結婚式業界と世間のギャップを埋めるためにやりたい2つのこと(前編)  #結婚式こうしたい

こんにちは、リクシィ代表 安藤正樹です。
実は今twitterで #結婚式こうしたい 投稿キャンペーンをやっていて

みたいな投稿を細切れにしているのですが、根本的に何を思っているのか、「#結婚式こうしたい」を想いのままに書きたいと思います。

「人生で一番幸せを感じた瞬間は?」を200人に聞いてみた

結婚式、僕はやるべきだと思っています。なぜかというと新郎新婦にとっては一生に一度のそこでしか得られない体験になるからで、招待された側も結婚式に参加することで「ああ、いい時間だな」と思う瞬間が増えるから。そういう機会が幸せをつくっていくと思っています。結婚式自体が、あらゆる空間を幸せに変えられるパワーがあると信じています。

大事なのは世間の人が、どこでどう生きていてよかったと思えるほど幸せを感じるか?ということで実は2018年に、既婚男性200人にアンケート調査をしたことがあります。

そのうちの質問の1つ「人生で一番幸せを感じた瞬間は?」に対する回答の1位は「子どもが生まれた時」。2位が「結婚式」でした。(結婚式が1位だったら世の中にニュースリリースを出そうと思ったけど、2位だったのでお蔵入りさせましたが 笑)

人生で一番幸せを感じた瞬間2位にランクインするほど幸せを感じる結婚式をやらないっていうのは、めちゃくちゃもったいないことなんじゃないかなと。子どもが生まれた時に感じる幸せは、お父さん、お母さん、子ども、家族でシェアする幸せなのに対して、結婚式は、社会とシェアできる幸せだと思うから。

社会にシェアできる幸せな体験でいえば、「人生で一番幸せを感じた瞬間」は結婚式が1位ということになるんです。自分がピッチなどで、「結婚式は、人生で最もエモい瞬間」というのはこれが理由です。

ここからがまた大事な話。前述のアンケート調査に回答してもらった200人のうちの半分は結婚式をやらなかった人たちなので、やらなかった理由を聞いてみました。

なんとなくイメージで…が多い、結婚式をやらなかった理由

お金がかかる、セレモニーみたいなのが嫌だ、恥ずかしい、準備が大変、マタニティでタイミングを逃したetc.

結婚式をやらなかった理由はこんな感じで、理解はできるんですが、本当にそれがクリティカルな理由なのか?というところを聞いていくと、結構「なんとなく」みたいな部分が強くて。例えば。

「なんか、お金もったいないっすよね」
「じゃあ、いくらくらいかかると思います?」
「うーーーん…数百万?」
「20万円くらいでできる結婚式とかもあるんですよ?」
「え、まじっすか?」

マタニティでタイミングを逃したままの人に、いつかやるんですか?と聞くと、
「うーん、どうなんでしょうね」
「やりたくないんですか?」
「いや、やりたいっちゃやりたいんですけどね」

セレモニーが嫌だ、みたいな話に至っては、画一的な結婚式のイメージに染まっていて、「なんで神様に結婚式の時だけ誓うかわからない」みたいな話をしたりする方がいるんですが、今どきパパパパーンのセレモニー感100%で結婚式をやっている方が珍しいという部分もあったりするわけです。

それってほとんどが世間のイメージじゃん。

結婚式の情報が表面的に伝わってしまっているが故に、ホントのところが結構知られていないよね、と思っていたりもします。ただ、それは全然ムリもなくて。TVドラマとかで映す結婚式って、挙式のパパパパーン、神様に幸せを誓う、新婦の手紙でお父さんお母さんが泣いている…そういう象徴的な部分が切り取られるんですよね。正に昭和的な価値感のままで。

企業側も「お二人の幸せのために」みたいなマーケティングをガンガンやるので、世間側に「新郎新婦の幸せのためにやるものだ」的な考え方が認知されていくのは構造的には自然なことだなとも思っています。でも、

ホントは、祝福されることを目的に結婚式をやる人はいない

「祝福されたいと思って結婚式やるって違うと思って、私はやらない」という人にお会いしたこともあるんですが、ちょっと待ってみてほしいなと。

実際、結婚式をやられている方も、特に平成になってからは、自分たちのためというより「親に感謝を伝えるため」とか「みんなをおもてなしがしたくて」とかで。この1-2年だと、どちらかというとそれも仰々しくて、「なんで親への感謝をみんなの前で言う?わざとらしいんじゃない?」みたいな価値観もでてきていて。「日常の延長にある非日常を自然に過ごしたい」、のような感じが強まっているようにも思います。かなり賛同できます。自分はみんなの前で感謝を伝えている新郎や新婦の姿は大好きなんですけど!

