第5回スケッチ

本当は北側の庭が気持ちが良い

こんにちは。始めて投稿します。

ガーデンデザイナー・環境デザイナーの正木覚です。
個人邸、集合住宅、施設などの庭づくり、メディア出演(趣味の園芸他)などをしています。

長年庭づくりをやってきた経験から、ガーデンデザインに関する情報を定期的に配信していこうと思います。

さて、記念すべき!第一回目は庭の方位について投稿したいと思います。

一般に住宅の北側の庭は薄暗く、ジメジメしたものと思われがちですが、実は昔から贅沢な庭を作る事が出来る場所として知られています。
夏は涼しく、冬は暖かい理想の庭にする事が可能です。

ただし、それには幾つかの条件があります。
南からの陽の光が十分に当たる広さがある事風通しが良い事です。
この場合、建物は階高が低く、通風の工夫がしてある事です。
北側の庭は南の陽の光を受けた木々や草花の姿が正面から眺められ、薄暗い北側の部屋の中からは一層美しく輝いて感じられるものです。

第5回写真

画像3

↑この写真は北側斜面に沿って建てられた二階建ての建物ですが、二階の北側出入り口のフロアーレベルが北側の庭と同じ高さになっていて、一階建て建物の庭と同じ条件になり、建物の影が庭を覆う事もなく明るい庭になっています。

夏の昼間は建物の影にいて涼しい風が感じられ、反対に冬は建物が冷たい冬風から守ってくれます。

第5回スケッチ

↑このスケッチは北側の斜面地に2階フロアーレベルよりデッキ床を出したプランです。通常プランでは使われない場所が新しい心地よい空中庭園に変身しました。建築計画上では考えられなかった領域を庭の一部として生活空間を作ったプランです。

 二つのプランはいずれも中間領域と言われる場所をデザインする事で成り立っており、ガーデンデザイナーが力を発揮できる場所ではないでしょうか。

デザイナーはそれぞれの専門領域を繋ぐ役割を持っています。

ガーデンデザイナーも例外でなく、施主と職人を繋ぐだけでなく、建築家やインテリアデザイナー、園芸家、エクステリアメーカー、設備業者などの多種類の業種を繋ぎ新しい領域のデザインを提案するのが仕事です。

常識に囚われず、若いデザイナーは新たな世界に乗り出してください。

正木覚(まさき さとる)
エービーデザイン株式会社
HP: http://ab-design.jp/
Blog: http://masaki-ab-design.blogspot.com/

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