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わたしは生粋の晴れ女である。 どれだけ雨や雪が降っていても、たとえ吹雪いていても、わたしが家を出ると途端におさまり、帰宅するとまた雨や風が空に戻る。 彼や、たまに飲みに行く友人は雨族であると自己申告しているが、晴れ族であるわたしの勝率は高い。 彼とのデートは待ち合わせ時点で雨や雪が降っている場合が多いのだけれど、いつもすぐに止み、解散の頃にはすっかり晴れているので、彼は「晴れ族め……」となぜかいつも悔しそうにしている。それくらい、彼の人生は雨一色だったらしい。