また、みんなとその時間をシェアできたらいいな。みたいな感覚もあって、
「披露宴っていうのが嫌だ・・・。あ、パーティーだったらしっくりくる!」みたいな方もいます。「え、言い方だけで結構印象変わるんだな・・・、それほどまでに披露宴っていう言葉のイメージって強いんだな・・・」と業界側にいると思うわけです。

でも、マーケティングのメッセージは誤解を招くような方法のまま。結果、世間は今でも昭和っぽい結婚式のイメージで結婚式を捉えている人が多くて、それで「高い」とか「面倒くさい」とか「セレモニーが嫌」となってるんだったら、

むちゃくちゃギャップあるじゃないですか!

この、世間のイメージと業界のイメージの間にあるギャップを埋めていくことを誰かがやっていかないと、結婚式は誤解されたままだなと思うわけです。冒頭にも書いたように、「やってみたらよかった!」となるのが結婚式なのでやりましょうよ、と。

結婚式場決める前の新郎が「いやー、僕は彼女がやりたいって言ってるからくらいで、自分はあまり結婚式には興味ないんですよね」とか言っていたのが、結婚式当日には「ホ、ホントに、、、結婚式、、やって良かったです!(T T)」ってだいたいなるわけです。「いやー、僕は彼女がやりたいって言ってるから───」みたいなセリフの時点で、「ホ、ホントに───」が見える既視感に溢れています。

そういったことにブライダル産業で、各社の競争がどうのこうのなんてどうでも良くて、共創しながら、全体で取り組んでいく必要があるよね、というのが今回のイベントであり、 #結婚式こうしたい 投稿キャンペーンのベースになっています。

ちゃんと変えられれば、世間にちゃんと受け入れられる結婚式の姿があるんじゃないか。まさにそれが、結婚式をアップデートしたい、変えていきたい、という趣旨につながっています。

「じゃあ、どうしたいんですか?」って言われると2つあって。

結婚式をオルタナティブにしたい

1つは、人の生き方や価値観が多様化している時代にちゃんと受け入れられるために、結婚式の選択肢をたくさん増やしてオルタナティブにしたいです。20万円でできる結婚式、1000万円かける結婚式、公園で一晩みんなで踊り続ける結婚式があってもいいし、キャンプファイヤーやってもいいし。

かたや、コッテコテの結婚式があったっていい。コテコテのお決まり通りの結婚式だとしても、見る人が初めてだったら「いいなあ」って感動するんです。あれを5回6回見ちゃうとちょっと飽きてきた。。。と言われたりするんですが(自分は好きですよ!)、1回目の時はめちゃくちゃ感動すると言うわけです。

コテコテ、めちゃ違う、普通、普通だけどちょっと気持ち入って感動的、料理うまい、海外。ちょっと挙げただけでも選択肢がたくさんありますよね。でも今は選択肢が少ないように見えちゃってるから「またか」と思われるだけであって。だから結婚式を多様化していくことが大事だなと思っています。

結婚式の多様性にマスメディアも気付きはじめたよという話

事実、オルタナティブな結婚式の波はちょっと来ていて、廃校で24時間ずっとやる結婚式を自分たちで企画した人や、クラウドファンディングで結婚式やった人もいます。そういうエクストリームな人もいれば、結婚を誓った相手が牧師先生じゃなくて父親、みたいな人もいます。(僕ですw 左にいるのが父の忠)

親への感謝をしたいなら、結婚式の誓いは親にする。普通にそう思うわけです。

要は何のために結婚式をするかという話になるんですが、これは色々な理由があっていい。この前アンケートとったら、こんなに意義があるのかというくらいに意義がありました。

