引きこもり日誌・18日目

2020年4月25日(土)

 上下巻2冊の中公新書、天野郁夫『大学の誕生 帝国大学の時代』が滅法おもしろい。あまりに面白すぎて、ひたすら丁寧にノートを取って読み進めている。「大学」という制度や「場」にきわめて強く惹きつけられている者のひとりとして知っておくべき、日本における大学制度の歴史だけでなく、そこから現在の、そして今後の「大学」のありかたを捉え構想してゆくための手がかりに満ちあふれている。

 そして今日は、ちょうど「大学のありかた」をめぐるウェビナーも開催されていた。研究者向けのクラウドファンディングや学術研究のアウトリーチに取り組んでいるアカデミスト株式会社の主催で、徳島大学の野地澄晴学長と東京大学の吉見俊哉教授のオンライン対談「ポストコロナ時代の大学論 —徳島大・野地学長と東大・吉見教授に聞く—」。

 14時にはじまった対談は1時間半くらいで終わりを迎え、そこでそうだと思い出す。そういえばもうひとつ参加したかったイベントがあった。

 この感染症の大流行と社会的な不安によって、「都市」や「建築」のありかたはどのように変わってゆくのか。建築学を専門とする人たちが集まって議論するというオンラインイベントが開催される。その主催者と、月に一度くらいのペースで読書会を行っていることもあり、そしてぼくは「都市」について強く関心を抱いているので、ずっと気になっていたのだった。
 そこで前のイベントも終わりそうだから、あわてて参加のメールをお送りする。返送されてきたZoomのリンクをクリックする。ウェビナーからウェビナーへ。これがコロナ・イデオロギーにふさわしい身ぶりなのかと、すこしばかり最先端の感慨をおぼえてみてもよいのかもしれない。

 こちらの「Urban Exercise 第8回目@オンライン」も非常に刺激的な内容で、そこで議論されていたことのいくつかは、ぼく自身も引き受けて考えていきたいと思う。ちなみにこのイベント、どうやら議事録が公開されるようなので、ご関心の向きは要チェックです。

お金があると本を買えます。