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「訴えないでね」 わたしの左耳に触れる指先も、訴えないでね、と懇願した声も、微かに震えていて。わたしはそれに気付かないふりをしながら「訴えません」と断言した。 「大丈夫ですから、一思いにやっちゃってください」 言うと、わたしの左耳に触れる男性――アルバイト先の店長は、低い声で呻いて、短く息を吐いた。 「あのねえ、今から俺がやろうとしているのは、きみの身体に穴を開けることなの。その穴は半永久的に残るの。もうちょっとゆっくり心の準備させて……」 「でもあまり時間をかける