僕の意見は、誰かに家族の成立を認めてもらうためだと思うんですね。だって、自分たちだけで「家族でーす」って言ってるだけよりも誰かに承認を受けた方が絶対にいいし、こっそり婚姻届を出したところで戸籍上は認められるけど、社会が受け入れてくれるかというと別の次元があるよねと思います。それが「けじめ」にもなる。

そして、みんな集まるんだからせっかくなんだし何かやりましょうっていう「祭」の位置づけでパーティーがあるんだと。そもそも人間はきっと、大昔は、食べて、寝て、祭りをしているだけで幸せだったんじゃないかとすら思います。今でも、気の合う友達や家族と仕事したり飲んだり旅行したり、何かすることが結局一番幸せなんじゃないかなって思うわけです。

だから、結婚式の中身なんて、なんだっていいわけです。ホントに。自分たちがやりたい内容なら。

自分たちがやりたい内容が見つからないなら、結婚式の○○が嫌、から探したっていい。披露宴の最後に新婦の手紙を読むのが嫌なら挙式で読めばいいし、スポットライト浴びて入場するのが恥ずかしかったら最初から中にいればいい。ドヤ顔でケーキカットしてる写真を撮られたくないならケーキカットをやめて、フォトスポットを1個つくってみんなで写真を撮ればいい。これ全部できます。全然いかようにもできるわけです。既にそうなっています。吉牛のつゆだくくらい普通です。

そういう結婚式の多様性みたいなのはマスメディアに出てこないから「???」となっている人もいるかもしれませんが、この前ちょっと歴史的なことがあって。あるTVドラマで映された結婚式のシーンが、ドレス&タキシードではなく、ゲストもデニム姿でカジュアルに自由にのような内容でカジュアルな立食のパーティーだったんです。こういうのに世間は影響を受けて認知していったりするから、結婚式は変わりつつあるなあとも思っています。

令和は、そういう時代だと僕は思います。

昭和は、家族がお披露目されるための披露宴。で、なんで結婚式を親主導でやるの?から新郎新婦主導になったのが平成。ゼクシィが創刊してゲストハウスが出てきて自分たちらしさが言われるようになった時代。でも、そうはいっても実はそんなに変わってないよねということに気づいて、多様化していくのが令和。

令和は個と個の時代になると僕は思っているので、個人の価値観に合わせていろいろなことが多様化していくと思います。それに合わせて産業自体の構造を変えていかないといけないはずで、リクシィでは結婚式をオープンにするという取り組みを「チュールウエディング(Choole)」という自由な結婚式をサポートするWebサービスで始めていたりもします。

さらにオルタナティブな結婚式が伝わっていく予兆がありますし、そのスピードをあげていくようなものを世に出すことも考えています。僕らが仕掛けられないものもプラットフォーマー的な立場上あるんですが、多分6月中旬あたりに発表できると思います。

結婚式をオルタナティブにする。

それが1つめの僕の #結婚式こうしたい という話でした。

2つめの #結婚式こうしたい は、オルタナティブな結婚式の中からいかに自分たちがやりたい結婚式を見つけるか?という話ですが、長くなるので続きはまた今度ということで。

みなさんの #結婚式こうしたい もぜひtweetしてもらえると嬉しいです。
どんな結婚式にしたいか?
どんな結婚式にはしたくないか?
それぞれ3つずつ挙げてみると、それだけで結構まとまると思います!
(投稿してくださった方の中から抽選でAmazonギフト券3,000円分が当たります)

ついでに告知を。

2019年6月8日(土)、リクシィのブライダルイベント「Wedding Select Fes(ウエディングセレクトフェス) gensen wedding vs Choole」を渋谷で開催します。結婚式の価値観が変化する中で、どんなスタイル、どんな選択肢、どんな価値観があるのか集めます。
https://event.rexit.co.jp/1904fes/

その前日の6月7日(金)は、ウエディング業界の方々を対象にした本気のトークセッションイベントを同じく渋谷でやります。業界のみなさん、ぜひご参加ください!
https://note.mu/rexitinc/n/nf72d461ad881


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