マガジンのカバー画像

小野寺工業のチャレンジ

32
小野寺工業は、大型工作機の国内最大手である近畿工作機を主要取引先とする加工制御装置メーカーです。小野寺工業と近畿工作機には資本関係こそありませんでしたが、かつては事実上の系列会社…
運営しているクリエイター

#ビジネス

環境の変化に対応できるものだけが生き残る

小野寺工業は大型工作機の国内最大手である近畿工作機を主な取引先としていた。 大型工作機の…

masaki_ura
6年前
7

Good enough(今のままで十分だ)の時代がやってきた

近畿工作機をはじめ国内の大型工作機メーカーは当初、海外からやってきたこれらの汎用工作機メ…

masaki_ura
6年前
4

系列崩壊時代に日本企業はどう動くべきか

近畿工作機は生き残りを賭け、系列会社の切り捨てに手を付けた。 これまでのように無条件に系…

masaki_ura
6年前
3

事業運営のスタイルをPull型からPush型に切り替え、攻めに転じる

大島は、こんなこともあろうかと予備予算を確保していた。浦田は、この予算でOBFの支援を引き…

masaki_ura
6年前
2

組織変更は手段のひとつでしかない!「まずは組織変更」は日本企業の悪い癖だ

笠間の組織構想を練り始めた。それは、海外事業推進部を社長直下に立ち上げ、各事業部内に海外…

masaki_ura
6年前
6

よくできたディスカッションマテリアルは、発散しがちな「I型人間」たちの議論を効果…

小野寺工業は、ハードウェア本部、ソフトウェア本部、サービスビジネス本部という3つの本部で…

masaki_ura
6年前
3

御用聞きでは世界に通用しない! 顧客を観察し、顧客の要求を射止めたソリューションで勝負する

「どうやって海外事業を立ち上げるのか」 笠間たちコアチームのメンバーは、この難題に正面から向き合うことを決めた。 その手始めに、事業方針をざっくりと固めることになった。 小野寺工業の社員たちは顧客の要求に応えるリアクティブな活動に慣れ切っていた。ところが海外事業はそうはいかない。近畿工作機のように、競合他社に声を掛けるようなこともせず、自分たちの欲しいものを機能レベルで要求してくれる顧客は海外にはいない。海外で勝ち残るには、競合相手を打ち負かさなければならないのだ。 浦

なぜ選ばれるのか? 誰に選ばれるのか? 企業にはこの問い掛けが特に大切だ

ソリューション型を目指すことは決まった。 しかし、これは「どうやって海外事業を立ち上げる…

masaki_ura
6年前
2

新しい事業を立ち上げるには既存顧客を狙っていたのではダメ! マーケットセグメンテ…

笠間たちは海外の情報を収集し、大型工作機メーカー、装置メーカー、構成機器メーカーといった…

masaki_ura
5年前
3

スポンサーシップなくして変革なし! 大組織のイナーシャは大きいが、意思決定のシナ…

海外事業の立ち上げが実行に移されようとしていたころ、笠間は変革活動に明け暮れたこれまでの…

masaki_ura
5年前
5

事業部ごとにバラバラだった事業運営を、オファリングモデルの概念がひとつにまとめ上…

新体制が承認されてからしばらく経ったある日、浦田は久しぶりにソフトウェア本部長の大島のも…

masaki_ura
5年前
14

目標はトップダウンで決めるものであり、それを達成するための手段は、達成の見込みが…

浦田と笠間が連れ立って飲みに行くのは、これが3度目だった。1度目は、浦田が変革活動に参加し…

masaki_ura
5年前
13

投資には「ポジティブ」と「ネガティブ」があり、ポジティブな投資は、将来に引き継ぐ…

「今日は投資についてお話させてください」 浦田は笠間たちOBFコアチームを前にしてこう切り…

masaki_ura
5年前
3

顧客との間で戦略的パートナーの関係を築き、RFPの前に自分たちの強み(=選ばれる理由)を刷り込め

節は夏に近づいていた。新体制が発足してすでに3ヶ月が経過していた。 笠間たちOBFコアチームの活動は、計画から計画の実行に移り、そろそろ実績につながるきっかけくらいは出てきてほしい時期に差し掛かっていた。 新組織が発足する少し前あたり、事業計画作成で盛り上がっていた時期に、笠間は事業部長たちに集まってもらい、顧客開拓の重要性を伝えていた。かくしてこの時期には、OBFコアチームは、事業部と兼務で参加しているOBFメンバーたちと共に顧客開拓のための活動を開始していた。 ドイツの