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中学受験の現状

重量級の中学受験

現在、中学受験塾に入り、中学受験をしようとすると非常に勉強量が多くなります。私はその原因は大きく3つあると考えています。

  1. 極端な先取り

  2. 広範囲の知識

  3. チェックテストの多さ

これらは中学受験塾の常識的手法になります。
始まりには根拠の有った手法だと思いますが、長い年月を経て、現状は行き過ぎ効果より弊害の方が多いように感じます。

1.極端な先取り
塾で先取りは普通の事となりました。元々何に対して先取りと言えば、当然小学校のカリキュラムに対しての表現になります。6年3月までに終えることが2月の上旬で問われるので、中学受験組は最低でも2ヶ月の先取りをするのは当然です。また元々受験の開始時期6年生からスタートと遅かった時代。中学受験を検討する層は、”優秀層”か”手厚いサポートを与えたい層”に2分されるような時、優秀そうに対して先取りの効果が大きかったと思います。小学校の授業中に教科書を全部覚えてしまうような優秀層にとっては塾の先取りは楽しく、又有効だったと想像できます。

しかし、中学受験が一般化して比較的優秀層や中間層が入ってくると、先取りがきつい子が増えてきます。また開始時期が早まることにより、年齢が下がってくると当然子供のキャパシティーも小さいので受け入れが厳しくなって来る側面が見えます。
中学受験開始の低年齢化が更に進んでいるようですが、そうなると先取りは加速していくことになります。

2.広範囲の知識
中学受験塾が用意している教材は入試問題を元に使っています。
そのため、中学校が絶対に100点にしない為の問題レベルを入れてくるので、最初に用意する基礎部分から容量が多くなります。

しかし、学校というのは文部科学省の管轄であり、それぞれに教育指導要綱というものがあり、中学入試においては小学校の教育指導要綱を越えないのが条件になります。本来の必要な知識量は決まっています。

中学受験算数の問題を教科書で習ってることでは解けないのではないかとなりそうですが、出題側は教育指導要項を守って算数の問題を作ることは難しくないそうです。それをどうに解くかがある意味中学受験塾側の工夫となるわけです。対して、理科や社会といった問題はベースがありますので、問われ方を変えたりということで難易度が上げていくことになります。
塾が考えるベースは本来のそれよりも肥大化させてしまっています。それがヘビー化の原因の一つだと思います。

3.チェックテストの多さ

大手塾に通うと、極端な例としては、毎週のように確認テストがあり、月一テストがあり、3ヶ月に1回の模試がありとテストに向かって勉強していく事になります。無駄なチェックテストは色々な弊害があると考えます(後述予定)。それでもチェックテスト自体を批判は致しませんが、それに付随するものをはいらないのではないかと考えます。
そもそもテストの時間はインプットではなく、アウトプットの時間になります。そんなに細かくチェックされるのは時間に無駄ではないかと考えます。

テストは現在の理解度を表しているものに過ぎません。現状では塾はそれに”カースト”を付け加えます。成績が下がればクラスが下がるのは当たり前と疑問にすら思わない方も多いと思いますが、この付加ストレスは本来の勉強を歪めるケースが多いです。これも気持ち面の圧力という点ではかなり強いものになります。

本来は今のクラスでは理解できないようなので、下のクラスではもう少し丁寧にやるのでそれを聞いてね、だった筈です。
現状は、下に落ちると上がるのが大変だと脅しに使われたり、下のクラスの先生のレベルが極端に低かったりすることが多いです。結果理解が進まず負のスパイラルに入りがちです。

このように模試テストを提供できるような大手中学受験塾に入ると量との戦いになりがちになります。

そして、大手の中学受験塾を利用する場合もう一つ大きな問題があります。大人数を相手にしているので、柔軟な対応はあまり望めません。カリキュラムもきちんと決まっています。途中から入れてもやっていな所は自分で対応してねが基本になります。

そして大手のカリキュラムでは偏差値50の学校を目標する場合、必要な事はほぼ5年生で終わっているのです

こう考えていくと、6年生スタートを実現するゆる受験とは、もう経験ある講師もほとんど残っていないような昔の中学受験塾のスタイルが理想となりそうですが、そういう塾はとても少ないのが現状になります。



ライト受験の定義

「ゆる受験」も王道中学受験を定義したので、私が勝手に提唱する「ライト受験」を定義してみました。

  1. 受験開始時期は4年生または5年生が望ましい(通塾とは限らない)

  2. スモールステップで子供の負担を減らす

  3. やる範囲を限定し子供の負担を減らす

  4. 偏差値55以下の学校を狙う 

  5. 習い事はやめなくても良いが、子供がやりたいものだけにする。

  6. 受験機会を減らさないため、4教科受験を基本とする。

  7. お得な学校ではなく、子供に合った学校を探す

  8. 使えるコンテンツは何でも使う

となります。
ライト受験が本来の中学受験に比べて負担減となるところは全て子供の負担減になります。誰かにお任せに出来ないので親の負担は増えるかもしれません。

この「ライト受験」は中学受験塾に合わなかった例えば4・5年の終わりに塾を辞め休養をとった後、やはり受験しようとなった方にもマッチします。


続く

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