Anatomy Doll 〜甘い夢〜
10/3〜6まで中国・上海で開催中の【玩物喪志集】に出展予定でしたが、どうやら税関で引っかかって日本に返送中のようです💧
また機会がありましたら、どこかでご覧頂ければと思います。
せっかく作ったので、作品の紹介をしますね🎀
『Anatomy Doll〜甘い夢〜』2023年
オールビスク 52cm
チャイコフスキーの同タイトルのピアノ曲がありまして、そんなイメージです。
幼く、夢想してるような…そんな少女です。🫧
アナトミードールは人体模型をビスクで作ったら面白いかな、と思って
hydrangeaのグループ公募展の、テーマが「身体」だった時にプロトタイプをまず作ってみました。
この時は苦戦して、完成品として出すことは諦めて、非売で展示しました。
次に作ったのが大阪のクラフトアートに出展した時で、この時もなかなかできなくて、でも奇跡的に成功したものができて、展示販売できました。
諦めが悪いから、また原型から改良して型から作り直してみていたんですが、やっぱり難しく…。
何が難しいのかというと、胴体部分の、お腹が凹んでいる形状なんです。
泥漿を型に流した時に、石膏型が水分を吸収して粘土だけが残り脱型するわけですが、この時に縮む方向が内側と言いますか、この凹んだ部分に食い付くように縮むので、とにかく抜けないんです。
少しでも乾きすぎるとヒビが入ってしまうし。
この凹部分の凹みを浅くして、中のパーツも作り直してみたんですが、大して変わらず…。
だけど先生に相談したらヒントを頂き、抜く時に工夫することで、成功率が20分の1くらいから3分の1くらいになりました…!さすが😭
そして、綺麗に脱型できても焼成が難しくて、本焼成(1200度)の時にかなり歪みがでます。これは普段焼成する時も同じですが、なるべく歪みが少なくなるよう工夫して焼成します。
そうやっても中身を並べた時にどうしても隙間ができますから、中身を多めに作っておき、なるべくぴったり合うものを選ぶんだけどなかなか難しいから、革を貼る時に調整しつつ仕上げています。
それでもぴたっとはまるわけではないんですが、今のところこれが私の限界です💧
その後、お腹の部分を金彩で絵付けしてるんですが、これも焼き付けていく順番がありまして、温度が高い色から焼き付けていきます。
この時も何度か色を重ねて焼きますが、金彩はいちばん高温で800度なんですが、その後他の色を焼いてると金彩が燻んでいくので、また工夫がいります。
実は金をたくさん使っている贅沢な作品です(隠れてるけど…)。
…とか、とにかく作るのが大変な作品ですが、こういうのはビスクか陶芸をやったことある人にしかわからないところです💧
結局は、この作品をぱっと見て気にいるか、気にいらないか…という事なんだと思うのですが、
私は作り手として、自分にしか作れないものを作ることに喜びを感じてしまいますので、これからも誰にもわかってもらえないとしても、生産性が悪くとも、拘りを持って作っていくのでしょう…。😅笑
また、こういう作品はデパートでは展示しにくくて、多分ゾーニング展示になるので、こういう作風がOKのギャラリーになるかと思いますが、ご理解頂けますと幸いです。
大阪のクラフトアートに出した時に、中国の大石さん(玩物喪志集のキュレーターの方)に賞を頂けたことや、お客様に作品をご購入頂けたことがすごく励みになって、改良してまたこの作品を作ろうとチャレンジできたので、本当に感謝しています。😊
イベントの詳細です。
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