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近所のおじさん

家の網戸がボロボロになってしまって、近所のおじさんに張り替えてもらった。

トイレのドアの建付けが悪くなったときも、自転車のタイヤがパンクしたときも、母は業者よりもまず先にそのおじさんに頼みに行く。

おじさんはうちだけでなく、近所の人皆から頼りにされて、町内専属の何でも屋さんみたいになっている。

今朝、そのおじさんが家に来たときに顔を合わせたので、感謝の気持ちを伝えると、おじさんは仏様のように優しく笑った。

「おかげさまで長生きさせてもらってます」

孫くらい年の離れた私に対して、おじさんは丁寧な言葉で返してくれた。

80代のおじさんは、そうは見えないくらい姿勢が良いしフットワークも軽い。

おじさんにとって皆から頼られることは、ボケ防止になってありがたいことなのだと話していた。

表情も、声色も、醸し出す雰囲気も、なにもかもが温かく優しい雰囲気のおじさんは、心からそう思っているのだと感じられた。

私も80代まで生きるとしたら、おじさんのようになりたいと思った。


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