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小野寺工業のチャレンジ

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小野寺工業は、大型工作機の国内最大手である近畿工作機を主要取引先とする加工制御装置メーカーです。小野寺工業と近畿工作機には資本関係こそありませんでしたが、かつては事実上の系列会社…
運営しているクリエイター

#概念化

Good enough(今のままで十分だ)の時代がやってきた

近畿工作機をはじめ国内の大型工作機メーカーは当初、海外からやってきたこれらの汎用工作機メ…

masaki_ura
6年前
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組織変更は手段のひとつでしかない!「まずは組織変更」は日本企業の悪い癖だ

笠間の組織構想を練り始めた。それは、海外事業推進部を社長直下に立ち上げ、各事業部内に海外…

masaki_ura
6年前
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最初に大切なのは、状況を大きくとらえて事業のイメージを固めることだ

笠間は事業立ち上げに着手したが、それは雲をつかむような話だった。Push型、Pull型の話も内容…

masaki_ura
6年前
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よくできたディスカッションマテリアルは、発散しがちな「I型人間」たちの議論を効果…

小野寺工業は、ハードウェア本部、ソフトウェア本部、サービスビジネス本部という3つの本部で…

masaki_ura
6年前
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御用聞きでは世界に通用しない! 顧客を観察し、顧客の要求を射止めたソリューション…

「どうやって海外事業を立ち上げるのか」 笠間たちコアチームのメンバーは、この難題に正面か…

masaki_ura
6年前
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新しい事業を立ち上げるには既存顧客を狙っていたのではダメ! マーケットセグメンテ…

笠間たちは海外の情報を収集し、大型工作機メーカー、装置メーカー、構成機器メーカーといった…

masaki_ura
5年前
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他社のベストプラクティスを安易に真似するだけでは、組織はバランスを失い、取り返しのつかない結果を招く

行きつ戻りつの議論の末、海外事業の事業モデルは以下の2つに絞り込まれた。 ① 東南アジア向けの汎用工作機事業モデル ② 欧米の大型工作機メーカー向けの加工制御装置事業モデル その内容はこうであった。 ① 東南アジア向けの汎用工作機事業モデル 機械化が十分ではないアジア諸国をターゲットに汎用工作機を販売する。 アジアの汎用工作機メーカーに加工制御装置を販売する、いわゆる「装置メーカー」モデルも考えたが、工作機メーカーにノウハウを盗まれて最終的に切り捨てられたり、加工制御装

事業立ち上げには情報が欠かせないが、これがネックとなることは多い まずはクイック…

役員会では投資に対する議論が交わされた。 東南アジア向けの汎用工作機の開発、東南アジアに…

masaki_ura
5年前
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表面的な部分にばかり目を奪われていると、せっかくの変革施策は定着せずに終わってし…

笠間たちの目の前には課題の山が広がっていた。 消極的スタートの汎用工作機事業は後回しにす…

masaki_ura
5年前
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スポンサーシップなくして変革なし! 大組織のイナーシャは大きいが、意思決定のシナ…

海外事業の立ち上げが実行に移されようとしていたころ、笠間は変革活動に明け暮れたこれまでの…

masaki_ura
5年前
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目標はトップダウンで決めるものであり、それを達成するための手段は、達成の見込みが…

浦田と笠間が連れ立って飲みに行くのは、これが3度目だった。1度目は、浦田が変革活動に参加し…

masaki_ura
5年前
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投資には「ポジティブ」と「ネガティブ」があり、ポジティブな投資は、将来に引き継ぐ…

「今日は投資についてお話させてください」 浦田は笠間たちOBFコアチームを前にしてこう切り…

masaki_ura
5年前
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顧客との間で戦略的パートナーの関係を築き、RFPの前に自分たちの強み(=選ばれる理…

節は夏に近づいていた。新体制が発足してすでに3ヶ月が経過していた。 笠間たちOBFコアチーム…

masaki_ura
5年前
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「顧客の顧客」が抱える潜在的な課題をつかみ、顧客にとっての戦略的パートナーを目指す

アポロマシナリーへの顧客開拓活動がスタートしたのはこの直後だった。 アポロマシナリーからは以前に引き合いがあり、加工制御ソフトウェアを提供した実績があった。関係者の話ではその後も細々と関係は続いているようだったが、それを裏付ける情報は見つからなかった。そこでソフトウェア事業部の当時の担当者に連絡をとったところ、話を聞くことができた。この引き合いの後も何度かRFPをもらったが、いずれも受注には至っていないということだった。 笠間たちOBFコアメンバーは、浦田のアドバイスに従い