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松川昌平、田中浩也、藤村龍至... 若き建築家たちを共進化させたsynactiveとは?

松川昌平さん、田中浩也さん、藤村龍至さん、ベラ・ジュンさん、田畠隆志さん、そしてmosaki田中元子と私。「皆さんが、同じシェアオフィスにいたなんて知りませんでした」イベント当日何人かの方に、そう声をかけられました。今回、6年振りに開催したsynactiveというイベントは、2004〜2008年の4年間、シェアオフィスsynctokyoの忘年会イベントとして毎年開かれていたもの。でも中身は、忘年会とは名ばかりの、見たこともないガチンコのプレゼンだったのです。

で、どんなプレゼンかというと、こんなふうに昔のブログに書いてありました。

「ただの作品プレゼンテーションではなく、その人が何をやりたいのか、どういう概念のもとに動いているのか、そして、これからどうするのか。そういった宣言的、所信表明的なプレゼンを行う」

人はよく年越しをきっかけに目標を立てたりしますが、やはり、リアルな場で複数人の前で宣言することとは、他人と共犯関係になるということが、予想外の効果をもたらします。プレゼン(宣言)も、ただ一方的にするだけではなく、発表したものに対して、考え方やアウトプットがおかしいぞ!!去年言ったことが全然できてないじゃん?!などと、指摘を受け続けるわけですが、毎年繰り返していく中で、確実に自分の中に構築されていくものがあるのです。

synactiveが僕らにくれたもの

宣言することと引き替えに得られたもの。それは、下記のようなことを、より明確化させられたということだったのだと思います。

・自分は何者になるのか
・自分は何を獲得するのか
・何故それが必要なのか
・自分はそのために何をやるのか

メンバーそれぞれが、スタッフを抱えたり、また海外へ行くことが重なった2008年を最後にsynctokyoという場所はなくなり、synactiveも行われなくなりました。その後の、かつてメンバーだった皆さんの現在の活躍は、今更言うまでもありません。で、今回、synctokyoが誕生してから10年かぁ。。と、6年ぶりに、synactiveを勢いで改めてやってみようと、12月13日(木)の夜に3331アーツ千代田にて開催したというわけです。

もちろん、今回の皆さんのプレゼンは、ツッコミどころはほとんどなく、聞けば聞くほど、10年前から考え語り続けてきたことが、より強固になり、今のポジションを確立したということが浮かび上がってきたのでした。同じ屋根の下でシェアしていた頃の皆さんは、仕事もあるかないかわからない、これからの道もまるで見えていない時期を過ごしていました。当時、大学から離れ、どこにも務めず独立して歩みはじめた若き建築家たちが、松川さんが言うところの「共進化」していった大きな理由のひとつとして、このsynactiveがあったことが、今回のイベントを通して、はっきりと分かりました。

synactiveを、プロフェッショナルの登竜門的ツールに

数回、synactiveを繰り返し体験すると、syncative病にかかります。時には、自分が宣言したことが頭の中に思い起こされ、ひとつの指針を示してくれたり、時には折れそうな心さえも支えてくれるものです。しかし、考えてみればプロフェッショナルというものは、個人であれ、企業であれば、synactive的な思考のやりとりを日々繰り返しているだと思います。

そういった意味で、ひとつのツールとしてもsynactiveは有効に機能するのだと思いました。ぜひ、皆さんも一度、synactive的な遊びをしてみてはいかがでしょうか?最大のリスペクトは持ち合いながら、批評し合う場を持ってみよう!

2014年12月13日(木)19時半〜23時@3331アーツ千代田にて、「synactive2014」を開催。写真は、オーディエンスと共に撮った記念写真。


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