

これでは、頸の筋肉は育ちません。

赤ちゃんが頸の筋肉が育ってないときに

無理に頭を支えることの大変さを理解していただくために

私は、セミナーで

5キロ(本当は10キロにしたい)のものを頭の上において

セミナーを聞いてもらいます。

もう数分で、辛くなってきます。

頭の重さを支えられる

頸の筋肉を育てるためには

適切な方法で育てる必要があります


その方法は、スパルタではありません。

スパルタですると、頚椎のアライメントは崩れてしまい

崩れたものは、戻せません。


それは、

縦の姿勢をさせてたら育つ

鍛えるために、支えない!

そんな体育会系のやり方ではありません


いかに赤ちゃんの首を守るか。

そこをお伝えします。


赤ちゃんの一生に影響をします。


では、どうするのか?

1、抱き上げる時に頭を落とさないように丁寧に抱き上げましょう

(後で動画を貼り付けます)

2、頸が座ってない時期は、縦抱きの時間は減らしましょう。

→縦抱きを20分以上したあとは、丸くなる姿勢で顎を引いて

首の後ろの筋肉を緩めましょう。

3、寝床は、赤ちゃんが落ち着く姿勢、口を閉じて鼻呼吸できるように

整えてあげましょう。

4、赤ちゃんを抱っこして視線を合わせて話しかけましょう。


5、光るもの、音に反応するので、音を追っ掛けて

首を左右に動かす練習をしましょう。


6、首を回してしっかり追っかけられるようになったら、目だけ動かすように誘導していきましょう。

→首すわりには、首の前側の屈筋と後ろ側の伸筋。両方の力がバランスよく育つことが必要。そして、目と首が分離して動かせるようになると首はしっかりしてきます。

6、赤ちゃんと向き合って、目を合わせる練習をしましょう

→怖がる赤ちゃんもいるので短時間から。

7、2ヶ月くらいになったら、うつ伏せで過ごす時間を増やしましょう。その時も、胸の下にタオルを丸めて置いて首が反らないように気をつけて。

(必ず目を離さないでください)

8、抱っこでお散歩をして、赤ちゃんの首を優しく支えながら

赤ちゃんが自分で首を動かすのを応援してあげましょう

9、哺乳は抱っこで。床に寝転ばせたままでは、嚥下運動ができないので、しっかり哺乳の時から、体をたてて首をまっすぐ、または、少し顎を引いて、嚥下ができるようにしてください。また哺乳瓶の場合は、左右バランスよく交互に飲ませてあげてくださいね。


とりあえず、今日はここまでです。次回は気長にお待ちください。





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